第44階 九尾の巨鬼"ユウヅキ"
「あんたぁ!と馬鹿息子!よさんか
巨鬼の名に恥じる様な真似せんといて!
私があんたらの為に差し出すけん
最期にあんた達が"家族"でホンマに
良かった....」
ウシトラさんのお母さんは
涙を一雫零した
「........」
溢れ出しそうな巨鬼1億柱と九尾の殺気
「うふふ、何を
勘違いされているのかしら?
次の2点に関しての脅しよ!
いついかなる時でも
私は首を落とせますよという」
私は首元から剣を下ろした
「悪ふざけはよさんか!」
九尾は巨鬼を護る者として
心底お怒りだった
「私が巨鬼を滅ぼすのは2点
893とフォアローゼズに手を出すな
893は親子纏めて皆殺しにする、
フォアローゼズは私の娘達だからね」
「首はいらんのか...?」
ウシトラさんのお父さんは
途方にくれている
「全て無傷で勝つのが大勝利
それに巨鬼族に
私の強さを示すだけの
力は無いわ」
恐れ入りますと後方に退く
ウシトラさんのお父さん
私は魔皇のローブを身に纏った
バサっと布が揺れる音を棚引かせて
「魔皇!?」
巨鬼達は腰が抜けていた
魔皇軍は私の父が阻まなければ
一度たりとも負ける事は無かった
「協力関係構築の件
ウシトラさん?任せたよ?」
私はウシトラさんにウインクしてみた
「へい!!!」
ウシトラの何とも調子の良い声が
耳を優しく撫でた
「帰る前にちと話しをせんか?」
私はコクっと頷いて
私はマユナを他のフォアローゼズ達の
元に送った
「...ほぉ?アオナを"人"と呼んだか」
私は九尾の巨鬼に連れられて
彼女の社にお邪魔させて頂いていた
「厳密には
エンシェントルーラエルフ
というエルフの一種です」
私は悪戯な笑みを浮かべていた
社は巨鬼達が住む里から離れていた
神話のユグドラシルの様な神樹が
幾万幾億にもそびえる大森林の
奥深くにあった
入り口は九尾にしか開けられない
仕組みになってはいたけども
私には正直開けられると思う
「あの小童!人類語の成績軒並み
悪いからのぉ」
話題の中心はウシトラさんだった
叱ろうとぶつぶつ言っている
九尾さんは何処か楽しげだった
「あら、そうなの!まぁ
そうでしょうね!」
でも、私は人と呼ばれたのは
嬉しい間違いだったけれど
そして九尾さんの醸し出す
空気が不意に変わった
「して、そちは転生者というのを
ご存じか?」
私はコクっと頷いた
「わしは転生させる事が
可能な場所に座している」
確かに間違いない
神にとっての神である巨人
その巨人の上位種である巨鬼
その神である九尾の巨鬼
「そうね、間違いないわ」
九尾はニカッと笑みを浮かべた
「話が深くなる前にわしの名前を
教えてしんぜよう"ユウヅキ"じゃ」
久しい力の大きさね
名に込められた理や力の大きさを
私は感じていた
「素敵な響きね」
私はただただ笑みを浮かべて微笑んだ
「名はあらゆる呪術や魔術の
影響を受ける、故に大事なのじゃ
わしの大切な宝物じゃ」
ユウヅキは無邪気に微笑んでいた
まるで私は母の様にコクっコクっと
頷いてただただ聞いてあげていた
「わしは人間を転生させた事がある
近年では何とも種を残せぬ人の魂の
多い事か、まぁ人が増え過ぎて
星に比重がかかるというのが
理由になるのだが...」
死後の世界という理念を元に
魔法を使い精神体を死に導く
安楽死の魔法でもある
転生はすなわち精神と肉体の
切り離しに使われる
主に家族の苦しい死に様に
直面した者達が集まって
世界規模で行使した
超高位魔法でもある
その当時は阻止されたけども
後の時代にある者が完成させて
今に至る
よって転生させるさせないは
超高位魔法を行使させる力量を持つ
者達ならば可能でもある
けれどもその魔法を知るという事は
人類の生きる知恵の1つである
死後の世界、生まれ変わり、輪廻転生、
前世に天国と地獄、更には極楽浄土、
三途の河にグレート・スピリットと
いった思想の全てが本来存在せず
夢想の机上論だったと
認めざる得ないという意味を含む、
ただ転生者達には
そういった理論が
凝縮された死後の世界という
幻想に浸れるのだけども
「まぁ、そうでしょうね
星に比重がかかるからというのが
最もたる理由には間違い無いわね」
星に〜というのは自然を守ろうという
概念を元に表立って
言われている事に過ぎないけども
「でも本当にそうじゃろうか?
転生は何の為に行われる?
何故一瞬の煌めきの様に
あの様な強大な力を持つ?」
転生者が強大な力を持つのは
明確だった
だからこそ奇抜な術を使う存在として
警戒は必要だった
「全て人の知恵よ
一定の過多がかかった時に
転生魔法の対象者足りうる
人種にとって後世を残せない事は
それだけ大きな負担と苦行を
強いられる事になるのよ」
魔皇ミラース・ラーバ・ラーサと
なった、半転生者の宗茂 斗羅も
そうだった
精神に過多がかかり過ぎて
精神が死んだ
まるで肉体の死に不安になる様に
元来は肉体の死に大きな無念が
転生者としての条件を満たす
「ふむ...」
ユウヅキは口を噤めていた




