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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
東の大国編
34/262

第33階 東へ

東の大国893は暴力が支配する

闇の世界と恐れられている

元々この東の場所に国は無く

要所要所に利便性が高い街に

小さな村が点在していただけの

自然と人が共存する情緒溢れる場所であり

精霊が生きているや天女が住まうなど

多くの神秘的な噂が飛び交った


樹海と称され外界からの立ち入りを

ひっそりと拒んだ

しかし悲劇が起こった

広大な土地と安住の土地を求め

異界から侵略者が現れたのだった

木々を焼き原住民を殺し奴隷にし

東の大国と呼ばれる程に発展していった

神々の地と戦争を起こすも

両者一歩も譲らず痛み分けとなって

停戦が続いた

そして私が神々を滅ぼした

今893を支配しているのは

魔界さえ追われ居場所を

失った者達だった


「........」

私の横でマテハが唇を噛み締めていた

血が出るんじゃ無いかってぐらいに


廃村に死体は一切ないし

血も滲んではいない

でも悲愴がこびりついている

助けて欲しいと

この村が幽霊が出ると噂されても

私は否定出来ない

それ程に色濃くこびりついている

想いが


だからこそ禁忌を犯して

生きながらえている

何かの足跡があった


「ねぇ、マテハ..?

分かるでしょう?

異質な力がこの地を離れた事

きっと何かが起こっている

大きな街に行って調べて来て欲しい

あと...一つだけ

出来る限り殺さないでね

それだけ....」


マテハはただ黙って

コクっと頷いてこの地を離れた


私は実に中途半端な存在が

この村を使い生み出されたと感じていた

この中途半端さ加減が焦りと

必死さを表現しているといっても

過言ではなかった

それでも頑張った方だと私は思った


突如次元が揺らいだ...

お出ましか


「この地に踏み入る意味が分かっておるのか?」

冷やかな鋭利な無機質が

私の左肩に乗っかる

首元に刀を突きつけられている


「えぇその言葉そっくり返すわ

私に目を付けられる意味をご存知かしら?」

私は睨みつけた


「ほぉ?大層な小娘だ!

国家を相手にその態度!!!

気に入った!俺の女になれ!」


............


「そうね、でも私は刺激的な美形よりも

優しく温かい善良な人が好きなの!」

私の首を斬り裂こうとした

刀は空を切った

私に届く筈もなかった


ズシャッ!


「ぬ....?」

神剣ハリハラは敵の手首を

切り裂き切断していた

ドロドロと血が滴り落ち

黒く古風な甲冑の一部が

赤く塗られていった


「逃すつもりはない...魔神!」


男はニヤッと笑った

「この魔神ブナガを前に

一歩も引かぬとは天晴れだ!」


「フフフ.....」

どちゅ...と腕が落ちる

完全に片腕が使えない

手首の無い腕がビクンビクンと

地面の上で波打っていた


「音の速さの間に虚を突くのは

容易な事だよ?転生者?

それとも私相手に"死角は無い"が

存在すると....?」

私はアオナ・エカルラートでも

ハツミリア・ルイデでも無い

未来人ハツミリアだ

そして...


「その禍々しさと悍ましい迄の

優しさ....若き半転生者

魔皇ミラース・ラーバ・ラーサか!?」

腕からドボドボと血が流れ落ちているのに

最低限の処置で何食わぬ顔をしている


私は魔皇の"衣"を纏っていた

「厳密には魔皇の力を受け継いだ者」

神剣程度で滅ぼす事が面倒だと踏んだ私は

私の武具を取り出した"マホウノランプ"


そしてそれを細分化し

神剣ハリハラに纏わせた


「愉快じゃのぉ!

メイユールの力か!!」

魔神は笑っていた

そして一瞬で帯びただしいまでの

殺意が向けられた


「行くよ」

私は滅ぼす為に飛び出した

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