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43 いつも一緒にいよう

浅井先生が消えた直後、しばらく私も秋斗君も呆然としてしまった。

いきなり目の前で人が消えるという現象が信じられなかったし。

タイムマシンを使ったときも、その場で寝るだけだったから消えるのは驚いた。


私より先に我に返った秋斗君は、プンプン怒りだした。

「なんだよ、浅井のやつ! あいつ完全に言い逃げじゃん!

自分の言いたいことだけベラベラ言って、すっきりした顔で逃げやがって!」


確かに・・・。そうとも言える言動だよね。

それよりも私が気になるのは。


「ねえ、秋斗君。このマンションは、どうしたらいいのかな?

帰る時、鍵、どうしたらいいの・・・?」

なんて現実的なことだったりして。


だって、ねえ。消えちゃったものは仕方ないし。



という訳で。

とりあえず、後片付けということで、飲みかけのジュースや食べかけのお菓子は処分した。私達のカバンの中に。

部屋も軽く片付けて、玄関の靴箱の上に置いてあった鍵で玄関ドアを施錠してポストに落としておいた。

かっこ良く去って行ったけど、色々やりかけだったり忘れ物もあるだろうし、

きっと何度か戻って来るだろうって思うもの。




*****


そのまま坂北公園に来て、ベンチに二人で並んで座る。

私たちがいつも座るベンチは、子ども達が遊ぶところからちょっと離れているのでとても静か。ベンチの横には花壇があって、とても綺麗に整備されている。



二人同時にふうっと大きくため息がもれた。

顔を見合わせて苦笑いしてしまう。

「なんか、いろんなことが、一気にあったね。頭、パンクしそう」

「浅井のことでパンクはしなくていいよ。つまりはただの片思いって話でしょ。

さくらちゃんはおれと付き合ってる。これからも、付き合ってく。

あいつには絶対渡さない。それでいいよ。ハイ、もうおしまいっ」


あっさり突き放す秋斗君。

ところでさっきから『先生』がなくなってますけど。

前からちょいちょい呼び捨てになってたけど、もう完全に先生付けるの

忘れてるよね。


「そうだね。タイムマシンを作ってくれたってことに関しては、先生にはすごく感謝してるけど。

でも・・・、未来の秋斗君には敵わないから、こっちに来たとか、そういうの許せない。勝手だし。馬鹿にしてるよ!」

また沸々とさっきの怒りがよみがえって来る。

ぐぐっとげんこつを作ってると、横からぷっと笑う声。

「さくらちゃん、おれより怒ってるじゃない」

「そりゃあ、怒るよ。あんなこと言われたら」

「そっか」

くすくす笑う秋斗君。私の拳に手を伸ばして、包んでくれる。


「・・・先生、また来ますって、言ってたね」

「上等だよ。おれ達、ずっと仲良しカップルでいよう、さくらちゃん。

もしまたあいつが来ても、しっぽ巻いて逃げて行くようにさ」

「ふふ。そうだね」


浅井先生は本当に戻ってくるのかわからないけど、

私達は私達らしく、このままでいればいいんだよね。


「さて、帰ろうか。送ってくよ。ついでに家に上がってもいい?」

「もちろん! ママもはるにいも喜ぶよー」

「さくらちゃんも? 喜ぶ? おれが行くと」

ちょっとにやっと笑うイタズラっ子な秋斗君。

私の反応でからかおうとしてるな。


私は握った手を引き寄せて腕を組んで言ってやった。

「もちろん、大喜びだよ。いっつも秋斗君と一緒にいたいもの!」

秋斗君はちょっと驚いた顔をしたけど、すぐに嬉しそうに笑った。



これで、第二部は完結になります。


次は第三部。さくらと秋斗は高校生になります。

ラブラブの二人のところに、再び浅井先生が・・!


引き続き、よろしくお願いします(^∇^)/




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