4、話し合い
アル
「まずは…君たちはなんで俺らの事を見てたの?」
???
「…えっと…」
アル
「あ、先に名前からの方が良いか…俺はアル、こっちが冬乃。君たちは?」
???
「あ、凛太郎です。こっちは…」
??
「杏奈です!」
アル
「凛太郎と杏奈…ね。まぁそんなに身構えないでよ。とりあえず楽に答えてくれたらいいから。」
凛太郎
「はい。えっと貴方たちを見ていたのは…ただの好奇心で…」
アル
「俺たちが来たのはどうやって分かったの?」
杏奈
「鳥取でなんか変な魔力の揺らぎを感じたからお兄ちゃんに見てみてって…」
アル
「杏奈は中学生くらいだよね?その歳で魔力の揺らぎを感知できるのは凄いね。センスが良いのか師が良いのか本人の努力か。何にしても誇っていいことだよ。」
「あと…凛太郎、君も凄いよ。ここが兵庫県だから…鳥取までかなりの距離で俺たちのことを視認できてたんでしょ?しかも冬乃に逆探知されなかった。誰でもできるような事じゃないよ。」
冬乃
「そうですね。逃げる判断ができたのは素直に賞賛しましょう。」
凛太郎
「あ、ありがとうございます!!」
杏奈
「ありがとうございます…///」
アル
「あ、あと一つ質問なんだけど魔王って知ってる?もしくは俺らより前に魔力の揺らぎがあったかどうか分かる?」
杏奈
「魔王は分からないです。…けど魔力の揺らぎは3回ありました。1回目が私のお師匠で、2回目があって…今回で3回目です。」
アル
「2回目はどこで揺らぎがあったか覚えてる?」
杏奈
「北海道です。でも揺らぎがちっちゃかったので詳しい場所は分からないです…」
アル
「そう。ありがとう。どう思う?」
冬乃
「問題ないかと。嘘はついていませんし身体に呪いがあります。一般人がこの世界で魔法を学ぶ理由なんてないと思っていましたが…その呪いのせいですね?」
杏奈
「え、よ、よく分かりましたね?誰にも気づかれたことないのに…」
冬乃
「アルにもありましたしね。」
アル
「あったなぁ…なんだっけ、"死の呪い"だっけ?物騒な名前だったよな。」
杏奈
「えっと!過去形ってことは治ったってことですよね!?じゃあ私の不運も治せるってことですか!?」
冬乃
「無理ですね。アルの呪いもただ反転させただけですから。」
アル
「いや?いけるんじゃね?ほら、この前やってもらったヒールの応用で…反転させて…あれして…」
冬乃
「…それでは強すぎます。ここは…」
杏奈
「お兄ちゃんお兄ちゃん!(小声)」
凛太郎
「なに?(小声)」
杏奈
「この人たち良い人じゃない?(小声)」
凛太郎
「うん…そうかも知れない…」
アル
「…あ、すまん。置いてけぼりにしてしまったな。とりあえず杏奈の呪いを治すから背中向けてくれるか。」
杏奈
「え、は、はい!」
アル
「触るよ。多分ちょっと冷たいけど我慢して。」
杏奈
「分かりまし…ひゃっ!」
アル
「じゃあ行くよ。一瞬痛いけど注射だと思って耐えて。」
杏奈
「はい!」
「…」
アル
「はい、終わったよ。除去完了。」
杏奈
「へ?」
凛太郎
「ほ、本当か?疑うようで悪いが正直信じられないというか…」
アル
「疑うのはいいことだ。まぁ2、3日すれば分かるんじゃないか?魔法を習うくらいには支障をきたしていたんだろ?きっとそのうちわかるよ。とりあえず…これで情報の分は恩はチャラにしてくれよ?まだ何か返せとか言うなよ。」
凛太郎
「い、いや言わないけど…」
アル
「じゃあここで話は終わりだ。もう会うことは無いだろうが…魔王について何か情報があればいつでも教えてくれ。」
冬乃
「ふむ…でも恐らくすぐに再会しますよ。」
アル
「ん?まぁ家近いし会うことはあるだろうけど…」
冬乃
「いえ、恐らく秋葉と杏奈さんが通う中学校一緒です。」
アル
「マジ?どこでそんなこと分かっ…あぁ制服か。」
冬乃
「はい。私が入手した制服と同じです。それと…凛太郎さんもアルと同じ大学ですね。部屋にあったパンフレットと資料からの推測になりますが。XX大学ですね?」
凛太郎
「そうですけど…俺の部屋隣…」
アル
「俺XX大学に入るんだ。偏差値結構高いところじゃなかったっけ?今はそうでもない?」
冬乃
「アルなら魔王討伐しながらでも支障をきたさないくらいのレベルです。」
凛太郎
「えっと…一応ここら辺じゃ1番偏差値高い…」
アル
「まぁいいや。杏奈、うちの秋葉をよろしく頼む。冬乃を若くした感じの可愛い子だから多分すぐ分かると思う。是非友達になってやってくれ。」
杏奈
「は、はい!秋葉ちゃん…ですね!頑張ります!」
アル
「じゃあ本当に俺らはこれで。また明後日。おやすみ。」
冬乃
「お邪魔致しました。おやすみなさい。アル、手を。」
凛太郎、杏奈
「「おやすみなさい…」」
杏奈
「…行っちゃった。えっと…夢じゃないよね?」
凛太郎
「お前の呪いが無くなったっていう嬉しい出来事がなければ俺は全力で夢であることを祈っていた。」
杏奈
「そうだよね。無くなったんだよね。」
凛太郎
「あっさりしすぎて実感ないのは同感だ。」
杏奈
「私たちこれからどうなるんだろうね…」
凛太郎
「これが最後の不運だと思うしかないな…」




