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僕はあくまで従者です。  作者: 瀬本秋
10/15

幕間 回想録 壱

完全なアサギ視点です。

“あの人”は歴史に名を残しているとある人をモデルにして、その人に人格や容姿を作っています。



 もう少し、あの人について。前にも言ったけど、あの人は色白でやせていて、ちょっと背の高い人。それから、大抵の人は髪を高く結んでいたけど、あの人は伸ばした髪、と言っても手入れしていなかったからちょっと寝癖とかが多かったけどね。その髪を肩の当たりでゆるりと結んでいたんだ。



 これが、僕が見たあの人の姿。



 それで、あの人は僕に隠していたけど、すぐにわかったよ。

もうすぐ死ぬんだって。だって、ときどきふらりといなくなってから、咳が聞こえて来るんだから。それでなくとも、いつもケホケホいってる人だった。だから、なにかの病気だって。



 すぐわかったよ……嘘も、隠しごともあまりしない人だったし、一緒に暮らしてたから。



 あの人は、よく僕に昔の話をしてくれた。とはいっても、まだあの人は20歳〜25歳くらいだったから、そこまで昔じゃない。あの人が話してくれたのは自分が16歳くらいの話。

 病気の事を隠したいのか、ここに住む2年くらい前からのことは一切教えてくれなかった。


 あの人によると、実は前までは江戸に住んでいたんだって。ここも江戸だけど。


「一度京へ行ったんですよ。そのあと皆で江戸に戻ったんです。それから、北へ行ったんですが……お前は療養(りょうよう)しろって。連れてってもらえませんでした。」


 そう言うときとか、2年間の話をするとき、あの人は寂しそうだった。多分あの人にとってその間はあまりいいことがなくて、その前がとっても楽しいときだったのだろう。

 その時、あの人は道場に住んでいて、住み込みの内弟子だったらしい。最初は先生と大先生とあの人だけだったのにだんだん増えていったんだって。あの人は見た目に反してすごーく強かったって本人は言わなかったけど、わかったよ。道場破りを何回も倒したって言ってたもの。

 それに、自分は地獄行きだって。あんなにいい人なのに。僕なら、悪いことはしたけれど、良いこともしたあの人を絶対罪を軽くするよ。



 これが、僕の聞いたあの人の昔。





 ああ…………叶うことならまた会いたいよ…………あの優しい笑顔をまたみたいよ…………なんでっ………………あんなにすぐに………………あんなに若かったのに……………!







   ……………もっと早くに会いたかった……………あなたが苦しみ始めるその前に………








               ――ジさん…………っ!!





 これは、僕の勝手な願い事。どうか。もう一度………



“あの人”誰かわかっても感想には書かないでほしいです。しまっておいてください。

 ○○ジ だからといって ユウジ ではないですよ?


感想、評価、挿絵のリクエスト、お待ちしております。

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