第二十五話 暇・本・相方
時間が……無い……!
ブリーフィングが終わり、20分程度の装備調整時間を与えられた。が、装備品はあの燕尾服がいつの間にか手入れをしてくれているため特に何もやることがない。はっきり言って、暇である。
そう考えていると、ギルドの奥から何やら名前が書かれた掲示板らしきものが運ばれてきた。
どうやら組分けが決まったようだ。そして俺は……ランって人が相方らしい。
確認も済んだし、待機するのも暇だしな……
なんとなく視線を動かしていると、本棚を発見した。
出撃時間になるまで本でも読んでおくか。
俺は本棚に近づき、タイトルを見てゆく。
その中でも、
~ゴブリンでもわかる!実用魔法!~
というのが目に付いた。
ゴブリンが魔法を使うのかはさておき、興味を持った俺はページをめくってみた。
第一章:魔力適性について
適性は、
赤 炎
橙 光
黄 自然
緑 治癒
青 空間
藍 水
紫 闇
の七種に分かれており、
普通、持っている適性が1-2種だけである。
希に4-5種の適性がある者もいるが、全7種の適性を持つ者は全人類の1/1億%にも満たない。
へぇ、俺ってやっぱり希少種なのかねぇ……。
魔法は起こしたい現象を想像して使用する。
その現象に使用する魔力の適性がなければその魔法は不発に終わる。
お、ここはTips先生が言っていた通りだな。
そこまで読んだところで俺の前でとある人物が立ち止まった。
……いつもなら嬉々として向かうであろうゴブリンの討伐だが、今回は気が乗らない。
「……はぁ……。」
正直、めんどくさい。が、自分のせいでこんな任務が発令されたのだから、仕方ないといえば仕方がない。
が、それと気分が乗らないのは別だ。
え?何故こんな事言っているかって?
それは……
「流石に装備は整えたのねっ!」
この娘が相方らしいからである。
ご存知赤毛装備娘。
一度しか面識がなかったのに夢にも出てきたこの娘。
「一緒に組むんだから名前くらいは言わないとね。
私はラン。ラン・フィノールよ。よろしくね!」
……正直、あの夢を思い出してしまう。
顔が青くなる中、快楽に酔い恍惚の表情で死んでゆく――――――
「……どうしたの?」
はっと我に返る。
嫌な汗がじっとりとにじみ出てくる。
「ほら!次はあなたの番よ。」
「あ、あぁ。俺はエルマ。エルマ・ミサキだ。」
俺はラン……と言った娘の迫力に少したじろぎながら答える。
「OK!エルマね。覚えたわ。今回はよろしくね!」
「あぁ、よろしく頼むよ。」
なんだかかなりテンションが高いな……。
俺とは対照的な……そんな感じの娘だ。
「……時間だな。行くぞ。」
「あ、もうそんな時間なんだ。」
そんな感じで俺たちは街から出撃するのであった。
………………この時俺はこれから起こる出来事を予想すらしていなかった。
はい、ようやく……ようやく登場しましたよ…………!
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