53/89
幕間 ヨモギ 古賀 ヨモギ 古賀 ヨモギ 古賀 利知 ヨモギ
ヨモギはヨモギである。
古賀は古賀である。
二人は、親友である。
確実に。
お互いにお互いのことを大事だと思っている。
それに大層な意味はない。
だから、だからって。
二人は、お互い理解できていたわけじゃない。
ヨモギが、フォバルナエタ会に入ったのは
親にかまってもらえない少女が不良になるのと何の変りもなかった。
だが、ただ不良になったのではない。
ヨモギは、人を殺してしまった。
一線を越えてしまっている。
おかしく、なっていた最初から。
フォバルナエタ会が、自分たちを潰そうとしている
集団があると知り、先に潰そうとした。
ヨモギも、そこにいた。
古賀が、その集団にいたなんて、知らなかった。
お互い、驚いた。
お互い、困惑した。
お互い、考えるのをやめて憎みあった。
お互い、殺しあった。
残ったのは、ヨモギだった。