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王妃専属ガーデナー  作者: 瑛美(あきみ)


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○閑話~クララは気付いた

前回の話のクララ視点です。

2020/07/03 加筆・修正

 ローズマリー様とサイラス様がお店にいらっしゃった。

 ローズマリー様は、友人に送られる本を受け取りに来るついでにお買い物、サイラス様はお店の視察を兼ねてローズマリー様の護衛をするということだった。

 

 お店にいらしたとき、ローズマリー様だけのようだった。

 サイラス様もご一緒のはずでは・・・・?

「ローズマリー様、いらっしゃいませ。あれ?お一人ですか?サイラス様もご一緒だと聞いていたんですが?」

 そう尋ねると、ローズマリー様の後ろからサイラス様が現れた。

「サイラス様?そちらにいらしたんですね。気付きませんでした・・・・・・」

 いつものキラキラとした目立つような雰囲気ではなく、・・・普通だ・・・。

 目立たないように変装をしてきたそうだ。近くに来るまで、全く気付きませんでした。


 出版社のロゼッタさんからローズマリー様に預かった本は、全部で16冊。

 ローズマリー様の友人とローズマリー様用で2部ずつあった。

 ローズマリー様は数冊のつもりだったらしく、

「今日は持って帰れないわね。明日、改めてメアリに取りに来てもらいますね」

と、おっしゃった。

「ついでに、コレも預かっていてもらえないかしら」

 ローズマリー様が、サイラス様が持っていた袋を渡してきた。

 この袋は、わたしもよく行く服屋の袋。コチラに来る前に寄ったらしい。あそこって女性物のお店だったよね。

 庶民的な店で買い物をしているローズマリー様に驚いたが、それよりも、一緒に行ったサイラス様にさらに驚いた。サイラス様が選んであげたりしたのかな?


 以前より品数が増えた店内をお二人で見て回っている姿は、いつもより地味とはいえ、それでもそこらの男性と比べると美形なサイラス様、絵になる。

 もし、ここにテレサがいたら大騒ぎするだろう。

 

 以前、お二人が来られた時に提案して下さった、男性への贈り物を集めたコーナーを案内する。

 あの時は、王太子様までご一緒だったのには驚いた・・・。


 お二人に、最近の売れ筋を紹介した。

 近所の木工細工の工房から仕入れている、便箋を収めるのにちょうどいい大きさの木箱だ。

 この箱に便箋と共にポプリを入れて、便箋に香りを移し、その便箋を使って意中の相手に手紙を送るのが、テレサの小説のお陰で流行中。

 自分用にと買い求める女性客が増えた。ついでに、便箋とポプリの売り上げも伸びた。

 次は皮製品でテレサに小説を書いてもらう予定なのだが、なかなか良い話が浮かばず悩んでいるようだ。


 ローズマリー様がサイラス様に財布を勧めていた。

 サイラス様もその財布が気に入られたよう。

 だけど、まだローズマリー様が困ったような顔をされていたので理由を聞いてみると、なんでも、あの服の代金をサイラス様が支払ったらしく、その事を申し訳なく思って、代わりにローズマリー様がサイラス様の物を買うことになったらしい。

 財布の値段が、服の値段よりもまだ安いことが気になっているようなので、財布に付ける紐飾りに付いて説明した。

 料金の追加で、色々と選べることを説明した。

 うちの店の一番の売れ筋である、お守りの石を付けることをオススメした。

 サイラス様が興味を示した。

「この石の色が面白いな」

 選んだ石は、ロードナイトだった。

「サイラス様に似合いそうな色ですね」

 ローズマリー様が無邪気に言った。

 まだ、設定金額に余裕があったので、ペリドットとターコイズ、そして財布を仕舞っておくのにちょうど良い大きさの木箱をお付けした。


 お婆様に、財布に付ける紐の細工をお願いして戻ってくると、素敵なお二人の姿が・・・。

 ローズマリー様を愛おしそうに、そして時折切なそうに見つめるサイラス様・・・・・・。

 わたしだけでなく、店内にいた女性客すべてが見惚れていた・・・。


「クララ~。なかなか話が思い付かない~~」

 翌日、情けない顔でテレサが店にやって来た。

 昨日は、原稿用紙とにらめっこしていたら、夕方になっていたそうだ。

「あ~~~。そうなんだ・・・。ねぇ、テレサ・・・。次の小説にはさ、財布を使ってもらえないかな?」

「え?なに?いい案でも浮かんだの?」

「いや、とくに。ただ、昨日、財布を購入してくださったお二人があまりにも素敵だったから・・・」 

「え?ネタになりそうな出来事があったの?詳しく!」

 テレサの瞳が輝いた。

 とりあえず、個人情報等は伏せて、大筋を話すことにした。


「男性への贈り物を一緒に買いに来たの。で、皮製品のコーナーを案内したら、財布を気に入られて購入されたというわけ」

「一緒に買いに来たんだ・・・。で、そのお二人の容姿など、できれば詳しく」

 やはり、そこは気になるよねぇ。

「男性は長身で、細身だけど鍛えられている体つきで、美形の部類。女性は、清楚で可愛い系の美人。男性の、女性を見つめる時の表情が・・・」

 思い出しただけでウットリとしてしまう・・・。

「ううっ・・・。なんでわたしは昨日ここに居なかったんだろう・・・」

 テレサが悔しがっている。

「でも・・・、見た感じ、どうも男性の片想いのようなのよね・・・」

「一緒に、この男性が入りづらいお店に買いに来るぐらいなのに?」

「仲はすごく良い感じだったよ。ただ、恋人同士って関係ではないみたい・・・」

「幼馴染みのお兄ちゃん的な存在なのかな・・・?」

「ああ・・・。なんか、そんな感じ・・・?」

わたしの言葉を聞いたテレサが、何やらブツブツと呟き出す。


「よし!!これでいこう!!じゃぁ、クララ。良い案浮かんだから、さっそく書いてくる。出来上がったらすぐに持って来るから感想よろしく」

 店に来たときの疲れた表情とは真逆の、生き生きとした笑顔で帰っていった。


 数日後、テレサから見せられた原稿は、幼馴染みの恋物語。

 男性が武闘大会で準々決勝まで進んだことを祝って、女性が財布を贈ったことになっていた。

 そして、その財布に後日、男性が自分と女性の誕生石をお守りとして付けるのだけど、それが、ペリドットとターコイズだった・・・。 

 わたし、石の話はしていなかったはずだけど・・・。

 テレサに理由を聞いてみると、『適当に選んだだけだけど?』とのことだった。

 偶然にしては出来すぎている・・・。


 ちなみに、サイラス様が選らんだ石は、愛情の表現や行動に移すことを助けてくれるパワーがあると言われている・・・。

 

 

 


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