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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
魔界観光編
64/263

第63階 魔物の国

私達の船は次元を切り裂いていった

ふと見上げて見ると大きな光が

空を優雅に進む

その進みは決して早くはないけれども


「あれは"クジラ"ってんだぜ」

マスカリアが得意げに

みんなに説明している


あーあれね

死んで失われてもクジラなんだ

クジラを生きた命の流れが寄って

集まって固まって

大きな流れとなっている

うーんでも、クジラかな

第七世界のシロナガスクジラの

一億倍はデカイわね


次元の海は死んだ者、失われた物が

あるべき場所に流れる為にある場所

だから間違って無い

強力な怪物を次元の

狭間に封じ込めるのは

それだけに死に繋がる


完成させたのは第ニ世界の

大陰陽師 安倍清明で

第一世界時点では

もう既に理論はあった様で

国名はアトランティス


「そうねクジラね!」

私は新しいクジラを

みんなで見上げていた


クジラの頭が隠れてしまい

尾が大きく見える様になっていった


そしてもうそろそろね

本を使ったから恐らく

"魔物"の領域につく筈


王はグリモワール様だったかな

挨拶だけはしておかないと

お久しぶりになるかな


「そろそろ着くよ!」

みんなの表情が引き締まる


それもそうか魔界は本来は

勇者が死を賭して挑む最終決戦の地


目的の場所が見えた為

静かに船を止めた

「魔物の王の地よ、そこで待っててね

話つけて来る」

私だけ降りて確かめて帰って来る


私は船をそのままにして魔界の一角

魔物の王の四都市の一つ

ラテンオチを踏みしめた


「「「.....」」」


「分かるわよね?

本系統の魔物を

読んでくれないかしら?」

土偶に埴輪

般若にオカメ

それに獅子舞に狛犬

結構な数の魔物がいるわ


「私が次のこの地の魔王候補の

ネクロノミコンである

強大な力を感じて軍を率いて

この地に赴いた、あれを見よ!」

目の前の本は器用にページを開き

その中から指の描いてある

ページを出してきた


「大きなゴーレム...第七世界の

自由の像かしら?」

ドヤ顔のページが開かれる


「あれは前世界から

この地に流れ着いた

力そのものだ

名をfreedomという

更にだ!」

馬の埴輪が集まって固まって

ボンッと魔力の煙が吹き出る

それも幾つも


「そう!これが我等が誇る

スフィンクスだ

異界の少女よ、帰るがいい

半端な力では魔界は制せぬ」

まぁ...いいでしょ


「そういう事じゃ、人間のぉ!」

狐の石像がカタカタ笑う


「9本あった所で

私はどうにもならないわよ?」

睨む様な妖気の狐の石像


私は少しだけ自身の力を開放した


パラパラとめくれる

ネクロノミコン

「これ程の力!!!

かの魔皇軍最強の星王すら

凌駕するというのか!」

スフィンクスが頭に手を当てて

カタカタと震えている

2つ3つは合体が解けて

元の馬の埴輪になって

泣きべそかいていた


「お話しできるかしら?」

私は放った力を抑えながら

にっこりと微笑んだ


「この様な場所では寒い...

場所を移動..」


「本のクセに寒いの?

変色しても知らないわよ?」

私は周囲を少しばかり温めた


「気遣い無用という事か」

横に座る狐の石像も

卑しい笑みから愛想

笑いに変わっている


「本当に良いの?」

コクコクと頷く

少しばかり大きな

馬の埴輪


「良いみたいね、それじゃあ

始めるようか!」


「うむ...そちらが良いなら

こちらはいつでも」

私達は名前を教えあった

魔物の魔王候補のネクロノミコンを

ネクと呼び

アカナ・エカルラートの実妹である

アオナ・エカルラートを名乗り

アオナ殿と呼んでくれるとの事だった

和泉国は実在する為に敬称をつけて

くださるとの事だった


「...してどうするのだ?

この地を、ミリカンテアの勇者は

魔を裁くのか?」

率直な意見だと思う


「ただの観光よ観光!」

パラパラとネクのページが

捲られて行く


「ムゥ...にわかには信じられんが

実質どうする事もできないから

目を瞑るしか...ないやもしれん」

ネクが項垂れている

本が斜めで浮いているだけだけど


「いつになく弱気じゃのぉ

そうじゃ!名案がある

魔王様に儂の尾を全て戻す様に

申告するのじゃ!

そしたら儂の妖力でどうにかなる

どうじゃ?」

ネクはピシッと立った

本がちゃんとした方向を

向いただけだけどね


「ならん!なんとか

魔物の領土内で収めたと言うのに」

ネクのきっぱりとした答えに

ニヤニヤと不気味な笑みを

浮かべる狐の石像


「グリモワール様に意見を

頂くというのは歓迎するわ

それで、狐鍋というのも良いかも

しれないわ!たっぷり毒抜きしてね」

私は狐の石像と睨みあった


「....我が君への謁見は

控えさせて頂こう

万が一という事がある」


「..そしたらネクで分かるかしら?

"黄金王"の居城は何処かという事が」

ネクが萎れていく


「..名を魔界で知らぬ者はおらぬが

場所までは特定できん..」

まぁそうでしょうね

ここは嫌でも知らないと

答えるのが無難よね


私がエルフの国を滅ぼす

きっかけになったら

魔物の国に魔界五連合が雪崩

混んでくるでしょうね


「仕方ないわね

それでは私は行くわ」


ネクがパタンッと倒れた


「魔物の国は面白くなかったかねぇ」

懐かしい響きね


「お久しぶりですグリモワ様」


「グリモワー...様」

こてんと狐の石像も倒れてしまった


「だらしないねぇ、全く

とんでも無い力がと思って

見に来たらほれ!手に余っとる

お前達!!!帰ってな!!

ミコンの指示でテキパキ動きな!!!

私が1人でお相手するよ!」

一言で魔物の群れは逃げ出し

私にグリモワ様は異空間を

創り出し案内された

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