第88階 一時の勝利
亜人達の国に向かっていた私達
しかし魔獣達の国が
危機に包まれていた
魔獣達の王である皇帝蛇は
突如現れた黒い鎧の男と対峙するも
力及ばず捨て身の覚悟で魔界の為に
命をかけた!!
合流した私は魔王ネロ様の
生命を繋いで黒い甲冑の男と対峙する
そして私は一段強くなった新しい剣で
必殺技ごと打ち砕いた
ほぼ力を失った黒い鎧の男は
ふらふらと宙を浮いていた
「グフッ!!!ゼェ....ハァ.......
ドゥオとトレースに
ノゥエムまで駆けた時には
悪い夢でも見ているかの様に
感じてはいたがまさか
唯の理不尽な現実だったとは」
「三清」
私の呼びかけに表情を変えた
「....その名で呼んでくれるな
我が憎っくきキレ・ルイデに殺された
男の名だ
それにゴルテッカーを受けて無傷とは
恐怖や絶望を最早通り越す
畏怖だ、名はなんと言う?
強き魔女よ!!
我が名は
クゥインクゥエ・フトゥールム!!」
「私はミリカンテアの和泉国の女王
アカナ・エカルラートの実妹にして
魔界の天皇に成る
アオナ・エカルラートよ?」
私は刃先をクゥインクゥエに向けた
「グハハハハハハ!!!
地獄でお前の名を広めてやろう
地獄の使者が首を取りに来るやも
しれぬぞ...?」
私は薄っすらと笑みを浮かべた
「地獄の戦力が私と戦えるのかしら?」
「....セプテム?」
クゥインクゥエの横にその
神々しい白いローブをまとう男は
舞い降りた
肌も物凄く白いまるで
聖なる力の権現の様だった
「...何を寝ぼけた事を言っている?
クゥインクゥエさんは生きて
帰って来て貰わなければいけない
考えてくれ!今この場を離れる術を!」
若い男の声だった
「七曜ね?」
ピクッと表情が怒りで満ちる
「...キレ・ルイデは死んで女に
転生したのか?」
セプテムと呼ばれた男が
警戒をしながら私に問いを投げかける
「...どうでしょうね?
でも私は大勇者ではないわ」
「悪いが...
地獄には行ってやれん
また合間見えたら
次こそはこの私が勝つ!」
クゥインクゥエは
立ち上がるのがやっと程度に
回復させて貰った様だった
「悠長な事を言っている
場合ではありません!!
あのノゥエムさえ大きな怪我を負った
それにこれ程までに傷を負うとは...!!」
「急げば治るのか?
気持ちの問題だ、殺されはせんよ
キレ・ルイデ以外にはな」
クゥインクゥエは
仮面の下で笑った
セプテムの乱れた心を癒す様に
「そうね、でも
魔界に手を出さないというなら
命は生かしても良いわよ?
それとも続きやる?セプテム?」
セプテムは怒りと
憎しみの目を私に向けた
「...究極未来
ここは私が抑えます、
一矢報いてやります」
「ならん!!!
最早此処までとは誰が想像した?
立て直しチームで挑むしかない
それは分かっている筈だ!!!
生きるぞ!!!セプテム!!!!」
クゥインクゥエはセプテムを
蹴り上げた
「....クゥインクゥエさ...ん?」
クゥインクゥエは私に対して
自身のシャーハンシャーを構えた
「..........憎しみに囚われるとは
興ざめした、光を灯し直せ
まだ満身創痍の私の方が遥かに強い
憎しみに呑まれる様では
キレ・ルイデには勝てん!!!」
「あらあらまだまだ元気なのね?」
私は剣を構えた
全真カゲード・ゲイスダリゲードを
「行くぞ、小娘!!!
いつか地獄で会おう!!!」
「あら、私は天国に行くのに」
クゥインクゥエの太刀筋は
見るも無惨に鈍っていた
最早構えるのも手一杯だった様子で
私の刃が無慈悲に襲う
「....究極未来」
2人はあの声と共にこの場から消えた
あの声、ノゥエムの声と共に