第83階 新しき地へ
私は魔界の天皇を継ぐ道を提示される
それは魔界存続の為の
苦肉の策でもあった
それも含めて私とフォアローゼズと
命君、そして新たに加わった
ターキッシュアンゴラちゃんは
龍髭の遺産たる空飛ぶ船で
魔獣達の国を目指す
「凄いふかふかしてる!!」
「でしょう?振り落とされない様に
しっかりつかまってるんだよ」
「イムもだよ、まぁもしもの時は
加勢する」
はしゃぐターキッシュちゃんに
お姉さんみたいに対応するイム
そしてマユナ、微笑ましいぐらいに
仲良くなっているみたい
「おいあいつ後でコショコショ
ショックの刑で良いかね?」
ゼムさんの声に
ターキッシュちゃんを乗せた
仏巨狼のトランさんは
遠い目で見つめている
「ほぉ?私に失礼ですね!」
私はにっこり微笑んで
ゼムさんに覗き込んだ
「....こほん!」
ゼムさんは軽く咳払いをした
「...うちの娘はやらんぞ」
シンガちゃんを抱えた奥様は
米赤狼のアーさんに乗り
マサムネさんの後ろで苦笑している
「....マサムネ、殺気立つな
いつものことだろうぅ!」
軽く返すがマサムネさんは
本気みたいだった、親バカね
うちの父みたいに
「こちらはいつでも良いぞ」
テュポさんも走るそうだ
まるで爆走といった
感じになるのかしら
「あんた達!アオナ達になんか
あったら攻め入るからね!!!
それにミコンもだよ!!!」
ゾクッとマサムネさんもネクさんも
テュポさんも大地之歪達も
「「「えいえいさー!!!!」」」
小気味良い返事で返していた
「ばっちゃ!!!お世話になりました!!!」
「アオナそげん言わんと
いつでも気軽にきんしゃい!!」
ばっちゃの後ろでマリアンヌさんも
モナ・リザさんも笑っていた
更にはサタンさんも
「亜人を救ってくれてありがとう
誰かに負けたら承知せぬ」
マリアンヌさんから受け取った
手紙にはそう書かれていた
これなら玉藻さんも
すぐに回復するだろう
「でもヨォ、なんかこう
自国に帰るだけなのに
ワクワクしねぇか?
こう大冒険の始まりみたいな!」
ゼムさんの言葉に
他の大地之歪はコクコクと頷いていた
「良いじゃねぇか
また行こうぜ
子供の頃みたいにさぁ」
テュポさんはしんみりしていた
「ふむ、魔界の果てを制覇するとか
ゼムがバカみたいに吠えていたな
それを俺達もアホみたいに信じていた」
マサムネさんが苦笑する
「貴方!置いていかないで下さいね!」
悪い悪いとアビシニアンさんに
頭を下げていた
「良いじゃない、弁当持って
船に乗って行けば
いつでもかえれるよ
気持ちが蘇るなら」
私はニコッと微笑んだ
「...あぁ、計画立てようぜ
またあの時みたいにこっそりと」
ネクさんが"ワクワク"のページを開く
「しゃあねぇな!!
試運転とかなんとか理由付けて
かっ飛ばそうぜ
狼之巣はお前達を必要としているんだ
勿論俺も」
「本当に馬鹿は治らんね
まぁ、治す薬も必要無いけども」
ばっちゃは苦笑していた
「魔王グリモワール様
今回は大変世話になりました」
大地之歪達が頭を深々と下げる
「なんね!わたしは何にもしてないよ
言うならアオナに言いなさい」
「それでも妻と娘達の為に皆感謝する
この礼は必ずや」
マサムネ王は降りて地面に額が
つくぐらいに頭を下げていた
「馬鹿言ってんじゃねぇ
水クセェよ、王様になったからか?
また一緒に馬鹿出来りゃそれで良い
それ以上の礼はねぇよ」
「全くだ大人になって
友情を忘れたか?
それは残念だなぁ」
テュポさんもゼムさんに続く
「皆様、本当に本当に
ありがとうございます!!!」
アビシニアンさんは
涙を色鮮やかなハンカチで拭いていた
「かたじけない」
と言ってマサムネ王は
瞳が見えない様に後ろを向いた
「もう、アオナは魔界の救世主だねぇ
私は誇り高いよ
スソリフに手紙書くよ」
「あはは、そんなにかしこまれても
困るよぉ
ばっちゃにネクさんに魔物国の
みんな、ゼムさん達にテュポさん、
それにマサムネさんに
アビシニアンさん、
そしてターキッシュちゃんに
シンガちゃん、サタンさん
私は魔界観光に来て大切なお土産を
沢山貰ったよ」
「...行こうぜ、泣く場所が欲しい」
ゼムさんは1つ吠えた
「分かる、濡れるの凄く嫌だけど
涙が止まらない」
ネクさんはボロボロと大粒の涙を流している
「いつでも帰って来なさい
歓迎するけんね!」
「ありがとう、ばっちゃ」
魔物国のみんなに見送られながら
私達を乗せた大地之歪達は
嵐の如くに駆けた
「イムぅ!!!最高だね!!!」
ターキッシュちゃんは
喜びを高らかに叫んでいる
「うん!!!凄く速い!!!」
「もう着くわね」
マユナが前方に指を指す
「あれだ!!!」
テュポさんも鼻で指す
「なんて大きさ!!」
マサムネ王が叫ぶ
「もう、怖くない...私がいるよ」
ターキッシュちゃんはぽろぽろと
涙を流していた
イムに後ろから抱きしめられながら
「...握っといてやるから」
「えぇ、貴方...」
アビシニアンさんは涙を拭って
「シンガ、パパがね
守ってくれるから」
「マユナお姉ちゃん達も
いるから怖くないよ」
シンガちゃんは心の底から笑顔だった
私は..深淵の思考をフル回転させて
2度と龍髭海賊団も様な輩が
生まれない世界を創るには
どうすれば良いか、
ただそれだけに想いを馳せていた




