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英雄賛歌 ~前世の力で今世は楽しみます~  作者: 如月
第一章 英雄、転生する
17/26

017 経験値がっぽがっぽ計画 Part2

 初心者の洞窟でのボス戦後からいくらか経って、今日はアリスちゃんが用事があるとかなんとか。どうやらどこかに定期的に婆さんと出かけているようだけれど、どこに行っているかは知らない。

 それはそれとして、前回アリスちゃんにしてやられたあの計画を始動しようと思う。


「経験値がっぽがっぽ計画Part2、始動!!」


 ……虚しい。一人話す声が洞窟の中に響いて、そして返ってくる。いつもならアリスちゃんのツッコミがあるのに。

 でも、アリスちゃんがいると計画が進まないというか、乗っ取られるからな。


「さて、一匹スライムを捕まえました。」


 そのスライムのステータスはこちら。


 CN―Lv8/100 Race:スライムLv7/30 Rank:1

 HP 755/755 MP 693/693 SP 574/574

 STR 35 VIT 53

 INT 50 RES 34

 AGI 49 DEX 53


 今回は何と、中層からのスタートだ。前回は浅層からのスタートでスライムの初期レベルも低かったからなぁ。その分多くの経験値を与えないと成長しないのだから、出費がね。

 出費を抑えるのと効率面を考えて、中層のスライムを対象にポーションをかけて行こうと思う。ただ、中層で作業をして敵に囲まれるのも嫌だから、浅層での作業とする。




「よ~しよしよし。スライムちゃ~ん。ごはんですよ~。」


 ぐへへへ。ちゃんと肥えたら俺が有効活用してやるからねぇ。た~んとお食べ。くくくくく。今日は前回と同じ量の20本を用意してきたからな。前よりもレベル上がってくれるだろう。


 CNーLv11/100 Race:スライムLv10/30 Rank:1

 HP 755/932 MP 868/868 SP 574/725

 STR 40 VIT 60

 INT 57 RES 38

 AGI 57 DEX 60


「くくく。くはははは!!よっしゃ、レベルアップしてるぜ。」


 ――――――ザッザッザッ。後方から足音が近づいてくる。足音の軽さから言って体重が軽い生物なのだろう。規則正しいリズム、音色を聞くに重心・軸もしっかりとしているようで、ただ者ではない気がする。


「ん?」

「……イリアちゃん?」


 こ、この声は!!まさか、ど、どうしてここに?当分帰ってこないはずだったのでは?う、嘘だよな……?今回も2000お金を使っているんだぞ?

 振り返るとそこには予想通りアリスちゃんの姿が。でも、その表情は仏のように穏やかそのもので、怒っているようには見えない。


「お、おかえり。どうかした?」

「その子はどうしたの?」

「え?あ、ああ。ははは、一人でもレベル上げ出来るかと思ってさ。危険がないように浅層で戦っていたんだ。」


 これは実際に見られたわけではないのか?それにしても“その子”って。すっかりスライム好きになってしまったのか?いや、それにしてはダンジョン内では容赦なく戦っているようだけれど。

 ま、まぁ、見られていないなら不幸中の幸いだ。このまま誤魔化しきってしまおう。


「本当に?」

「……っ、もちろん!!」

「……へぇ。うそつくんだ。」


 怖っ!!え、え、え?怖いんですけど。どうしてそんなに穏やかに笑っているのですか?それなのに目の奥は底知れない冷気を宿しているし。浮気したことないんだけど、問い詰められる気持ちって言うのはこういうことなのか?お、恐ろしい。

 怖いのは目の奥だけじゃないよ。声に何の抑揚がないのが一番怖いんだよね。へぇ。って。へぇ。って!!怖いわ。


「ぁ、見てたの?」

「うん。まただね。」

「あ、あはは。ははははは。」


 また、だなんてね。まだ二度目じゃないか。それに一回目はアリスちゃんも最初は特に問題視していなかったよね。心情的にダメだっていう風だから、見えないところでやろうと思っていたのに。

 バレなければセーフではなかったのか?あれ?なんか、浮気を繰り返すダメ男みたいな思考回路してね?いや、別に社会規範に反しているわけじゃないし。うん。


「その子、どうするつもりなのかな?」

「え?……えと、どうしよう?」

「可哀そうだよね。ね?」

「そ、そうですね。」


 逆らえませんよ。もう、俺はこのままアリスちゃんの判決を待つことしかできない。ここで逆らうと後が怖すぎる。静かに怒る人間がここまで怖いとは思いもしなかったよ。

 過去の仲間も怒る時は感情的だったからな。あ、いや。ハーミットとフィリアに関しては静かに怒るタイプだったか。どっちもあんまり怒っているところ見たことないけれど。

 って、そうじゃない。現実逃避している場合ではないよな。今はアリスちゃんの許しを得なければ。


「うん。スラちゃん。」

「……え?」


 うわっ!!二体のスライムが合体していく。二体の接着面が融解してお互いに溶けあう。どうやら主導権はスラちゃんが握っているようで、スラちゃんはスライムの身体を覆いつくして丸のみにしてしまう。

 というか、スラちゃんは連れて行っていたのか。それはいいけれど、なんか禍々しくなっていないかな?昨日見た時はそんなにどす黒い色していなかったよね。澄んでいた綺麗なスラちゃんは何処に行ったんだ。


「……え?」

「えへへ、これで一緒にいられるね。」

「……え?」


 ……え?


 今日の成果。

 収入。

  なし。

 支出。

  魔力回復薬、二十個。

  アイテムの補充額、100*20=2000。

 

 利益・損益

  0-2000=-2000。


 スライムが取り込まれているのを見て、一緒にいられるって?それをそんな明るい笑顔で言うなんて、恐ろしいんだけれど。いつからホラー展開に?

 ……え?


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