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エターナル  作者: 樫 あひる
王都 ベルニカ編
9/12

『第一勢力者』の闘い

「どこに行くんですか?」


トシヤとツガルは、あの二人に見つかってはまずい筈なのに、街を歩いていた。トシヤの気持ちは不安になる。


「あの二人にケンカを売るんだ。まずは情報を集めないとな。あいつら、何か言ってなかったか?」


街を歩きながら、ツガルは尋ねてくる。トシヤは、あの二人に会ってからの出来事を思い出す。


「あっ、そういえば、あの人たちはレベル3だって言っていましたよ!」


「ふうん」


ツガルはあまり興味を示さなかったのか、トシヤの前を歩いている。


「どうでもよさそうですよね?」


「そんなもん、俺だって確認しているんだよ。まず、出会った奴はステータスは確認しといた方がいいぞ」


「他にはと言われても、金にズボラな兵士を雇ったって言っていましたよ」


「なにぃ?!」


ツガルは歩みを止め、こちらを振り返る。


「それは、どこの兵士だ?」


「助けてもらった場所付近を巡回している兵士らしいですよ」


「なるほど・・・」


ニヤッと、不敵な笑みを浮かべる。


「おい、メニュー画面から『フレンド』を押して、俺の名前を入れてみろ。」


「わ、分かった」


急に言ってきたので、とまどってしまいつつも、言われるがままに、フレンド欄を押し、タッチセンサーになっているので、慣れない手つきで『ツガル ヒデト』と、名前を入力する。


「下に『CALL』と、出ているだろ?それを押してみろ」


トシヤは『CALL』を押してみる。


『ジリリリリリリ!』


自分の頭の中だけ、電話のベル音が鳴り響いている。


「なんだ、これ!」


『電話機能だよ』


ベル音が消え、ツガルの声が聞こえてきた。


「一分間、1000ベルンずつ取られるが、遠くにいる仲間に連絡が取れるから便利な機能だ。覚えておくといい」


「へえ、そんな機能があるんだ」


「じゃあ、次は、このマップを見てくれ」


左下の隅の方に『王都 ベルニカ』と書かれたマップを見せられた。


「俺たちが出会ったのは、この辺だ」


マップの左の方、『KingsキングスStreetストリート』と書かれた場所を指す。


「俺があいつらに、教えた場所は北にいると伝えたから、今、奴らはまだ、この辺りを探しているだろう」


「で、どうするんだ?」


「お前は今から、そこにいる奴らを見つけて、俺の電話の合図をしたら、『KingsキングスStreetストリート』にある、ここに奴らをおびき寄せろ。」


ツガルが示す場所は、四方を建物で覆われていた。つまり逃げ場所がなかった。ツガルは文句の一つでもいいと思っていたが、トシヤからは不安の声は上がらなかった。


「・・・分かった」


むしろ、決意に満ちていた。恐らく、ツガルに賭けた時点で肝が据わったのだろう。


「よし、じゃあここからは別行動だ」


「あんたはどうするんだ?」


「勝つ為に、ちょっと『交渉』してくる」


「交渉?」


「ああ、もしも交渉が決裂したら、その時は、強引に奴らを殺す」


殺すという言葉に戸惑いを隠せなかった。その人たちを殺すという事は、永遠の生き地獄をさせるようなことだった。


「そ、そんな・・・」


「これは最終手段だ、もしも交渉が成功したら奴らを屈服させられる。だが、失敗したらその時は、心を鬼にしろ」


やはり、自分がこの街を生き抜く為には、あの人たちを殺さなくてはならないのか?そう考えたとき、ふっと出てきたのは、一人の小さな英雄だった。


「ごめん、やっぱり自分には、人を殺せない・・・」


「なっ!」


殺してしまうと、次にユキホに会う事が出来なくなりそうだった。


「お前はこんな時にっ・・・。まあいい、奴らが移動してしまうと厄介だからな。話しはあとだ。お前はまず奴らを探しに行け」


こうしてツガルは交渉の為、トシヤと離れた。


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