第82話 ダークっていうより重いんですけど。養殖場って何なのさ!?
「ハルは、エリーゼ様やハティが何と戦っているか知ってるだニ?」
「え、いや、全然。王家の将軍だったから追われているって思っていた」
「あながち間違いじゃないニ。アイツらにとって五将は天敵だからニ」
ちなみに、五将というのは、旧王家でも最も知勇に優れた将軍を指す。
エリーゼさん、ハティさん、ガレットさん、アンジェさん、ティアさまの五人。
マルチな最強がエリーゼさん。
武力特化でハティさんとガレットさん。
知力内政特化でティアさま。
魔力別格のアンジェさん。
っていうのが巷の評価だ。
まあ、実際はスペックが高すぎるチート集団だけれどさ。
帝国を陥落させて王家の時代をつくった五人を、人々はこう呼ぶ。
「王家の将軍は鎧の部位で呼ばれる。それは、国という体を守る役目を負うからだニ」
目配せをして行先を示す。
僕は従って路地を進んだ。
「じゃあ、その国という体は何に脅かされていると思うだニ?」
「外敵がいるってこと?帝国?でも、帝国は滅んだよね」
「それだけだったら、こうも執拗にマクスウェルのふたりは追われないだニよ」
曲がり角を曲がる。
「戦を起こしたいヤツがいるだニ。そして、それこそがソイツの一番の目的だニ。さらに言うと、ソイツが事件の黒幕だニよ」
クロエが耳を動かして周囲を探っている。
「ソイツのご飯が私たちだニ。ここは養殖場だニよ。だから、出荷時期の家畜はいなくなるニ」
「うそ、だろ」
僕は立ち止まってしまった。
「嘘をついて何の意味があるニ?」
当たり前のことのように首をかしげるクロエ。
追っ手を警戒してか、すぐに僕を促してトコトコ歩く。
「エリーゼ様たちは強いだニ。特にそういった奴らをやっつける力を持っているだニ。だからアイツらは周りの人間を感化させて、味方にして数をかさに着て追い出したニ」
クロエが笑う。
「バカだニねぇ、自分は大丈夫って、正しいって思っているヤツにかぎって、本当は自分を守ってくれる人を追い出すんだニから」
「クロエは、なんで手伝ってくれるの?」
「私はエリーゼ様に酷いことをしたニ。本当なら死罪だニ。けれど、エリーゼ様は許してくれたニ。それからもずうっと、優しくて、いいご主人様だニ」
「それに……」と頬を染めて言う。
「犬っころは、オスとして優秀だニ。正直、メス的にはヤバいだニ」
ちょっと内股になってもじもじする。
「内緒だニよ」って言うの、エッチすぎるでしょ!
「八人も子供を育てただニよ。ちゃんと餌もくれていただニ。しかも強いオスで、ずっと若いだニ」
え……なに、その基準…生々しい。
「私を捕らえた時の腹パンの恨みは消えないだニが、差し引いてでも見た目……好みだニよぉ、撫でるのとかめちゃくちゃ上手だニ。『ごめん』言うてちょっと下からってのが良いニィ~」
というか、アンジェさんといい、リムといい、ロリキャラに好かれすぎなんだよ、あの人。
ああ、僕、ハティさんが憎いなぁ……
ジャガイモ仲間の皆さんへ
学生さん、社会人の皆さん、日々お疲れ様です。
鬱々と過ごされている方も、このお話を読んで少しでも気を紛らわせていただけると幸いです。




