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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第2章 王都への道
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第6話 新しい道具袋 その2

目を覚ますと、グラーシュもアルディも出発の準備を済ませていた。


「ごめん。寝過ぎた。」


何も決めずに夕ご飯を食べて寝入ってしまったが、アルディとグラーシュが交代で火の番と周囲の警戒をしてくれていたみたいだ。


「ごめん。勝手に好きなだけ寝てしまった。」


「大丈夫ですよ。そんなこと・・・、気にしないでください。」


グラーシュは優しい。


その優しさが、逆に刺さる。


それに、こんなことを続けてしまうと、2人が睡眠不足に陥り、パフォーマンスが下がる。


それはそのままチームのパフォーマンスダウンに繋がる。


本当に襲われたときに戦えないのでは、本末転倒だ。


今は、人数が少ないから余計に、協力しないと負担が大きい。



なんなら、戦力にならない俺が寝ずの番をすべきだった。


にも拘らず、無警戒で寝てしまった。


現世では当然の事、転生してからも襲われた試しがないから・・・かな。


平和ボケの日本で、正常化バイアスに背中を押されて生きてきた“間抜け”から早く脱却しなければ。



「出発前に大切なお話がありまーす。」


2人とも、こちらに注目してくれた。


ストークは不機嫌そうだ。


ごめんね、グラーシュとの楽しい時間をお預けしてしまって。


「今後は移動中に必要な物と、奇襲を受けて用いる物以外は、俺が預かりまーす。」


「御意。」


アルディ、何のことだか分かっていないはずなのに、返事は相変わらず良いね。


「どういうことでしょうか?」


グラーシュは、混乱している様子だ。


当然だよね。


「グラーシュ、口でうまく説明できないんだ。アレがアレなのでね。」


「アレがアレ?」


「とにかく、見てもらえば分かるから、せっかくまとめてくれたところを悪いけど、荷物を整頓し直して。」


「はい。」


整頓が済んでいるから、割と手際よく俺に預ける物が俺の前に並んだ。


グラーシュ、流石です。


さて、吸収しますかね~。




左手をかざそうとした瞬間、先生の顔が浮かぶ。


・・・あぶねっ、そうだった。



「グラーシュ、俺に預ける物の中に食料あるよね。」


「はい。」


「その中にまだ生きているものなんてないよね?」


「大丈夫、ありませんよ。」


「ははは、そうだよね。」


「では、いきまーす。」


俺が左手をかざした。


すぐに左手が黒くなって、音も無く、次から次へと吸収されていく。


グラーシュは、目が点になっている。


最後に最も大きいリアカーを収納して、完了。


あっという間の出来事だった。


「こういうことなのよ。分かった?」


グラーシュの硬直は解けていない。


「分からんよね。まぁ、そういうもんだと思って。」


「はい・・・。」


「必要な時は言ってね。出すから」


「はい・・・。」




かなり身軽になった。


馬への負担も大きく軽減された。


特に、リアカーを引いていたネロアは大喜びなんじゃないかな。


あぁ、ヘドバンしてる。


良かったね~。



ふと思ったけど、ネロアのペロペロやヘドバン、ストークの感情モロ出し、どちらも個性的でいいのだけど、俺のエラムにうつらないよな・・・


頼むよ、良い子のままで居てね。


エラムの首筋をなでなでして・・・良し!




「今日は昨日より移動するぞー!しゅっぱーつ!」

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