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英雄賛歌 ~元英雄が二度目の世界を再攻略する~  作者: 如月
第一章 英雄、転生する
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007 続!初心者の洞窟

「上手く討伐できたみいだね。奥に進もうか。」

「そうだな。アリスちゃんは参加するか?」

「うん。次からは私も戦うよ。」


 よかった。流石に一人で戦うのは効率が悪いからな。すぐにMP切れになってしまう。

 それに戦闘回数と戦闘時間が増えれば、それだけ被弾回数も増える。そういう意味でもアリスちゃんが攻撃に参加するとしないのでは戦闘効率が違うのだ。

 とはいえ、ここの魔物なら大事になることはないだろう。なんと言っても、最弱の魔物筆頭スライムぐらいだからな。後は蝙蝠だけど……。


「きゃっ、ブラックバットによる不意打ちみたい。魔物に先行を取られると攻撃を受けてしまうので、用心しなきゃね。」

「あ、うん。その説明今する!?とりあえず、倒そうか。」


 不意打ちで攻撃を受けている最中にも説明を欠かさないガイドの鏡であるアリスちゃん。だが、説明中にも攻撃受けてるからな?先倒そうぜ。とりあえず、鑑定。


 CN―Lv4/100 Race:ブラックバットLv3/30 Rank:1

 HP 331/331 MP 383/383 SP 497/497

 STR 32 VIT 33

 INT 31 RES 37

 AGI 42 DEX 31


 スライムと大きくは変わらないか。少しすばしっこくなって、耐久性が無くなった感じだ。スライムよりも倒す時間はかからなさそうだけど、被弾が増えそうだろうか。

 どちらにしても、攻撃しないことには倒せないからな。攻撃するか。


「“ライトボール”。」

「ブラックバットは素早いから攻撃が当たりにくいよ。……でも、ちゃんと当ててるね。」

「あ、うん。なんかごめん。」


 どうやらガイドさんは己の職務を全うしようと思ったみたいだが、きちんと攻撃を当てたことで説明を放棄してしまったようだ。


「私も攻撃するね。私は闇属性の魔法が使えるよ。“ダークカッター”。」


 実はアリスちゃんが使える魔法は知っていたのだけど、流石に言わないでおく。

 しかし、ガイド役のアリスちゃんが攻撃を外すとはな。予定では俺が攻撃を外したところで説明をして、アリスちゃんが攻撃するつもりだったのでは……?

 調子が狂ってしまったのだろうか。


「……。こほん、このようにブラックバットは素早いから攻撃が当たりにくいよ。攻撃をするときは誰かに引き付けてもらい攻撃するといいよ。それに魔法による攻撃の方が当てやすいからおすすめだよ。」

「あっ、誤魔化した。」

「そんな事ないよ。イリアちゃんもしっかり攻撃してね。」

「はい。」


 アリスちゃんからジト目を頂きました。ありがとうございます。さて、そんなやり取りは置いておいて、ブラックバットをさっさと討伐してしまおう。




 その後、特に苦戦することもなくブラックバットを無事に討伐することに成功した。ブラックバットが魔力の粒子に還元されるのを見つめていると、その後にはなんとドロップアイテムが残っていた。

 蝙蝠の牙。売値は決して高くはなく、素材としても低級で品質の期待は出来ないだろうが、初めてのドロップアイテムである。やはり、この瞬間は嬉しいものだな。


「ドロップアイテムが落ちたんだね。ドロップアイテムは……。」

「あ、うん。その説明は知ってるからいいよ。」

「……。ドロップアイテムは魔物を倒した時に一定確率で出現するアイテムのことを言うんだよ。ドロップアイテムでしか入手できない素材もあるので、頑張って魔物を倒すのがいいと思うよ。」


 ゴリ押した。この子ゴリ押したぞ。何がそうこの子を駆り立てているのだろうか。ガイド役の宿命を負わされるなんて、なんて不憫な。いや、好きでやっているならいいんだけど。

 そもそもガイド役の宿命とは何だ?どういうことだろうか?


「うん。説明ありがとう。」

「イリアちゃんの役に立てたなら嬉しいよ。」


 まぁ、説明してくれるのは悪いことじゃない。でも、俺には前世の記憶あるからな。アリスちゃんの説明は大体知っているという。

 ま、いいか。結構、攻撃も受けてしまったし、鑑定をしておくか。


 CNイリア=ローズベルLv1/100 Rank:2

 Race:天使族Lv1/30 Job:村人Lv2/30

 HP 186/261 MP 104/284 SP 337/337

 STR 18 VIT 25

 INT 25 RES 38

 AGI 33 DEX 29


 うわ、攻撃は回数としては二回しか当たっていないのにこれか。職業のレベルが上がっているとはいえ、ブラックバットと戦うのはあまり得策じゃないな。

 経験値量も特に大きな違いはないだろうし、スライムを倒すことに専念した方が安全性は高いだろう。それとこのまま洞窟の奥まで進むのはやめた方がよさそうかな。大けがを負いかねない。

 英雄だなんだと言いながらも、被弾をゼロにするのは不可能に近いからな。とりあえず、武器と防具をしっかりと揃えてからもう一回来よう。


「今日はスライム狩りに専念しようか。出来るだけブラックバットと戦うのは避ける形でいこう。」

「うん。分かった。」


 こうして今日は日が暮れるまでスライム狩りに専念したのであった。




 今日の成果。

 スライムの討伐数、十八体。

 ブラックバットの討伐数、三体。

 ドロップアイテム。

 スライムの魔石(下級)、五個。

 ヒール草(下級)、一個。

 蝙蝠の牙(下級)、一個。

 総収入。

 アイテムの売却額、50*5=250+100=350。半々で175。

 支出は0。




 ……175の収入にしかならないとは。これで回復薬を使った日にはマイナスになりかねないな。一本50円が相場だから、4本の回復薬を使った場合はとなるけど。

 過去の英雄が情けないと思うなよ。この身体ではステータスが足りないのだ。だから仕方ない。ステータスが上がった暁にはこんな洞窟は制覇してやるとも。

 それよりも先立つものがないときついな。これなら薬草採集をしていたほうが金を稼げるではないか……。

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