検問そして居酒屋!?
転移鏡の中に入っていくとグワンと視界が歪んだ。
「うおっ」
その不思議な現象に勇人は戸惑いつつ足を進める。
「なんだこれ…浮遊感が何か気持ち悪いな」
感覚に慣れず気持ち悪さと戦いながら足を進めるうちに他の出口のような穴が現れてきた。
穴からは青々とした木々が見える。
「あれが親方の言っていた王都の近くの森か…」
そう言いながら勇人は近づいていった。
そして穴へたどり着き片足を踏み入れるとまたも視界の歪みが発動した。
「これ、どうにかなんないかな…」
歪みに不快感を覚えながら勇人は穴を抜けた。
穴を抜けるとそこは森であった。
「いや、まぁ知ってたけど」
振り返るとさっき通った穴が消えていっていた。
「なるほど、一回切りなのか」
勇人は周りを確認しながら言った。
「さて、じゃあ街へ行くか」
そう言いながら勇人は街へ向かっていった。
街道を見つけそれに沿っていくと、とてもデカイ門があった。
「でっか、親方くらいあるんじゃないか…」
見上げながら勇人は言う。
見た感じだと門には門番がいて検問があるらしい。
沢山の王都に訪れてきた人が、検問を受けるために並んでいる。
「待て!ここから先に進むには検問を受けてもらう。まず荷物を出してくれ」
門を通ろうとすると屈強な門番が話しかけてきた。
「検問ですね、わかりました」
そう言うと勇人は荷物を全て門番に託した。
「ふむ、いいだろう。身分証はあるか??」
「身分証ですか?もってないです。必要ですか?田舎者なものでなにもわからなくて。できれば街のことも教えて貰えると嬉しいです」
下手に出て勇人は言った。
その方がコミュニケーションをとりやすいとモンスター集落をでる前に教えてもらったのだ。
「王都すら知らないのか…相当の田舎者だな。まあいい、教えてやろう」
最初は怖かった門番だが勇人の態度を見て少し警戒を解いてくれた。
「ありがとうございます」
ニヤリとしながら勇人は言った。
「さて、まずはお前は何の目的でこの街に来たんだ」
「(とりあえず、魔王を倒したいんで仲間を集めに来ました。なんて言ったら驚くだろうな…よし、嘘と本当を混ぜながら答えよう)」
「えーと、僕の村で行方不明者が出たんですよ」
「ふむ、それで?」
「行方不明者の場所はわかったんですけどそこが結構危ない場所で…それで一緒に協力してくれるものを求めにここまでやってきました」
「なるほどな。事情はわかった、仲間を集めるんだったらギルドに行くといい。身分証もあそこで発行できる。身分証があれば色々な街や外国にもお金がかからずに行けるからな。ギルドは荒くれものだらけだが腕は確かなのがいるから仲間を集めるのにはいいと思うぞ」
「わかりました。ありがとうございます。あっ、後ご飯を食べる場所と寝る場所を教えてくれませんか」
「いいだろう、宿屋はこの門の通りをまっすぐ進んでいけば左手に羊の形の看板を下げている店がある、それが宿屋だ」
「なるほど」
ふむふむと相づちをうつ勇人。
「そしてその宿屋の奥の路地に進んでいけば居酒屋という店がある、この国のでは無い文字でメニューが書いてあるんだが不思議な料理を出していてな…とても美味しいからまぁ行ってみて損はないぞ」
聞いたことのある店の名前に戸惑いつつ勇人はお礼を言った。
「礼には及ばないさ。さて、検査が終わったようだな…では田舎の冒険者よ、王都へ歓迎しよう!」
そう言うと門番は勇人を街へと出した。
「あれ、通行料おまけしてくれたのかな」
優しい門番であった。




