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~亜世界転移~  弱虫クソ雑魚鈍才な勇者(一秒のみ)    作者: 赤木野 百十一茄太郎
一ノ瀬
26/89

化物

今回がシナリオのメインテーマになります、はい。


錐たちが帰って

利知は、ベッドで寝ようとしながら。

アカネと話した。


「本当に、あの不良を見逃して良かったの?」アカネにその疑問をぶつけられ。

「……でも、許さないわけにもいかないだろ」恐怖からくる返答をした。

そして、ガバッとベットを頭からかぶり利知は寝た。







暗い、暗い場所。

利知は追われていた。

あの赤い化け物に。

逃げても逃げても全く距離を離せず、しかしかといって詰められもせず。

利知は、延々と逃げていた。

あたりまえだ。

距離が詰まるはずない。

利知も同じ_____赤い化け物なのだから。



目覚め。

利知は汗だらけ、心臓はバクバク言っている。

「なんだ――――今の夢」

息切れ。恐怖。

最低の目覚めであった。


利知は、今日学校はあったかな?と思い

いや祝日だと気付いた。

そして、好きなライトノベル「ヂーギンペムルマ」の新刊が発売日なのも気付いた。


早速本屋に向かい。

週刊大豆などというよくわからない雑誌は無視して

ヂーギンペムルマを買い久しぶりに笑顔で家に帰ろうとしたが。

_嘘だ、笑顔じゃない麻がある意味自分のせいで死んだ現実に耐えきれないんだ_


帰り道。

周りに人が少ない大通り

正面からやって来るものを見て凍り付いた。

利知や、麻を襲った不良が利知にむかって足を進めてくる。


よくも麻をという怒りと____恐怖が利知の体を引っ張り合い

結果、利知は一歩も動けずいた。


不良は、利知に気づき。

腰を抜かした。

そして

「ば・・・・・・・化け物」

_____利知も同じ_______

利知よりも恐怖を露にして、抜けたままの腰で必死に逃げようとしている。


「何で……お前はあれだけの暴力をうけて……平気なんだよ……」

利知は不良に手を伸ばそうとした。

すると不良は短く悲鳴を上げた。

「ごめんなさい……!ごめんなさい……!」そして泣きじゃくりながら

必死で逃げようとする。


それを見て。

利知のほうが逃げ出した。


家で

利知はガチャガチャと格闘ゲームをしていた。

ヂーギンペムルマとコラボしているものなので大好きなキャラが使えるのだ。


「利知」アカネは何も言わずにゲームする利知に何か言おうとした。

何も言えなかった。

一心不乱に、ゲームのコントローラーを弄る彼が周囲を拒絶していたから。


「このCPU強すぎだろ!あっはっはっは」現実逃避をしようとする利知の耳に

インターホンが鳴る。


チッと舌打ちをして利知はドアに向かった。

ヨモギか?古賀か?

どっちだ?

そう思いながらドアを開けると

ミノリだった。


ミノリは利知に飛びついた。

「利知くんッ」いい笑顔で。

「何!?なんだよ!?・・・・・・・何ですか?」

若干ビビりながらミノリに聞く。

「あの不良を解放してどうでしたか?」

「……!」

さっきの出来事を思い出した利知はミノリを突き飛ばしドアを勢いよく閉めた。


そしてずかずかと自室に戻り。

ゲームを一時停止させておらずYOU LOSE が画面に表示されているのを見て

やる気をなくし

パソコンをつける。


とりあえずネットニュースを……

「え……?」

利知の学校の生徒が。

バイクの無免許運転をした不良に____利知を化物と呼んだ不良に__轢き殺されていた。


家の壁をどうにか登ってきたらしいミノリが利知を呼んでいた。

「利知ク―――ン?死人が出たのはあなたが解放したせいですけど」彼女の言葉に悪意はない。

「どう思っていますか?」ただ、どうしようもなくズレている。

その言葉一つ一つが利知の胸を突き刺す。


「・・・・・・・あ」

声も出なかった。

利知は今すぐ逃げ出したくなった。

_______利知ク――――――ン?



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