7、冬乃vs河童
河童
「え、えっと…?おいらが持つの?」
冬乃
「はい。貴方は魔王に封印を解除されただけなのでしょう?なら敵意があろうと後回しでいいです。」
河童
「そう言ったけど…でも…おいらが買い物かご持つのはおかしくない?一応他の人からは見えてないんだけど…」
冬乃
「河童さん。きゅうりというのはどちらが新鮮なのでしょう。」
河童
「太さが均一だったり緑色が濃かったり…よく言われるのは表面のイボがしっかりしてるやつだけど…」
冬乃
「こちらはなんでしょう?蓮根…はすね?」
河童
「それは蓮根だよ。固かったりしっかり重さがあるのが新鮮な証拠さ。」
冬乃
「こちらは…こちらも…あ、あれは…」
河童
「それは…これは…あれは…」
外─
冬乃
「助かりました。こちらお礼のきゅうりです。私は日本についてあまり詳しくはありませんが…河童というのはきゅうりが好きなのでしょう?」
河童
「そうだけど…えっと…おいら敵だけど…」
冬乃
「はい。ですが助かりましたので。アル…私の親しい人が挨拶とお礼は大事だと。」
河童
「なにー?恋人か何かかい?」
冬乃
「いえ…アルは…ビジネスパートナー…恩人…友人…名付け親…」
河童
「でもそのアルってやつのことを話す君はとても楽しそうだよ?もしかして片思いだろ?」
冬乃
「いえ。特別な感情はありますが、それは恋ではなく愛です。親が子を想う心、親友に向ける心…そういったものの方が近いです。」
河童
「…ふーん。じゃあおいら帰るから。」
冬乃
「はい。またお会いいたしましょう。それでは。」
河童
「…会わないよ!一応敵だから!」
冬乃
「会いますよ。まだ肉や卵の新鮮な物の選び方を教わっておりませんので。」
河童
「都合のいい使い方!おいらが勿体ない!」
「もういい帰る!じゃあね!」
冬乃
「…」
川(河童の住処)─
???
「出てこい。」
河童
「へっ!来るとは思ってたが…思ったよりヤバそうなのが来たな!」
???
「貴様に問う。なぜ故、魔王様に仇なす者を逃がした。」
河童
「仲良くなった、ただそれだけだ。おいらは長い時を生きた妖怪だからな!話の合うやつなら誰だろうと良いのさ!」
???
「そうか。では私が裁こう。貴様は道を間違えた。」
河童
「ハハ!違いねぇ!でもひとつ教えてやるよ!」
「ここはおいらのテリトリーだ!」
─────
河童:長い間生きているのもあって野菜や肉などの食材の扱いには自信がある。強さはそれなりだが、魑魅魍魎が跋扈する時代から長年生きているのには理由がある。知り合いの妖怪は軒並み狩られたので話し相手に飢えている。




