かの少年が知りえぬ少女たちの記録とその少女たちの知りえぬ少年の記録
前回を大幅に修正しました、ごめんなさい。
修正しないとこの先のシナリオがムチャクチャになりそうだったんです。
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フォバルナエタ会に古賀は家族を殺された。
細かく話す必要は無い。
ただ、無意味に何の意味もなく殺された。
なぜ無意味に殺すのか。
古賀は怒った。
せめて、自分の家族が何かの恨みを買っていたとかなら納得もできる。
だが、無意味に殺すのでは災害と同じではないか。
なんというか。
やるせない。
だが、災害と全く違うことがある。
それは「犯人がいる」ということ
実は
家族を殺した実行犯は逮捕されたのだが。
真犯人がいると古賀は思っている。
犯人が入っていた「フォバルナエタ会」
それは古賀の憎む相手となった。
無意味な殺人。
無作為な殺人。
それが古賀を狂わせた、そんな殺があっていいものかと。
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アカネは記憶がない。
正確に言うとグチャグチャにしたパズルみたいになっている。
治ることもあるがきっかけがないと無理。
なぜ利知についたのか?なぜ彼の手助けをしているのか?なぜ彼にそうさせようとしているのか?
そんなことはわからない。
利知以外に認識してもらえない妄想みたいな存在であることに悩むこともあった。
が、何だかんだで最近ヘタレてばっかだが優しい心を持つ利知のことが気に入ってきて
最近利知と一緒の生活が気に入ってきた。
だからこそ
アカネは迷っていた。
利知に課せられた、その役割を伝えるべきか。
それを話すべきか。
利知にとっては死刑宣告となる、その話を。
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学校から帰ってきて
ヨモギはボケっとしていた。
自分の部屋で。
リビングから、父親と母親のケンカの声が聞こえてくる。
トイレに行こうかどうか少し迷っていた。
リビングを通らなければトイレに行けない。
でもそうするといつものケンカのすぐそばを通ることになる、嫌だ。
でも、漏らすのはもっと嫌だ。
だから、結局ドアを開け。
リビングを通る。
今日のケンカはいったいどんな原因だろうか?
一方的なケンカに今日はなっているだろうか?
頭の中1%のリソースを割きそのことを考えヨモギはトイレに向かった。
灰皿が飛んできた。
父親が母親に投げつけたものが外れ、たまたまヨモギにあたった。
ヨモギの腕に直撃し痣ができる。ズキズキ痛い。
だが、文句を言っても悪いことにしかならないと知っている
だから、何も言わず素通りする。
私には関係ないと。
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利知は、家で準備をしていた。
今から、古賀のもとに行かなければならない。
__正確に言うと古賀に教えてもらった住所にだが___
とりあえずのいくらかのお金と
上着と、後なにかあった時の護身用にスタンガンとか持っていきたかったがなかった。
包丁を持っていくのも考えたが、誰かを殺す気か?と自分で怖くなりやめた。
結局探し回った挙句なんだか見覚えのある硬い棒を使うことにした。
マッサージ用だかなんだか知らないが無いよりましなはずだ。
……なぜ見覚えがあるのかというと、盗聴器が仕掛けられていた時
家の中をくまなく調べまわったからだ。
そのことを思い出し利知は、結局だれが盗聴器を仕掛けたんだ?
と今更考える。
靴を履いてドアを開け外に出る。
そして、何となくDWのことも考える。
DWはネットを見ても全くオカルトブログとかに取り上げられていない。
見たり知ったりした人がいるなら、多少は情報があっていいはずだ。
なぜあんなに少ないんだ情報が?
理由をその住所の場所へ歩きながら考え
あと、DWに行ける人というのがなかなかいないそうだ。
そもそも行くトリガーになる「埋め込まれた目と目を合わせる」ことができないからだ。
見えもしないものに気づける人なんてそうそういない。
そう考えると、利知はどんどん別の思考の泥沼にはまっていく
じゃあ、それができるその埋め込まれた目が見える人はなぜ見えるのだろう?
利知は心当たりが一切ない。
そもそも「見える」サンプルが少ない、自分と菜野、だけ。
「……いや」菜野が言っていたがDDWというDWに似た世界に行くことが出来る人。
そんな人もDWに行けるのでは?似てる世界に行けるんだし。
だんだん利知の頭がごちゃごちゃになってきた。
そういえば、DDWに行ける人もレアらしい。
もしかして、DDWに行くのに見る必要があるあの画像は、DWに行けるかの試験とかに使って……
論理の飛躍が発生していく。
そういえば、どっちの世界に行くのも見るっていう行為がトリガーだな
なにか関係が……
利知は思考の泥沼に頭のテッペンまでがっつりと溺れた。