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ウソ  作者: ミナセ。
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ウソ ~小林さん~

~小林さん~


私は高見に話しながら、それでも何かが引っかかっていた。それは、なにかはわからなかったが、確かに引っかかっていた。


「今から小林さんのマンションに行こう」


私は高見にそう言って玄関へ向かった。だが、高見の返事は違った。


「うぅ」


悲鳴ともつかない声を出して高見はその場に倒れ始めた。


「大丈夫か?」


まだ、事故の後遺症か?それとも、他になにかあるのか?

私は高見に駆け寄った。


「気にしないでくれ。

 ちょっとここで休ませてほしい」


高見はそういうなり、横になった。

本当はこんな状態の高見を置いて行きたくなかった。いや、かおりの部屋に高見を一人で置いていたくなかった。それはくだらない独占欲だったのかも知れない。いや、単純に高見を心配していただけなのかも知れない。

私は動けずにいたら高見から


「先に行け。タイムリミットがあるのだから」


といわれた。確かにこの謎解きにはタイムリミットがある。私は一人、小林さんのマンションへ向かった。




小林さんのマンションはかおりのマンションから歩いて10分ほどだ。

高級住宅街ではなく、商店街から2本ほど離れた所にある場所。建屋の回数も3階までで統一されている。クリーニング屋の角を曲がってたところに少し古いRC造の3階建てがある。

元々は白だったのだろう。古びてきて、上から白いペンキを塗ったあとがある。雑に縫ったペンキはなんだか少しだけチープに見えた。小林さんがいるマンションはこの2階だったと記憶している。


小林さんの携帯にメールしても、電話しても応答がない。私は不安になりながら呼び鈴をおした。

しばらくして、扉が開く。


「ゆうどうしたの?」


小林さんはマンションにいた。


「いや、小林さんこそ、どうしたんですか?

 携帯にもでてくれないし。

 どうしても確認したいことがあって、着ました。

 あがってもいいですか?」


一瞬、明らかにいやそうな顔を小林さんはした。普段であれば、ここまで強引でないかも知れない。でも、あれだけ電話やメールをしても返事をしてこないことや、どこかで小林さんを疑っている自分がいるため、強引になってきていた。

いや、本当は早く終わらせたいだけなのかもしれない。今日という一日を無事に。


「いいわよ。散らかっているけれど気にしないで」


小林さんはそう言って奥へ案内してくれた。


部屋は前に来たときと同様、無機質な感じだ。ガラスのテーブルにソファベット。

衣装ダンスに姿見の鏡。鏡の近くの棚に化粧品とアクセサリーが並んでいた。

必要以外のものは何も置いていない。色がモノトーンで統一されているから余計になんだか女性の部屋という感じがしないのだ。

いや、生活をしている雰囲気はあるけれど、どこかになんともいえない冷たさを感じてしまう。

私が小林さんに対して感じている間隔がそのままなのかもしれないが。

部屋に入ったが何を話していいのかまとまっていなかった。

小林さんが先に話しかけてきた。


「ゆう、ゴメンね。

 ちょっと、今日は体調が悪くて、休むために自分の部屋に来たのよ。

 それで一体どうしたの」


確かにけだるそうに小林さんは話し出した。私は事情を説明して、ユニットバスを見せてもらった。


「どう、かおりはいた?」


小林さんが話しかけてくる。あの写真とは似ても似つかない形状をしている。


「ゆうにはわからないと思うけれど、私とかおりとは普通の友達じゃないの。

 ホントは話すのも好きじゃないけれど、かおりのためよ。少し私たちのことを

 話してあげるわ」


小林さんのその話は衝撃的であった。


~回想 小林さん~


物心がついたとき、私は自分の居場所がわからなかった。パパは私が生まれてすぐにいなくなった。ママの話しだと他に女の作って出て行ったっていっていた。

それから、しばらくして、ママは新しい人と再婚をした。

私が小学校の時。ものすごく優しかった。いつもかわいい服を買ってくれた。かわいいねっていつも頭をなでてもらっていたのを覚えている。イヤじゃなかった。この時はまだその優しさの意味をわかっていなかったから。

けれど、私が中学になるときから、徐々にその優しさは変わってきた。頭だけじゃなく、体を触ってきた。

「大人になってきたね。ちょっと見せてみてよ」と言いながら。徐々にその行為はエスカレートして言った。そう再婚相手は私に肉体関係を迫ってきたのだった。

何度も何度も。


いやだった。学校でそのとき担任だった先生に相談したわ。そしたら、あろうことかその担任にも私は犯された。結局男は「それ」だけがしたいんだ。

私はそう思うことで納得をした。

毎日、毎日股を開いていただけ。

男はその上をまるでシーソーのようにぎったんばったんしていた。

私は天井を見ながら早くこの時間が過ぎればいいのにって思うようになった。

でも、イヤだけれどどうにかしたかった。

ママに気がついてほしくて、リストカットを始めた。でも、ママは娘に父親を取られたと思っていただけ。誰も助けてくれなかった。

ただ、天井を見て昼は先生に、夜はこの新しい父親と名乗るけだものに犯され続けた。

そう、何度も、何度も。

誰も相談していいのかなんてわからなかった。どこに救いがあるのか解らなかった。

だから私はずっと耐えていた。

逃げ出す場所さえわからなかったときに、かおりとであったわ。私はかおりとルームシェアをして一緒に住んだのよ。それが中学3年生になったとき。

あの悪夢の家から飛び出してね。でも、かおりに何度も何度も泣きついたよ。

気が狂いそうだよって。そんな私を受け入れてくれたのがかおり。

そこから学校にも行かなかった。ただ、高校は受験をした。年齢をごまかしてバイトをして。

それもかおりがいたから出来たこと。私一人だったら何も出来なかった。


わかる?

私はゆうが憎いの。

私からかおりを取ったから。


でも、かおりがわかってというから、わかったふりをしているの。

かおりがいなくなったら、私はもう、私じゃなくなってしまうのよ。


でも、私はかおりのために強くないといけないの


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