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英雄賛歌 ~元英雄が二度目の世界を再攻略する~  作者: 如月
第二章 英雄、冒険する
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36/70

012 ダンジョン攻略3

 罠の解除の後も順調に攻略は進んでいく、途中で出会う魔物も一階と強さは変わらず、ヴァンが先行して見つけることもあり、安全に先制を取りつつ討伐をすることができている。

 今では十六体の魔物の討伐が完了しており、マナメタル(中級)が四個、魔石(中級)が二個と大漁の戦果となっていた。これだけで7300の利益の獲得が出来ていることになる。一人当たり3650となる。三人割りだと2433となる。


「ついに四階か。」

「うん。ようやくだね。」

「この調子で行けば問題ないさ。僕もこの階層は通ったことがあるからね。」

「頼もしいな。とはいえ、そろそろ時間はどんな感じなんだ?」


 三階も危うげなく攻略できているのはいいことであるが、それとは別に時間的な制約もある。この調子のまま四回の攻略に進むのもいいが、これ以上進むほうが危険な場合は潔く退散した方がよい。

 時間が過ぎて街に入れないという事態も考えると、その回避としても余裕を持たせておきたい気はしている。


「時間は後一階層ならいけるくらいだよ。ただ、全部は回り切れるかはどうか。」

「そうか。」

「一度だけ魔物と戦って引き返すのはどうかな?」

「それいいね。アリスちゃんの言う通りにしよう。」


 今帰るのは早すぎるが、あまり攻略に時間がかかるようなら遅れるかもしれない。そんな微妙な時間だったが、アリスちゃんのナイスアイデアで有効活用できそうだ。

 今後のためにもこの階層の魔物に通用するかを知るのは必要なことであるから、それを考えると逆に微妙な時間であるのが幸いしたともいえるだろうか。




 というわけで、魔物を求めて四階を放浪し始める。ヴァンの言う通り、階層が一段上がるほど罠の数、凶悪性が増加しており、その解除の時間も徐々にだが伸びて行っている。


「魔物の反応だよ。すぐそこ。」

「分かった。では、いつも通りに。」


 CN―Lv21/100 Race:ダンジョンメイルLv12/50 Rank:3

 HP 3427/3427 MP 1797/1797 SP 1712/1712

 STR 69 VIT 205

 INT 74 RES 183

 AGI 97 DEX 156


「“ライトアロー”。」


 CN―Lv21/100 Race:ダンジョンメイルLv12/50 Rank:3

 HP 3286/3427 MP 1797/1797 SP 1712/1712

 STR 69 VIT 205

 INT 74 RES 183

 AGI 97 DEX 156


 硬すぎる!!140ダメージ?28~32発程度の攻撃が必要なのか。急激に能力値が上がったな。と言っても防御面が+50程度。それよりもHPの増加量が痛い。

 ダメージも減るし、耐久性も高くなるためより時間がかかるという。三階までで戦うのが今は一番いいだろう。ただ、相手の攻撃力は高くないため、こちらが負けることが考えにくいのはいいことだろう。


「くっ、流石に硬いな。何かしら手段を考えないときついぞ。」

「“ダークアロー”。」

「“ぷるぷる”。」


 親の顔より見た同じ展開。相手は鈍足で遠距離からほぼ一方的に攻撃できるし、こちらもダメージが当たらないため大きな問題にはならない。が、何と言っても時間がかかる。

 正直、勘弁してほしいな。このダンジョンで戦うよりも他のダンジョンで戦う方がいいのではないだろうか。




 結局相当数の時間を使い魔物を倒すことには成功するが、時間の経過と徒労感が遅い戦闘内容に対して妙に疲れた気分だ。


「次来るときは絶対に対策をしてこよう。」

「うん。時間かかり過ぎだね。三階までが精々だね。」

「ああ。明らかに火力が足りていないしな。十階層に行けるのはいつになるだろうな。」


 秘密の部屋は気になるところだけれど、現状では確実に無理であるので当面の目標としては武器の新調、新規魔法の獲得、金策だな。特に金策が出来れば大体のことは解決するから、今できることの中で一番稼げることをしないと。

 今日も中々稼げた方ではあるが、それでも、なぁ。まぁ、ぼやいても仕方ないけれど。


「では、帰還しようか。」

「うん。そうだね。」




 ダンジョンから出た頃には外は夕焼けに包まれ、来た当初の活気はだいぶ落ち着きを取り戻していた。一部買取所などはまだ開いているが、ほとんどの店は畳まれていた。


「今日はありがとう。」

「僕の方こそお礼を言わないといけないよ。ありがとう。」

「次はいつ潜る予定なんだ?」

「基本的にいつでも大丈夫さ。そちらに合わせるけど、僕はどうだい?」


 僕はどうだい?だなんて不安そうな表情を浮かべている。出会った当初は無駄に自信家にも思えたものだけれど、これを見ると年相応で、ただ取り繕っていたのだろうことが伺い知れる。

 少しばかりいたずら心が表に出そうになるが、ここでふざけるのは大人のやることではないだろう。


「臨時パーティーを組みたいな。今日は本当に助かったからな。」

「~~~っ、よかったよ。安心した。実は緊張してたのさ。」

「ははは、帰り道口数少なかったからな。」

「バレてたかな。恥ずかしいよ。」


 ヴァンは本当に緊張していたようで、膝に手を置き思いっきりため息を吐いている。そして、清々しい顔を浮かべており、帰り道を歩いていた時とは対照的である。

 本人は平然を取り繕っているつもりだったようだが、明らかに口数が減り、表情も浮かないものだから、見ていて面白かった。


「「……。」」

「気分屋で神出鬼没な人はいつ会えるんだ?」

「そちらもいつでも大丈夫さ。」


 問題の人物とはすぐに会えるようだ。気分屋で神出鬼没と言いながらも、何故かすぐに会えるという不思議さには目を瞑っておくが、今度来るときの楽しみが一つできた。

 秘密の部屋についての真相も知れるかもしれないと思うと、夜も眠れないかもしれない。


「じゃあ、次回だな。三日後ここに来る。」

「分かった。待っているよ。」

「じゃあ、今日はありがとな。」

「こちらこそ。また。」




 今日の成果

 収入

  魔物討伐300*22=6600

  魔石売却250*3=750

  総額6600+750=7350/2=“3675”

 支出

  通行料“100”

 利益・損益

  3675-100=“3575”

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