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王都ベルニカの西側に一直線に伸びる石畳の道、それが『キングス・ストリート』。そして『キングス・ストリート』の最終地に位置するのが、街全体を守護する様に、悠然とそびえ立っているのが王城であった。
その絶景なる王城には目も暮れずに、トシヤとユキホを探す魔術師と戦士の姿があった。
「くそ、どこにいやがるんだ?」
城の近くだろうか、付近には民家らしき建物がなく、木々や花、噴水などと言った、王城を美しく見せるためのオブジェクトらしいものしかなかった。
「おい、セト、あの兵士連れてきて、一緒に探させるように言ってくる」
戦士の男が、魔術師の格好の男に話しかける。
「ああ、頼む、ナンゴウ。多分、あの銃使い(ガンマン)のガセネタだったのかもしれねえな」
この付近に隠れる場所と言えば、王城ぐらいしかなく、セトとナンゴウは入ろうと試みたが、兵士に止められた。勿論、自分達がキングス・ストリートの地区の兵士みたく、忠誠心がある奴だったらしく、賄賂を渡そうとしても入城は出来なかった。
「じゃあ、行ってくる。何かあったら、直ぐに『コール』で知らせてくれ」
「分かった」
セトはナンゴウと離れた直後、メニュー画面からデジタル時計を見た。時刻は午後2時を示していた。見つけられなかったら、二人はこの街から『犯罪者』と呼ばれ、この街にはいられなくなってしまう。
そうなれば、未開の地での野宿を余儀なくされる。もちろん危険ではあるが、更にまずいのは、人との交流が制限される事だった。そうなってしまっては、様々な装備やアイテムが手に入れずらくなる。
それだけは、どうしても避けなくてはならなかった。セトは焦り出していた。
※
王城近くには見渡しがよく、比較的、簡単に見つけられたが、セトだけしか見当たらなかった。
トシヤは、セトからばれない様、綺麗に手入れがなされている草むらに隠れ、セトの動向を観察する。ツガルからの連絡を待っている間、考えることは、二人を本当に殺さなくてはならない事だった。
そんな時に、蘇る言葉。『心を鬼になれ』ツガルの言葉だ。
しかし、先程も考えたが、やはり二人を殺してしまったら、ユキホにはもう会えないだろう。それよりも自分を蔑むだろう。
そんなことは、絶対に嫌だった。
自分を助けてくれた娘に、そんな事になるのだったら・・・。
『ジリリリリリリリ!』
頭の中からベルの音が鳴り響く。突如なる、連絡にトシヤの胸の鼓動が激しく蠢く。
『見つけられたか?』
『はい、でも魔術師の人しかいないです』
『それなら、問題ない。戦士の奴だったら、キングス・ストリートにいる』
その問いかけに、疑問が募った。
『あんた、キングス・ストリートにいるのか?』
『ああ、それより交渉の件だが、成功したぞ』
『ホントか?!』
という事は、殺さないで済んだという事だった。トシヤから安堵のため息を吐いた。
『まあ、お前には言いたいことはあるが、それは後回しだ。あの魔術師を例の場所に連れてこい』
『分かった』
そう言うと、トシヤは通話を切った。
しかし、トシヤは人を殺さなくて良かったとはいえ、これからが本当の闘いが始まる。




