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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
王路院編

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291/298

第290階 三度目の命の雫の目覚めの日 エクレール

「ミモモが冷静さを欠くなんて、ほぼ見たことないわ。

ミモモさんからいただいたラ・メール・エモシ(まほうすい)オンは

自宅で一人の時に試しなさいな。愛の力を魔法に転換するものですわ」

 あら、太陽人としての身体が馴染んでいるのか。世世の解消度が上がって、

液体魔術がラ・メール・エモシオンと捉えられるわね。

それに愛の力を魔力に転換って誘惑系かしら。

「愛の力を魔法ねぇ」

 色は思ったより普通だけど、桃色に紫色ってどちらかというと毒を連想させるわね。

「ミモモを筆頭に得意な子は得意らしいわ、まぁ恥ずかしいはなし、わたくしもですわ。

なんだか異性を惹きつけるというか、モテるですかね? そういう力が強いほど強力らしいわ」

 クラとかアマランサス先輩も強そうだわ。

誰もが振り向く美少女に美女だし、オーニソ先輩もミモモさんも確かに異性が放っておかないわね。

 私が異性を惹きつける、ねぇ。

「試すだけ、試してみますわ」

 そういえばその辺、世世(わたしのまほう)はどんな風に扱っていたのかしら。

ーーあおな いろけ

 色欲は基本的には世世に転じて使用しています、欲情に振り回され支配されないように。

特定の恋人と深い関係性を築いた時に転じる力が薄くなります。

 その時は恋愛を楽しみましょう!


 うぅ、何が楽しみましょう!よ。

なんだかとーってもムカつくわ。

「ラナンちゃんは魅力的だから、とんでもない魅了の魔法になっちゃうかも」

 先輩? 顔が近いですって!

「そっち方面の才能はありません、もっと距離を保ってください」

 はい、はーい。そんな風に適当な返事でかわされる。

一歩距離は保たれたけど。

「少し先に見えるあの一際大きな用がありましてよ。

エクレールと名を冠されておりまして、魔法戦闘専任施設と位置付けられてますわ」

 私達はプロムナード・デ・ブリーズで移動していた。

端的にいえば小さなエトワール・フィラントと称されている移動を便利にする。

三角に四角、半円の半分の形に人の歩幅の1.5倍から2倍の大きさに分けられた地面。

 魔法陣のような模様の分けられた地面の上に乗ると、あの場所に行きたいなどの

思考を読み取って、知っているor見える別の地面の上に乗っているという仕組み。

 誰もが使用できる範囲の決められた空間転移。

オーニソ先輩はプロムナード・デ・ブリーズの扱いが

めちゃくちゃ上手で、私の4倍の速さで移動しながら遊んでいる。

ひんやりした甘い口の中で綻んでとろける美味しい何かを持たされていた、私の分だと言われて。

 あげるよ!なんてオーニソ先輩は口にして購入してくれていたわ。

とーっても美味しいのがなんとも。

他にもオーニソ先輩は、購入してウールヴィードに入れていた。

 ウールヴィードはファンタジー小説系の時空系収集袋(アイテムボックス)

かわいく思えるぐらい、外から見えない透明な袋かつ小さくて色んなものが入るみたいで。

 時間と空間を主とするファンタジー小説系の時空系収集袋(アイテムボックス)

魔法を主成分として使用していることで、外部から魔法を受けて壊れたり

誤作動することがあったらしく、魔法として認識されない魔法を弾くかつ

時間と空間の魔法を定着させる必要があったみたい。

 魔法を吸収した層と魔法を弾く層を何層にも重ね合わせることで

内部には時空魔法を外部には弾く効力を持たせられている。

 これでどこにでも売っていて、ポルテシヤー(いふく)ジュに

簡単に貼り付けられて重さもないんだから、ファンタジー泣かせよねなんて思いながら。

私のウールヴィードにはオーニソ先輩から分けていただいた

たくさんのお菓子の様な小さな食べ物がたくさん入っている。

「ラナンちゃん!こっちだよ!」

 このまま真っ直ぐプロムナード・デ・ブリーズを移動すれば、オーニソ先輩の目的地へと。

「かなり大きな施設ね」

 あら、驚いた? なんてオーニソ先輩は柔らかな笑みで迎えてくれる。



 エクレールに入って最初に思ったのは、外から見るよりも中は何十倍も広いということ。

「誰もいないわね」

 無人の施設なのかしら。

「この時間帯だからですわ、私がお客様を連れて訪れることは。あら、いらしたのですわね」

 音を殺す足捌きで右、左と歩が刻まれていく。足首まで伸びる

ほんのり光沢をまぶされた黒地のスカートは次の歩みの先を、

私達の視線から死角へと落としていた。

 人形を思わせる瞳がとても目立つ容姿に天使の心よりも白い肌、

薄く桃が伸びる口元は絶対的な自然な容姿への自信の現れ。

何一つ妬かないけど。

 「オーニソガラム......と。こちらがお客様でしたか、なんともまぁ」

 私をほのかに映し出す瞳はシノープルの色の様にに妖しく輝いて、

周囲の状況を一瞬で掴み取るように視線が流れていった。

彼女の闇よりも深く黒い長髪は、定められた運命のように規律良く流れていく。

 瞬間、右手には宝刀の類が握られていた。

水属性特化系最硬金属ミスリル銀と混ぜ合わされた魔合金アダマンタイトを加工したもの、

そう世世(わたしのまほう)が思考に染み込むように説明する。

「以前のエクレールを破壊したり、オーニソガラムも大概だけど......

ラナンキュラスも敬愛する御姉様を悔しがらせたりと大概だよ」

 冷たく響く声音が無人の施設の光の当たらない暗い部分を際立たせる。

と同時に宝刀の白と水色と透明を均一に混ぜ合わせたように

きらめく刃が私の首を妖しく映し出していた。

 「オーニソ先輩がこの施設を破壊したお話しはミモモさんにでも聞くとして、

御姉様って誰よ? まさかフルールのことかしら」

 目の前の彼女は目を細めて私の心臓に当たる胸の部分を一点に見定めていた。

まるで私を殺そうとする暗殺者のように。

 「オーニソガラム? こいつ......生意気過ぎないかしら」

 目の前の彼女はオーニソガラム先輩を明らかに知っている、

昔から知っていると言わんばかりの笑みを先輩に向けて。

 見たことはあるけど、ちょっと記憶にないわね。

目の前の彼女のこと。

 「あら、スノーフレーク先輩? そういうところも可愛いじゃありませんか。

私達の『黎宙』で今一番可愛い立ち位置におられますのよ、ラナンちゃんは」

 なぜかオーニソ先輩に頭を撫でられて、髪をくしゃくしゃにされる。

オーニソ先輩の手が離れたら世世(わたしのまほう)で髪を整えるかな。

 「私は『元黎宙』よ。ちょっと間違いないでくれないかしら......オーニソも大分生意気」

 スノーフレークと呼ばれた彼女は宝刀を握りしめて構えに移行した。

威圧が吹き抜けるほどの完成度。

あ、たぶんというかおそらく【魔女五傑(マレヴォレント)】だわ。



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