顔だけ脳タリン野郎のおっぱいと鋼鉄の○○
下ネタマイルドだし全年齢にしたけど、面白いか不安です(´・ω・`)
両手が不自由だわ。
あの件で私の両手はひとさし指以外はしばらく動かせない事になってしまった。
授業のノートはとれないし、トイレにも困るし。本当に悲惨。
「リコリスたん。ノート取っておきまちたよ。見まちゅか?」
鼻毛が鼻の下を伸ばしきっていた笑顔をこちらに向けてノートを渡してくれた。
なぜ赤ちゃん言葉なのだろうか?
あかちゃんプレイ?
「ありがとう」
私は素直にお礼を言うとジェリドは頬を赤らめ、その場によつん這いになる。
「あぁっ……。きゃわたん!目が、目が潰れる!」
両目を押さえながらのたうち回る奴はまさしく変態だ。
「リコリスたん。尊い。神々しい。光ってゆ」
コイツにとってお礼を言う私の姿すら、後光が差しているように見えるのかもしれない。
別に私は禿げていないけれど。もはや鼻毛というよりも調教の済んだ変態にしか見えない。
「リコリスたん。見えまちゅか?」
変態は荒い息を抑える事なく私にノートを開き始めた。
「……」
私はそれを見て眉間にシワを寄せた。
み、見やすい。しかも分かりやすい。
考えてみればアーサーよりも勉強は出来るし、天井に貼り付いていられる体力はあるし、コイツって実は凄いんじゃないのか?鼻毛ボーボーの変態だけど。
待って私ポンコツなんじゃない?
攻略対象殴って負傷してるし。
いけない。そんな事実に目を向けては。知ってはいけない世界を垣間見そうな気がするんだ。
アイツは鼻毛ボーボーの変態で私はまとも!
それで全て決着がついているんじゃないか。考えれば考えるほど恐ろしくなっていく。
そうだ!
次に襲撃する奴の事を考えよう。
顔だけ脳タリン野郎の事を。
人には入り口と出口がある。そこはちゃんと空洞になっていて。
指を突っ込んでも怪我なんてしないはずだ!そこを攻めれば今度は大丈夫!
ところで彼にたいして何か大切な事を忘れているような気がするんだ。
何でだろう?思い出せない。
「リコリスたん。どうしたんでちゅか?」
ジェリドは私が俯きだしたから、気になったらしく、心配そうに赤ちゃん言葉で聞いてきた。
「何でもない」
「じゅーちゅ飲みますちゅか?」
そして、機嫌をとるようにオレンジジュースを差し出してくるが、いつまでその喋り方をするつもりなのだろうか?
「飲む。そのしゃべり方やめろ」
私は文句を言いながらもストローを咥えてジュースを飲み始めた。
「リコリスたんは可愛いでちゅね。いい子。いい子。はぁ」
ジェリドはうっとりとしながらも頑なに赤ちゃん言葉はやめない。私の頭を撫でながら、身悶えを始めたのでもしかしたら私がとてつもなく神々しく見えるのかもしれない。
最近はよくわからないジェリドのペースに呆れるだけで、特に何かしようという気分にならなくなった。
突っ込むのがめんどくさい。慣れって怖いな。
とにかく私は顔だけ脳タリン野郎を襲撃しないといけない。
「リコリスたん。じゅーちゅ飲んだからお勉強の御手伝いを……」
考え事をし過ぎたせいなのか、ジェリドはハァハァしながら私に両手を伸ばして迫ってきた事に気がつかなかった。
「り、リコリスたん、お勉強ちまちょうね」
ハッ、と顔を上げると、奴の目は妖しげに黒光りしており、この世の混沌が全てあの中に捩じ込まれているような錯覚を覚えた。
「嫌だ……!」
勉強は嫌だ!死ぬ!私は勉強すると死ぬ呪いがかけられているんだ。
ジェリドの顔面を左足で蹴りあげると見事にヒットした。
「イチゴちゃん!!」
奴はそれだけ言い残して鼻血を吹きながら倒れた。
ジェリドを倒して調子づいた私は顔だけ脳タリン野郎を探すことにした。
そして、奴は呆気なく見つかった。わざと私に見つかるようにしているんじゃないのかと思うくらいだ。
ちなみに、アイリーンもすくそばにいた。
奴らは私に背を向けて教室に向かっているようだった。
後ろ姿からはどんな顔をしているのかわからないが、きっと鼻の下を伸ばしきっているのだろう。そして、鼻毛ボーボーなんだ。きっと。
チャンスだ。
「食らえ、亀の千年の呪い…!」
私は叫びながら顔だけ脳タリン野郎の尻に向かって、ひとさし指を重ね合わせて走り出した。
二人は唖然とした表情でこちらを見ていたが私は止まらない!
「グリセン浣腸弾!!」
私は叫びながら顔だけ脳タリン野郎の尻に指を突き立てる。
バキッ……!
「指が~!指が~!」
小気味いい音をたてて私の指が折れた!あまりの激痛で涙が止まらずその場でのたうち回った。
なんて尻の穴をしているんだ!
まるで鋼鉄のような。そうアイアン尻穴だ……!
彼はもしかしたら金髪で濡れた黒い瞳が美しすぎるから、男にも狙われると思ってここを鋼鉄のように鍛えたのかもしれない。
「君!大丈夫か?」
顔だけ脳タリン野郎は私がど失礼な事をしたのに、そんな事すら気にしないでしゃがみこんだ。
「アーロン様。この人はいつもこうなので放っておいてあげてください。」
アイリーンは冷静にそう声をかけて、顔だけ脳タリン野郎にそう言った。
私はアーロンという名前に聞き覚えがあった。
アーロン。
アーロン。
アーロン!?
そして私は大切な事に今気がついた。
顔だけ脳タリン野郎って王子だったじゃん!
ヤバイと思って彼を見ても、心配そうにこちらを見ているだけだった。
カンチョーされたというのにとても平気そうだ。
つまりアーロンは、スーパー攻め男!?
いけない目眩く妄想の扉は気が付いたら開かれていった。
「アイリーン。君の秘密を教えて」
「アーロン様。私、嫌われたくない」
アイリーンの声は低く少女の物とは程遠かった。
「本当の事を話して、僕たちに性別なんてたいした事ないはずだ」
「しかし」
「愛しているんだ。男でも君の事……」
「アーロン様。私もです」
殿下は蕩けてしまいそうな目でアイリーンを見つめる。
「ねぇ、本当姿を見せて」
「はい」
アイリーンは恥じらいながらも、カツラを外した。
そして、全身に力を入れると、ブチブチとドレスが破れて見事な筋肉が露になる。
これぞ、筋肉とドレスの芸術作品。
「アイリーン。君はなんて美しいんだ……」
「そんな事ありません」
アイリーンは頬を染めて顔をそらす。
「ダメだ。こっちを見て?」
アーロンはその顎を掴み、見つめあいそのままブチュー。
「ぐへへへへへ…!!」
私は気が付いたら涎を滴ながら笑っていた。
その直後だった奴らの気配がしたのは。
「リコリスたん…!」
「姐御!」
「リコリス姐様!」
気のせいだろうか三人の叫び声が聞こえたのは。私は瞬時に現実逃避を始めたが、そんな事を三人は許してくれなかった。
三人は示し合わせたように地面を突き破って、何か大技を繰り出しそうなポーズをとりながら登場した。しかも、示し合わせたように同じポーズ。
お前ら楽しそうだな。
ところで、どこから掘ってきたんだろう。やっぱりブラジルからなのだろうか?
聞いたところで誰一人答えてはくれないだろうけれど。それだけが気になる。
「姐御!フィジカル弱いのに何で殿下の尻穴を狙ったんだ……」
カイはオイオイと泣きながら叫ぶが、彼の口からとんでもない単語が飛び出てきて面食らった。
余計な事言うな!触れられていなかったのに。断罪される前に処刑されてしまう。
「殿下はマイスイートベイビーのリコリスたんに何をしたんですか?」
ジェリドは不穏な空気を撒き散らしながら殿下に詰め寄りそうな勢いだった。
堕天使どこ行った!ベイビーだから赤ちゃん言葉だったのか!
ようやくジェリドの謎の言葉遣いの理由がわかって、一週間くらいの便秘が解消されたような気分だ。
「あ、アイリーン聞いてくれ。これは、その浮気とかそういうのじゃなくて。でも、ちょっとリコリス姐様も素敵だなって……」
アーサーはなぜか弁解を始めていた。
お前が一番修羅場じゃないか。
言い訳を聞かされているアイリーンはなぜか呆然とした様子で私を見ていた。
なんだ?
「何で貴女は悪役令嬢なのにそんなにモテてるの!」
アイリーンは突然私にそう怒鳴り付けてその場から走って去ってしまった。
え、どういう事?
私はそう思ったがそれが分かりそうな人はこの場には居ない。
「アイリーン待ってくれ!」
殿下はそう叫びながらこの場から去ろうとした。
そうは、させない。とりあえず言ってやろうじゃないか。
「お前ら捕まえろ」
私の低く抑えた声の命令に、三人は調教の終了した豚野郎のように、連携プレイで殿下を捕まえた。
アーサーが殿下に膝払いをしてカイが飛び蹴り、そしてジェリドが殿下の上にのし掛かり服に手をかけた。
ジェリドがシャツのボタンを外す度に殿下は悩ましげに「あぁ…。」と喘ぐような声を出して身悶えしながら頬を染めた。
とりあえず殿下の筋肉を拝もうか。私は今だけはジェリドを最高の婚約者だと思った。
よくわかってるじゃねぇか。
「離してくれ。アイリーンが……」
殿下は慌てたようにもがくがジェリドの方が腕力があるらしくビクともしない。
「貴方は、アイリーン様よりも向き合うべき方がいらっしゃるんじゃありませんか?」
私は顔だけ脳タリン野郎に冷静に言葉を投げ掛けた。
「そんな人間などいない。」
「婚約者様はこの事をご存じですか?」
私は彼女が何度も彼に進言しているのを見たし、その度に泣き崩れているのも知っている。
「それは」
アーロンはふと彼女の事を思い出したのだろう。ばつの悪そうな顔をした。
無関係な他人の私からそんな指摘をされるということは、自分の愚かさを再認識させられたのかもしれない。
「貴方はご自分の立場をわかっていますか?」
「そんな事わかっている」
「それなのに、恋にうつつを抜かしているんですか」
わかっていないだろう。わかっていたら今ごろ、アイリーンではなくて婚約者に土下座して許しを乞うているはずだ。
一国の王子がこんなバカな事をしているのだ、それを貴族らにはどのように見られているのかわからないはずがないだろう。
「……」
「立場は捨てられない。好きな人は諦められない。貴方はとても無様ですね」
「なんだと。言わせておけば」
私の嘲笑の言葉にアーロンは眦を上げて睨み付けてきた。
「大切な物がひとつしか選べない時はどうしますか?もう、わかってますよね」
「それは」
「貴方に必要なのは覚悟です」
彼がアイリーンと寄り添うには何もかもを捨てないといけない。
これで、アーロンがどう判断するかはわからないが、最悪な結末にならないことだけを願いたい。
「どうしたら」
殿下はしばらく考え込むように俯いた。
「ありがとう。リコリス我が友よ」
私、お前とお友達になった覚えなんてないぞ?
ちなみに、なおもジェリドは殿下のヌードショーは継続したままだ、私はゴクリと唾を飲み込みながら、殿下のおっぱいを待っていた。
そして、肌着に手が伸びた瞬間だった。
「お前ら!何をしているんだ!」
教師の叫び声でヌードショーは中断された。
おっぱいが見れないなんて残念で仕方ない。だって実物なんて、滅多に見ないんだもん。
「あぁ」
いいところで中断された殿下はどこか残念そうに甘い声を出して抗議していた。
恐らく見せたかったのだろう。
読んでくださりありがとうございました




