ルミナ
――世界には、無数の遺跡が存在する。
人々はそれを、「ルミナ」と呼んでいた。
誰が造ったのか。
何のために造られたのか。
その答えを知る者は、もうこの世界にはほとんど残っていない。
ただ一つ確かなのは――
ルミナには、現代の技術では説明できない「何か」が眠っているということ。
そして、その「何か」を求めて世界を旅する者たちがいる。
ー冒険者ー
「……ここか」
少年は巨大な石造りの建造物を見上げていた。
崩れた壁。
地面から突き出した巨大な柱。
苔に覆われた階段。
そして、その奥へ続く真っ暗な入口。
これが――
「ルミナ……」
少年の手には、一枚の古びた紙が握られている。
そこには父親の字で、短くこう書かれていた。
> 『このルミナには、必ず何かが残っている』
少年は紙を握りしめる。
「親父……」
父は古代遺跡の研究者だった。
世界中のルミナを巡り、誰も知らない古代文明について研究していた。
しかし、数年前。
父は突然、姿を消した。
残されたのは、大量の研究資料と――
この一枚の記録だけだった。
「待ってろよ」
少年はルミナの入口へ歩き出す。
「親父が何を追ってたのか、俺が見つけてやる」
---
「止まれ!」
突然、背後から声が飛んできた。
振り返る。
そこには武器を持った数人の冒険者がいた。
「新人だろ? ここは俺たちが先に入ってる」
「……別に、宝を取りに来たわけじゃない」
「じゃあ何しに来た?」
「調べたいことがある」
「同じだよ」
男が笑う。
「ルミナに来る奴なんて、結局はラモン狙いだ」
少年の表情が変わる。
「ラモン……?」
「知らないのか?」
男が腰から小さな金属片を取り出す。
一見すると、ただの古びた欠片。
しかし――
男が握った瞬間。
**バチッ!**
青白い光が走った。
「これがラモンだ」
少年は目を見開く。
「……それが?」
「古代の遺物だ。持ってるだけじゃ何も起きないものもあるが、使い方次第じゃ武器にもなる」
男が金属片を地面に向ける。
瞬間。
**ドンッ!!**
地面が大きく弾けた。
「……!」
少年は思わず後ずさる。
男は笑う。
「ルミナには、こういうのがゴロゴロ眠ってる」
「……面白そうじゃん」
「は?」
少年は入口へ向き直る。
「だったら、俺も探す」
「ルミナ内部」
少年は一人、暗闇の中を進んでいた。
壁には奇妙な文字。
見たことのない紋様。
そして、至る所に残る古代文明の痕跡。
「親父の資料にあった……」
壁の紋様を見た瞬間、少年は足を止めた。
父の研究記録に、同じ紋様が描かれていた。
「これだ……」
その先には、大きな扉があった。
少年が近づく。
すると――
ゴゴゴゴゴ……
扉がひとりでに開き始めた。
「……!」
部屋の中央。
台座の上に、一つのラモンが置かれている。
黒い石のような外見。
その表面には、奇妙な文字が刻まれている。
少年が手を伸ばす。
――その瞬間。
ドクン、
ラモンが脈打った。
「……なんだ?」
さらに一歩近づく。
そして、ラモンに触れた
次の瞬間。
部屋全体が激しく揺れる。
「うわっ!」
天井が崩れ始める。
少年はラモンを掴み、走り出す。
「なんなんだよ、この遺跡…!」
背後から巨大な何かが起き上がる。
ルミナを守るための存在
少年は振り返る。
「,,やるしかねえだろ!」
右手には、さっきのラモン。
その表面に、光が走る。
そしてこの日から。
少年の「父の研究を追う旅」が始まった。




