表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕はあくまで従者です。  作者: 瀬本秋
12/15

その10   領主の娘

久しぶりの投稿……


今回はちょっと長めです。


 そこは街の建物のような和風の外見ではなく、“ザ、異世界。”といった中世ヨーロッパの建物のような作りをしていた。木造だったが。そこへ行く4人の足は軽くない。

 4人。で違和感はなかっただろうか。なんとミラが自分のサイズをある程度変えられるのに、ポケットで移動していたのは「歩くの面倒くさいからよ。」らしく、それに怒った3人が「「「自分で歩けー!!」」」と怒ったため15歳程度(発育はすごく良い)、でツインテールの黒と黄色でノースリーブのワンピース姿である。ミラのある部分を見たユアナは微妙な顔をしていたが……

 そのことはともかく、この依頼を達成するのは難しい。一週間で素人をそれなりにしないといけないのだ達成は不可能だろう。が、やるしかないのだ。目立ってしまうアサギの耳は顔が隠れるほどの大きな帽子で隠し、尻尾はあさぎ自身で消した。曰く、消すのも大変だそうで、なるべくやりたくなく、また尻尾を消すと弱体化するらしい。



  ✡✡✡



「すみませーん 冒険者ギルドから依頼を受けてきましたー」


 門に向かって声を上げても反応がない。というわけで音量をあげ、いっせーのーで声をかけることになる。そして四人全員で声をあげる。


ユウ「いっせーのー すみませ」

ユア「いっせーのーせ すみま」

アサ「いっせーのーで すみま」

ミラ「さんのーがーはい すみ」

「「「「…………………………………………」」」」


 見事に掛け声がバラバラである。このあと誰が掛け声をかけるかのじゃんけんでも地域の差(?)が出たため、各自声をかけることになった。


ユウ「すいませーん」

ユア「おはよーございまーす」

アサ「ぐーてんもるげーん」

ミラ「もーかりまっかー」

「「「「………………………………………………………………………」」」」


 そこ普通 ぐっともーにんぐ ではないか? 世界はぐろーばりゅなの!! そうなのか。 そうだよ?  いや、その前になんで関西??なんで商人?? 貴族は商売人なんや!! んなわきゃねーだろ! とやり取りをしていると、門の中からやっと答えがあった。


「はいはーい。ぼちぼちでんなー」

「「「それに答えるんかーい‼‼‼」」」

「ね?(ドヤ)」



  ✡✡✡



 門番に玄関まで、そこから執事風の人に案内され、四人が通されたのは客間だった。そこにいたのは少し高級そうな服に身を包んだ中肉中背、赤髪の男で、髭を少しだけ生やしていた。その男が座る席の机を挟んで反対側に座るように、と椅子をひかれてそこに四人が座った。そしておそらく執事の人が退出すると、男が口を開いた。


「この度は私の依頼に答えてくれて感謝する。ラニーの領主のサリムス・ファンデリーヤだ。今回少し無理な依頼したのはどうしても君たちにお願いしたかったのだ。だから今回の依頼、よほどのことがない限り、期限内に終わらなくても失敗扱いにはしない。」


 聞いていた四人の反応はそれぞれ。ユウジはそのことに素直に喜び机の下で小さくガッツポーズ。ユアナはあまりわからないが微妙に口角が上がった。アサギは帽子について咎められなかったのをいいことに、帽子を被ったまま窓の外にいた小鳥に目をむけ、ミラに至っては目を開けたまま「くかー」と言っていた。


「今回依頼内容をもう一度言うが、お願いするのは私の娘であるエルナちゃんのことなのだ。親の私がいうのもなんだが、可愛い娘には苦労をさせたくない。ということで魔法や剣が上手い者達に教えてもらおうというわけでな。君たちは全員がまだランクはあまり高くないがとんでもなく見込みがある、とギルマスに言われていたから、一度見てみたかったのと娘の教育を頼む と言った感じだ。エルナちゃんには私が良き婚約者を探すから、絶対に変な関係になるなよ!」


 その時、バコーンと扉が開き、ピンクのヒラヒラの服に身を包んだ金髪縦ロールの10歳くらいのロリッ子が飛び込んできた。後ろには慌ててついてくるメイドさんもいる。その音でミラが起きた。


「お父様!!私のための魔法使いと剣士は用意してくれたの?」

「エルナちゃん、それがこの方達だ。色々質問してしっかり学ぶのだぞ。こちらが娘のエルナだ。よろしく頼む。」

「もちろんよ!じゃあついてきなさい。あら?小さい子がいるじゃないの。お父様、この子は何?この私より弱そうな男の子も私の勉強のために呼んだの?」

「そうだ。彼はああ見えても凄腕だぞ。」

「私、あんな弱そうなのから魔法なんて教わりたくないわ!私と勝負して、あなたが負けたら出ていってちょうだい!いいでしょ、お父様。」


 仕方がない。今もなお庭の小鳥を見ているアサギは外見は10歳の子供にしか見えないし、その10歳としても背はあまり高くなく、そして色白だ。とても強そうには見えない。領主は溺愛する一人娘の頼みは断れないらしく、屋敷の庭で剣と魔法を使った模擬戦をすることになった。



  ✡✡✡




 動きにくいヒラヒラから動きやすい短パンに着替え、垂らしていた髪を結んできた(合計20分かかった)ぶちのめす気満々のエルナと、やる気があまりないアサギ。二人には温度差があった。


「いいこと?私は火魔法が使えるわ。それから、頑張って水魔法も使えるようになったのよ!風魔法と剣だって少しだけどしっかり使える。全力でかかってきなさい!」

「ねぇ皆、なんでこうなってるの?僕、あの小鳥の方が気になるんだけど。」

「アサギ、あれはスズメカラスだ。スズメだけどカラスほど頭がよく、たまに火を吹く鳥でな。なかなか珍しいが厄介な鳥だぞ。捕まえるか?」

「ユアナ、あまりアサギを甘やかさないでくれ。だけど小鳥は売れるかもしれないからとっといて」

「ユウジ、私疲れたよー」


 自由なユウジ達にエルナのイライラゲージが溜まっていく。アサギのようなやつから教育を受けると知った時点で80%ほど溜まっていたのが、無視されたことで120%くらいになった。



「…それでは、エルナお嬢様と、アサギさんの模擬戦を開始します。双方、厳粛に全力で戦うように。

それでは、はじめ!」


 一旦は退出していた執事風の人の掛け声で勝負が始まった。まずは魔法の打ち合いからで、模擬戦の作法のようなものらしい。


 エルナは時間をかけ、得意の火魔法で火の玉を作り、アサギに向けて発射。それに対しアサギは同じ火魔法で発射されるまでの間、二頭身のきつねの形をした火を作っていた。舐めた態度だが、天然である。火の玉が発射れるまでに作られた三匹の狐のうち一匹が火の玉に突進する。押し負けたのは狐だが、火の玉は普通より小さいサイズになってしまっていた。アサギは少し口もとに驚きを見せ、もう一匹の狐を火の玉に当てる。勢いのまま、エルナに向かう狐。エルナはそれを水魔法で防ぐ。




  ✡✡✡




エルナ視点


 私はエルナ・ファンデリーヤ。今日はお父様が私のために用意してくださった剣と魔法を教えてくれる冒険者に会う日。だというのに、なんでこんなに…私より小さいのがいるの?しかも、私を無視して窓を見てるし。格上の人がいるのに帽子を取らないし。こんなのに教わりたくない。そう思って模擬戦を申し込んだわ。


 この子意外とできるのね。私が得意の特大火の玉を作る間に、狐を作ってたのはムカついたけど。でもちょっとあの狐、可愛いわ…。あの帽子で私に顔を見せにくくするつもりかしら。癪に触るわね。次はあれを狙うことにするわよ!

 火の狐を防いだ水は、大半が蒸発したものの、まだ残ってる。これで、いろんな軌道を使ってあの帽子を攻撃!これは落とされるでしょうけど、本命はこっち。小さい火の玉も作って飛ばす、帽子が燃える。顔が見える。完璧じゃないの!


 うそでしょ。水の玉を一個一個小さな水の狐で撃破するなんて。しかも、完全に相殺できるような威力にしてある。色々な大きさの水の玉に対してきちんとやってる。でも、そんなことしてるからこれに対応できないでしょ!狙い通りに小さい火が帽子を燃やしている。顔に不釣り合いなほど大きい帽子についた火を慌てて消している間に、まだ少ししかできないけど全力でやればそれなりの威力になる!


「《風魔法》!!」

「不意打ちなら声出しちゃダメだよー」


 この子と一緒にいたやつのうち一人の金色の髪がそう言ってきた。うるさいわね!こうした方が上手くいくのよ!

 やった!ついに帽子を取ったわ!あれ?この模擬戦って目的がソレっだったかしら?まあいいわ。その顔、見せてもらうわよ!

 帽子がポトリと落ちる。そこから現れたのは白い狐耳。そして服をすり抜けて尻尾も現れる。そしてぽけっとしていた顔が少し引き締まる。


「しょうがない。キミ、結構強いし、全力で行くね!」


 なんなの、あれ!この子亜人だったの? あ、なるほど。だから作っていたのが狐だったのね。そういえばこの子、まだ一度も攻撃してないわ。今までは実力を測ってたってこと?どうしよう。私、もうほとんど魔力も残ってないし…




  ✡✡✡



 アサギの正体が割れた。アサギの言葉を聞いたエルナが分厚い水の壁を作る。息が荒いのでかなり疲労しているのだろう。それに対し、アサギが火の狐と水の狐をたくさん作り、展開する。こんお大きさの火の狐のみでは水の壁に穴を開けるのが限界。水のきつねでは突破できない。が、壁に突き刺さる狐たち。火の狐が壁に穴を開け、その穴が修復される前に水の狐が通り、エレナと水の壁の間で停止した。


「はい。終了ー」


 エルナがへたり込み、アサギは狐を消滅させる。


「勝者、アサギさん」

「あなた、なかなかやるわね。指導、よろしく頼むわよ。」

「よろしくー」


 こうして、ユウジ一行は無事に依頼を受けられるようになった。そして、スズメカラスには無事捕まえることができたが、あまりにも凶暴で、言い出しっぺのアサギが世話をすることになった。

エルナが思っていたのとちょっと違う感じの子になってしまいました。


よかったら評価おねがいします。


感想、ここにこんな挿絵を入れてほしいなどの挿絵のリクエストもお待ちしております。


挿絵はこんなのを書いてほしいというのでも対応します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ