第82階 ノゥエム・フトゥールム
私はドゥオとトレースを追い詰めた
撤退しようとする彼女達の前に
世界の全てを私にくれると言わなかった
3人目のフトゥールムの
黒髪の若い美形の男が立ちはだかった
「俺はノゥエム・フトゥールム
時代の王者だ
....究極未来」
ガギィィィンッ!!!
私の放った一閃を3人は
吹き飛ばされながらも
自身の究極未来でなんとか凌いでいた
「ハァッ、ハァッ...くっ!」
ドゥオは悲痛で顔を歪めた
「ドゥオ、これ防いで無いわよね
痛っ!!」
「だけど、斬撃の衝撃で俺達は
何とか脱出した、良かったよ
俺達は強くならねばならない」
「ゴメンね...ノゥエム
貴方だってボロボロなのに」
トレースは悔しさの涙を流した
ドゥオはトレースと2人で挑んだ際に叩きつけられる筈だった頭部を
トレースの力で守った影響で蝕み
殆ど動けず
トレースも全身を打ち殴られた様な
痛みが襲っていた
ノゥエムも咄嗟に2人を庇った為に
殆ど血塗れだった
私は白いゲイスダリゲードで
空を切りながら彼等が逃げた
遥か彼方を見つめていた
殺さなかった、魔界観光の
時間が欲しいから
「太極に天眼...2代目と3代目に
いないはずの...かしら?
共に世界を滅ぼした者
これで良かったのかしらねぇ...」
「あれで死んでいないのか?」
ネクさんが"生死不明"のページを開く
「えぇ、生きているわ」
だって父も殺すの苦労したみたいだし
「なら、私が下す」
ニコッとマユナが横に現れた
「お願いしようかしら?」
わたしはうふふと笑みを漏らした
私達はばっちゃの玉座に集まっていた
ボロボロの玉藻さんは命に別状は無い
一安心だ
今回の件に関して
魔獣達も亜人達も重く受け止めた
ドゥオの強さが見える形で
逸脱していたからだった
「汚い話しにはなるが
俺はアオナが
魔界の天皇を継ぐという形で
即位してくれれば
一抹の安寧にはなる」
ゼムさんは言い難そうだった
「一理ある」
とはマサムネさん
「マサムネ王の奥様が
実行しようとした事も
ここまでとなると
知恵としては素晴らしいものだったと
感嘆せざるを得ない」
ネクさんは"妙案"の
ページを開いていた
「あぁその通りだ、貴族の誇りをとか
魔獣の誇りをとかいう次元では無い
それに魔獣に魔物、亜人...不死は
魔界の天皇案に反意はないだろう」
サタンクロースさんは大丈夫ですよー
という感じの笑みを
テュポさんに向けていた
「ネロは俺が何とかする...
最終的に強き者には従う
スタンスだからアオナには
魔獣国に出向いて頂く
必要性があるが」
「あんた達が勝手に進めようけど
アオナは良いとね?
魔界の天皇さんに成るの」
「実際何をしていたの?
魔界の天皇たる魔皇
ミラース・ラーバ・ラーサ..様は」
私はそれも含めて
星闇宮へ向かっていたのだった
「戦いに勝ち続ける
ルヴァイにも優族にも
勇者キレと共に行方不明になるまで
一度も負けた事ない
...自国の勝利のように俺達は喜んだ
だってヨォ、魔界の住人が
勝つんだぜぇ?血が滾るぜぇ!!」
ゼムさんは鼻を鳴らしていた
「全くだ」
ネクさんも"同感"のページを
開いていた
「あとは聖獣と悪魔にエルフって事?
総て観光予定地になったのよ
フォアローゼズ?」
「全部行くのか!?」
マスカリアがキラキラしている
「そしたらターキッシュちゃんと
長く旅が出来るね!」
イムはターキッシュちゃんと
ハイタッチしていた
「皆なら楽しいから」
マテハも自然に笑みがこぼれていた
「行きたいけど、強くなりたい!!
でも行きたい!」
マユナにはそれも
考慮するからと伝えたら
凄く飛び上がって喜んでいた
「ネクさんも行く?
色々案内して欲しいかな?」
「うむ...」
「よ!この色本!」
ゼムさんが揶揄う
「どちらにせよ、
最初に行って欲しいのは
魔獣国だね
それと悪魔国は後回しが良いね」
「そしたら、そうさせて貰うわ」
ばっちゃの助言に従う事にした
「「「わおーん!!!!!」」」
四公である大地之歪種の
3匹の遠吠えが聞こえる
「丁度良い!!!俺達は早速
狼之巣を使い
マサムネ王一家を亜人国に送る
行くなら一緒にどうだ?」
「面白いわね!どう、みんなは!?」
フォアローゼズに命君に
ターキッシュちゃんは
コクっと頷いたり目を
キラキラさせていた
「ハツミ...命の事なんだけど」
マテハが耳打ちして来る
「魔界は濃度の濃い魔力が満ちている
それだけ豊富なのよ」
マテハはニコッと笑う
命君は眠る時間が極端に少なくなった
それは同時に魔術の類で創られた事を
同時に意味した