目次 次へ 1/7 プロローグ 星が降っていた。 音もなく、ただ静かに。 夜空から零れ落ちるそれは、まるで命そのもののようだった。 「――やっと、行ける」 かすれた声が、夜に溶ける。 白い息を吐きながら、彼は一人、空を見上げていた。 その手には、何かがあった。 触れれば消えてしまいそうなほど儚く、 けれど確かにそこに在る。 「これで……やっと」 次の瞬間。 光が弾ける。 星が、ひときわ強く降った。 そして―― すべては、ここから始まった。 この長い長い旅は。