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 俺はあいつから色々聞き出した。どんな手を使う? いつも通りだとあいつは言う。いつ? 一週間後の火曜日だ。あの娘は火曜日には必ず店にいる。五時迄の筈だ。五時に行くのか? その前からあの辺で走っているよ。タイミングを逃したらそれまでだからな。金目当てか? 当然だろ? あの娘が怪我をしてもいいのか? 関係ないね。俺だって大怪我をする。今度は骨を一本以上は折る予定だ。頭から血が出ればラッキーだよ。激しく突っ込むって事か? 勿論だ。この前みたいな中途半端は御免だね。そうか・・・・ そうだ。さよならするか? なんだ、これから仕事か? 頑張れよ。お前もな。これが最後の会話だ。

 俺はその日、あまり寝れなかった。前の日もその日も仕事だ。家に帰ってすぐに布団の中。けれど興奮で寝付けない。やっと寝たと思っても何度も目を覚まし、最後は完全に目を覚まし、眠れなくなった。二時には車でコンビニの近くを走り回っていたよ。

 あいつは予定通りの時間に自転車でコンビニ近くに姿を見せた。呆れた奴だ。普段よりも薄着だった。怪我をし易く、派手に血を見せようとしているんだろう。俺はあいつにバレないように気をつけた。あいつは俺の車を知っている。バレたらそれで計画は終了だ。

 俺はじっとタイミングを待った。それはあいつも同じだ。時間が長く感じた。きっとお互いに、な。

 その時はついに来た。コンビニのあの娘が、仕事を終えて帰る時間だ。店から出て来るまでは後五分。俺もそのくらいの下調べはしてあった。当然あいつもだ。五分後にコンビニ近くの交差点であの娘にぶつかる計画の筈。帰り道も把握しているのは当たり前だろ? 俺だってそうだ。五分後にあいつがその場所へ向かうにはどの道を突っ走るかも把握していた。

 俺は考えたね。あいつの最後をしっかりあの娘に見せてやろうってね。あいつが仕事する直前に・・・・ それが一番だろ? あいつはあの娘の通報で、救急車で運ばれる。いいや、違うね。救急車は死体を乗せたりはしないからな。

 全ては予定通り。あいつは悲鳴さえ上げる暇なく吹っ飛んだ。ただ、俺はあいつの引き攣った顔を拝めたがな。悲鳴を上げたのはあの娘だった。可哀想にな。あの日の体験は、あの娘にとってはつらい記憶だよ。知らない男とはいえ、その死の瞬間を目の当たりにしたんだ。トラウマになっても仕方がない。けれどそれでいい。あの娘もきっと、現実の恐ろしさを学んだ事だろう。

 俺の顔を見たか? そうかも知れない。俺の車には気がついていたかも知れない。常連客だったからな。けれどあの娘は、ショックでそんな事忘れちまったようだ。目撃者として警察に証言した筈だが、犯人逮捕には至っていない。俺に惚れていたからか? なんてな。

 その後俺は、普通に仕事に向かった。車通勤だったからな。当然だろ? 俺は真面目な会社員だ。まぁ、結局その会社には長くはいなかった。どこにでも嫌な奴はいるもんなんだよ。分かるだろ? お前にだって嫌な上司くらいいるだろ? あそこの連中みたいにな。あぁそうか。お前はあいつらの部下じゃないんだったな。けれど似たようなものだ。仕事上の関係者だろ? 嫌なあいつらにも愛想よく頭を下げるんだろ?

 まぁいいよ。どうでもいい話だ。今日はここまでだ。一体いつまでその格好を続けるんだ? 頑固な奴だな、お前も。

 分かってる。期待をしないでその日を待つとするよ。

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