まさかの出会い
作者の所用のため遅れました。
これからはまた普通に更新していきます。
ガチャガチャと謎の金属で出来た手錠をつけながら勇人は歩く。
その後ろには、一緒に捕まりガクリとうなだれた冒険者の姿もあった。
勇人たちは今、大理石のような高級感溢れる廊下を歩いている。
下にはふかふかのカーペットが敷かれており、先程から勇人たちの足を優しく包み込んでいて、そこで寝ろと言われたら喜んで寝られるくらい綺麗に掃除をされていた。
「ここはいったいどこなんだ…」
さっきまでいた元ギルドとは違いすぎる景色に勇人は驚いていた。
「ここは王立裁判所だ。おそらく、俺らは今からここで裁判を受けさせられるんだろう」
そんな勇人の疑問に冒険者はふてくされたように答えた。
「まったく、ここには来たくなかった…」
心底嫌そうに言う冒険者。
そんな冒険者の気持ちに心の中で同意しつつ勇人はため息をつく。
「どうして、こうなったんだか…」
「おい、いい加減私語を慎め。それにお前たちが今から行くのは裁判所ではなく、その待機室だ。裁判というものは色々と準備が必要なのだ。……到着だ」
サンドルに怒られながらヘイヘイと前を見ると、とても良い木を使っているんだろうとわかるほど質感と重厚感が段違いの黒い2、3メートルくらいの扉
あった。
「はぁー、スッゴいなこれは…待機室でこれかよ」
その見た目に勇人は感心していたら、後ろからガツンと一撃を食らった。
「いってーな、なんだよ!」
「こんなんで驚いてんじゃねぇ。さっさと待合室で座りたいんだ早く行けよ」
冒険者がいきなり勇人を蹴っ飛ばしてきた。
フン、と面白くなさそうにしながら冒険者は勇人をせかしている。
「ハイハイ、わかってますよ…」
殴られたところを押さえながら勇人は前へ進んだ。
サンドルがギィィィと重い音を出しながら扉を開けるとそこには、一人の女性がいた。
「あっ、すいません。まだこの待機室使ってまし………て…………」
その女性は勇人の姿を見ると言葉を失い、ただただ信じられないものを見たような顔をしていた。
実際、彼女の視点から見てみたら勇人という存在はこの世界にいるはずのないものだし、そんな彼女の勇人を見たときのリアクションとしてはとても正しいことだろう。
しかし、勇人はこの出会いをもしかしたらあるかもしれない、という風に考えていた。
理由としては、あの王都の街中で出会った日本の居酒屋。
あの時、勇人は1つの可能性を考えた。
それは、自分以外にもこの世界で過ごしている日本人の存在。 ・・・・・・・・・・
そしてそれは、勇人の知っている人物という可能性。
ここまで言えば、わかるだろうか。あの時、つまり勇人が謎の光に巻き込まれたとき、そばにいた人たちをも光は巻き込んでいた。
そして今、勇人の前にいる人物はその中の1人。
勇人の幼馴染である山上美姫であった。山上美姫であった。




