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第66話 ドキドキお買い物と残酷な真実!?本物はコレットだけ?


僕とクロエは市場に来た。

コリガンくんは引きこ……じゃなくて、自宅警備中。


さっきの「鼻ペロ」が気になってクロエの顔をまともに見られない。

こんな可愛い子に……ん?


待て。冷静になれ、ハル・ロッシェ。

クロエは確かフィンより年上だったはず。

ということは、だ。


僕 < リムアン < フィンレー < クロエ


待って、まてまてまて、おかしいぞマクスウェル関係者!


ただでさえいろいろオカシイ人たちなのに。

ロリキャラ全員が僕より年上の成人女性だと!?

もしくは誰かがコンプラ意識しすぎたのか?


唯一、「本物」はコレットだけじゃないか!


というか年齢詐称してないか?

見た目の若さと違いすぎるよ。

そうなるとハティさんやエリーゼさんは何歳なんだ!?


「なにしているニ」

頭を掻きむしる僕を見てクロエが言う。

「あの、クロエはフィンより年上なんだよね」

「女性の歳を聞くのは野暮ってものだニ」

「あ、はい。そうですよね……あはははは」


誤魔化す僕に首をかしげるクロエ。

「まあ、いいだニ。私はバナナ買ってくるニ」

そう言ってトコトコ歩いて行く。

うん、しっぽユラユラして歩いて行く後ろ姿。

下手すれば○学生。



「おまえ、あのキモイのといっしょにいた奴だよな」

声をかけられる。

「誰?」

「議事堂の衛兵だ。憶えてないのか」

「ああ」

そういえばこんな顔だったっけ。

僕よりも背が高くて強そう。


「なんだ、偉そうな態度だな」

「そう?そんなつもりはないけれど」

衛兵と名乗る男は舌打ちして続けた。


「おまえ、アイツと関わらない方がいいぜ」

「なんでさ」

「『みんなに嫌われてるヤツ』の養子だってんだからさ。『騎士の恥』とも関係あるわけだしな」

僕はコイツをぶん殴ってやりたかった。

けれど、我慢しなきゃ…ここで暴れて、作戦がだいなしになるのは避けたい。


「親切に言ってやってるんだ」

「そう、ありがとう。僕はもう行くね」

関わりたくない。とんでもなく不愉快だ。

お前が「みんなに嫌われている」っていう人は、お前みたいに軽々しく「キモイ」なんて言うことはない。

それに比べてお前たちはどうなんだって話だ。


僕はこの勘違い野郎から離れようとする。

「チッ、人がせっかく親切に忠告してやってるのによ。きめぇな」

ブツブツを文句を垂れる。

うるさい奴だな。ポルコを思い出すよ。


「何をやってるんだ?」

離れようとする僕の前に人が現れる。

ふたりか……


「おう、俺がさ、せっかく親切に教えてやってるのに態度悪いんだよ、コイツ」


勝手に絡んで来たくせに。

さっきまではこっちの出方をうかがっていたのに。

図体がデカくても、ひとりじゃ怖いんだ。

急に仲間が増えたら威勢がいいな。

やっぱりポルコと同じタイプだ。

ひとりじゃ何もできないくせに、人数をかさにきて威張り散らすんだ。


「へぇ、怪しいな。あの『嫌われ者』の仲間なんじゃないか」

「だよな。『みんなに嫌われて』国にいられなくなったヤツ」

お前ら、いい加減にしろよっ!


挑発だってわかってる。

きっと手を出させて公務執行妨害か何かで捕まえるか、袋叩きにする口実を得ようとしてるんだろう。

でも、このニヤついた顔を見ていると……

ハティさんの、エリーゼさんの顔を思い出して我慢できそうにない。


「おまえ、何やってるニ?」

クロエだ。

「私の連れだニ。迷惑かけたニよ、行くだニ」

「なんだ、獣人が話しかけるな。動物クセェ」

クロエが耳をピコピコ動かしてから静かに言う。


「そうかニ。じゃあ、すぐにいなくなるニ」


「待て」

「なんだニ」

「よく見れば可愛い顔してるじゃねぇか」

「よく言われるニ。ありがとうだニ」

「こんなガキよか俺らと飲みにいかないか」

「いいニ」

拒むけれど、クロエが路地裏に引き込まれそうになる。


僕は止めようとして手を伸ばしたとき、クロエが「やめておけ」という合図を送った。


彼女の目が濡れたように光っている。



しばらくして、クロエだけが戻ってきた。

「アイツらは?」

「今はゴミ箱のなかニ」

ああ……


「ゴミはちゃんとゴミ箱に捨てないと臭いがしてダメだニ」


「正直、さっきから臭かったニよお、おえ~だニ」

わざとらしく鼻をつまんで舌を出す。

やっぱりこの人もマクスウェル姉弟に感化された人なんだな。


「あ、ハルたちは臭くないだニ。今のはアイツらのことだニ」

そして、さりげない気づかい。


「でも、衛兵が行方をくらましたら問題になるんじゃないの?」

「ならないニ」

僕たちは歩きながら話す。


「ハルは今この国がどうなっているか知らないニね」

クロエが僕を見上げる。

小柄で、僕よりも背が低い。

リムと同じくらいかな。

「特にこの街では、一人二人姿を消すのは当たり前だニ。騒ぐのは身近な者だけだニよ。その辺の下っ端兵士がいなくなっても政府は捜索すらしないニ」

トコトコと歩きながら世間話でもするように話す。


フードを被った猫耳少女。

尻尾もゆらゆら動いているけれど、なんていうか、話が重すぎて、ギャップがすごい。


「ハルも、ちゃんと知っておくべきだニよ。本当のことを」


ジャガイモ仲間の、皆さんへ。


今日はどんな日ですか?

いつもと代わり映えのない?

それとも希望があった?

ちょっと嫌なことがあった?


何もなかったらラッキーデイ!

良い日ならそれを喜んで下さい。

嫌なことはクロエと一緒にゴミ箱へダンクシュート!


明日もお互いに頑張りましょうね!


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