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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
東の大国編
46/262

第45階 井の中はとても深く

「人が増え過ぎたら

自然に負荷が掛かるというのも

正しい事よ、

でも星は負荷が掛かれば

爆発し滅ぶだけで

それ以上でもそれ以下でも無いわ

その状況にさせたく無いというのも

人類種を守る為の本能なのよ

でもね従来、宇宙や星と共に運命を

共にするのは宿命とも言えるけどね

人はそれに疑問を持つから

地球で最も思いのままに

生きられるのよ

転生もその1つ

人の死に疑問を持ったからよ

ただそれだけの小さな事だわ」

ふむふむと聞くユウヅキ

私は自らを転生させる事も

他者を転生させる事も出来る

集然では生命の効率化とも言える

より強くより逞しく生きる為に必要な

要素と使えなかった要素を交換して


「人類は大宇宙や銀河、太陽に

地球の様々な要素があって

出来た奇跡の存在

この世に無かったモノを

次々に生み出していったわ

文字に本、テレビに学校、ビルに

更にはお金なんかもそう

人類しか知らない秘密の技術の数々

えぇ他種族にとっては

生み出せなかった特異な技

多くの人類が生きる為の魔法を

人は科学と呼んでいる

いつか転生後の魔法が必要無くなる程に

幸せな人生が沢山生まれると

貴女の負担も軽くなるのでは

無いかしら?」

ユウヅキは苦笑していた


「でな、わしが転生させた中でも

強者に強く拘った奴が魔界に

もしかしたらいるかもしれん

もし会ったら宜しゅうな」

ユウヅキは静かにこうべを垂れた


「...一応名前を教えて」

ユウヅキはニコッと

意味深な笑みを浮かべた


「トォーリ・オラージュじゃ」


「縁があればね、心配なの?」

ユウヅキは首を鳴らしていた


「おぅ、そうじゃなアオナがのぉ」

ユウヅキの目が細くなる


「ふふふ、イジワルね

全巨鬼よりも強いんだ?

ユウヅキも含めてね」

私も意地悪に微笑んだ


「ぬぅ...だが転生者じゃ」

ユウヅキは鼻を鳴らしてそっぽを向いた


「転生者は奇抜で奇怪な

能力を持つだけで

私が勝てないとは

一度も言っていないわ」


むぅと唸るユウヅキは

小さく口を開いた

「いつか足元を掬われるぞ」

ふんっとユウヅキはまた鼻を鳴らす


「掬われても大地を踏み抜く、

それはただの負けず嫌いよ?

ユウヅキ?」

露骨に嫌な顔されても困るなぁ

私は先人達が生み出した

転生法を利用して様々な

世界を飛び回った

生きる為の力としてその都度

蓄積されていた能力があるのは

知っていた

自分が世界に与える影響の

大きさも含めて知っている

その中で様々な人々や動物達に植物に

出会いどんなに惨めでも苦渋の人生でも

死後ぐらいは自分の幸せを

願ってあげられる者達がいるのも

知っている

だからこそ結局

自分と共に生きた者達を

否が応でも幸せに出来た者が

最期に勝つ

醜くても無能でも

幸せにしたいと思える何かが

人がいたら幸せなんだよ

かつて私が愛した人の子孫の長男が

転生の幻想の囚われずに

現実に帰れた事を見れただけでも

今の私は十分

きっかけはこの世界での父だけども


私は転生時に得る力も含めて

全て束ねて"ハツミリア"と名付けた

今も成長し続けている

人類語にするなら"最終未来"

自身が最も思い描く最善かつ最高の

結果へ繋げる道


「人類は動物の時代を経て

凶悪な動物達を殺せる武器を手にし

未来には宇宙へ飛び出した

その人類の1人でもある私を

舐めるな、ユウヅキ!」

ビリビリと響く圧力が

九尾の巨鬼であるユウヅキを

貫き圧倒した


「小娘ぇ....井の中の蛙の井は

悍ましい程に誠に深いようじゃの

年老いたモノの要らぬ世話のようじゃ

アオナが可愛くてのぉ....」

そういうユウヅキの尾はフルフルと

震えていた


「少女1人じゃ舐めれるの

よく知っているよ

良く経験したから

以後気を付けてくれると嬉しいなぁ」

私の微笑みにユウヅキは苦笑していた


「全くとんでもない

ハーフエンシェントルーラエルフの

娘じゃよ!アオナは!」

ユウヅキは笑顔を取り戻していた


「お世辞は良いよ、私は人の心を持った

エンシェントルーラエルフだと思う、

エンシェントルーラエルフはもっと

可憐で献身的で自己犠牲的なのよ」

私は苦笑していた


「じゃから一族を滅ぼされた後も

"何も"なかったんじゃな

アオナが人の心を持つという意味が

わしには分かった

エンシェントルーラエルフ達は

神の到達出来ない次元の魔法に

到達する者が現れた時

里が滅ぶ、計4回じゃ悲惨じゃのう」

クゥ〜ンとでも泣きそうな

ユウヅキの顔はとても悲しそうだった


「...うん、だから一部の神々は

魔法で今も残忍で凶悪な拷問を

受け続けているわ」

ユウヅキの目が点になった


「今、なんと...?」

私はニコッと微笑んでみせた


「何故私が能力として死後の世界の

法則を消滅させる魔法を

持っているのか分かる?

もし加減を間違えて死んだ時に

無にする為よ」

ユウヅキは驚いていた


「神々を拷問じゃと..,通用させた..のか?...」

にわかには信じられない様な話だと

思うけども

集然の変化させる能力は万能だった

神体を人体や鼠の身体に変えるなんて

朝飯前、不老不死にも火にも光にも

変化させられる


「神はね人類の想像の範疇でしか

行動出来ない都合の良い物よ」

確かに人類を超えた力を持つけども

人類の想像以上の力は決して

持っていなかった

だから人でもある私でも想像出来る

範囲で討てたという事になる


「多くの者達が見た夢が

神々を討つ事じゃった

わしらはユグドラシル騎士団

2億5000万人に敗れた

2000万もの巨鬼を殺された所で

ウシトラが共に食事をしたという

魔皇が助けに現れた」

あら、懐かしいわね


「へぇー、魔皇はその騎士団に対して

どうだったの?」

私の笑みにユウヅキはぶるんと

小さく震わせた


「魔皇軍は瞬く間に蹂躙していった

特に"時の技法"を扱う星一族じゃ

ユグドラシル騎士団を殺して

食ろうて.....最早虐殺じゃ....」

カタカタとユウヅキは震えていた


「........」

私は無表情でユウヅキを見つめていた


「アオナ、同じ様な力を感じるが

一体、そなたは.....」

ユウヅキの表情は重い


「星一族は私の協力者、

大丈夫よ、ユウヅキ

私は巨鬼を敵に回したくないの

こうして話して関わるってとても

とても大事な事よ」

私は頰を伝うユウヅキの涙を

美しいと思いながら微笑みかけた

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