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王妃専属ガーデナー  作者: 瑛美(あきみ)


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ジェームス兄様の講義

途中、ちょっとだけシリアス?

44話でちょっとだけ話題になったパレードについて。

 今日の講義の講師は、ジェームス兄様でした・・・。


 エドワード様と婚約してから、週に4日ほどあらゆる分野の専門家の方々から講義をしていただいています。

 美術の専門家の方には、王宮中に飾られている美術品についての解説をしていただいております。ギャラリーや大広間など多くの方々が目にされる場所の解説は終わったのですが、広い王宮内、絵画だけでなく、彫刻やタペストリーなど様々な美術品がいたる所に飾られています。その全ての解説が終わるのはいつになるでしょう?

 歴史や外国語は王立大学の教授が講義を、王宮に勤めている方の講義もあります。ロジャー兄様からは王国の教育制度について、ギルバート様からは友好国についての説明がありました。


 で、ジェームス兄様なのですが、お仕事で王国中を巡っているからでしょうか?王国各地の事に詳しく、先日は王国東部について ― 海に面しているので、船での貿易と漁業が盛ん ― と、教えられました。

 身内なので、他の講師の方と違い容赦ないです。休憩時間も平気で削ってきます。(ロジャー兄様も)



「今日は、王国の公式行事“観兵かんぺい式”についてだ」

「観兵式って、騎士や兵士の方々が大通りを行進パレードする、あの行事ですか?」

「ああ。そうだよ」

 子供の頃に一度だけ観たことがあります。

 迎賓館前の式典広場に設けられた観覧席からです。

 普段はお目にかかれない近衛騎士の方々や、式典用の馬具を付けられた馬で行進する騎兵隊の姿は素敵でした。まさか、近衛騎士の方にお世話になるとは思っていませんでした。


「観兵式には、王都内で職務に就いている騎士や兵士達から選ばれた者と、中央から他の地域に派遣される兵士や、中央での訓練を終了した各地域の兵士達も参加する。彼らの壮行会も兼ねているからだ」


 王国は、王都を中心にした中央部のほかに北部、西部、東部、南部の五つの地域に分かれています。

 兵士の多くは、各地域で採用された方達です。

 各地域の兵士達に、王都のような大都市の警備や王宮などの要人が多く集まる場所での警備を学んでもらうために、毎年200名前後の兵士達が数年の訓練のためにやって来るのです。

 それに対して、中央部の兵士達は主に国境付近の警備を経験するために、こちらも数年の任期で各地に派遣されるのです。こちらも毎年200名前後だそうです。

 この事は、以前のジェームス兄様の講義で学んだことです。


「お兄様、質問です。参加する兵士達の選考基準は何でしょうか?」

 警備の関係から、人数が制限されるのは分かりますが。

「まずは、功績だね。功績と言っても今のところ平和だからね。御前試合や各団の対抗試合の上位入賞者、国が定める一定の技能に達した者、街の治安維持で活躍した者」

 この方達は式典で名前を読み上げられるのでしたね。

「その他の者は、勤務態度が真面目だとか、国民に対して紳士的な態度であるとか、些細なことではあるが評価されている者達だ。各部隊参加人数が決まっているから、競争率高いんだよ。今まで一度も参加したことがない者が優先されるんだけど、それでも多い時はくじで決める」

「そんなに対象者が多いのですか?」

 ジェームス兄様はニヤリと笑いながら、

「ああ、特に若い独身の兵士達がね。観兵式は、普段滅多にお目にかかれない近衛騎士団が参加することもあって、若い女性が多く沿道に集まるからね。観兵式に参加するために若い兵士達の勤務態度が良くなったし、訓練も真面目に取り組んでいるようだし、兵士達の士気を上げるのには良い行事だ」

と、言った。

 ああ・・・。若い女性達に注目される絶好の機会ですか・・・。


「だが、観兵式の目的はそれだけではないよ」

「?」

「今は隣国との関係は良好だが、この関係がいつまでも続く保証はない・・・」

「!」

「十数年前。隣国で革命が起こった。前々から情報は掴んでいたようで、すぐに粛清され大事には至らなかったが、もし、革命が成功していたら・・・、戦争になっていた可能性があった。国境付近は厳戒態勢だったらしい。当時、王太子だった陛下が国境まで向ったそうだからね」

「知らなかった・・・」

「我が国に被害はなかったからね。それに、隣国も公にすることはなかったし・・・。もし、戦争が起こったとしても、国民が兵士達の存在を知っていたら?」

「・・・・・・」

「人によって感じ方は様々だから、何が正解かは分からないよ。でも、兵士達(彼ら)のおかげで今現在の、日々の平和は守られていることは間違いないからね。兵士達(彼ら)に感謝の気持ちをこめて、盛大に声援を送るの事が、我々のやることだよ」

「そうですね・・・」



「観兵式がどんなものか分かったかな?」

「はい」

 わたしが考えていた以上に重要な役割があったのですね。


行進パレードにはエドワードも参加する。一応、騎士団の指揮官だからね」

 だから先日の婚約の儀の時、騎士団の正装だったのですね。

 指揮官と言うことは、馬に乗っての行進でしょうか?そのお姿を、当日拝見することが楽しみです。


「あ~~、マリー。エドワードの事を考えてにやけているところ悪いのだが、行進パレードを観ることは出来ない」

「えっ?何故ですか?」 

「沿道は人が多いだろう。何時間も前から場所取りをしている者もいるぐらいだ。それから、式典広場の観覧席もすでに席券チケットは売り切れている」

「そんなぁ・・・」

 今まで興味がなかった行事なので、観覧することがこんなに大変なことだとは知りませんでした。

「まぁ、エドワードの婚約者だから、陛下達と迎賓館のバルコニーから観覧することは出来るが・・・」

 婚約したばかりでバルコニーは、・・・・・・無理です。

「マリーの事だから、遠慮するだろう」

 兄様の言葉に、激しく頷く。

「だけど、それらが理由じゃないんだよな~。実は、マリーもその行進パレードに参加することになっているんだ。エドワードと馬車で」

 

「・・・・・・ええ~~~~?!」



兵士さん達のパレードに特別参加となりました。

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