SIDE セイ・ランドレ
ランク戦のクエストは実は一人一人内容が違う。
だってそうだろう?
討伐クエストならまだしも、同じ依頼を出すやつなんかいないぜ?
まぁそう言う理由で全員違うクエストを受けている。
ただ、クエストの依頼には下に小さく、対人戦可 と書いてある。
しかも、評価に反映するとも。
それを見た瞬間、クエストのことが頭の中から吹っ飛ぶやつとそうじゃない奴がいる。
クエストをこなすより、人と戦って、評価を得た方が簡単だ、と考える奴も少なくないだろう。
実際にすでに戦っている奴もいる。
だがな、これはランク戦だぜ?そう甘いわけがないだろ。
評価ってな、プラスの評価だけだと思ってるバカどもが多すぎる。
クエストほっぽって戦いに行くバカにランクなんてやるわけねぇだろ。
あーあ、今年も初めてのランク戦でランクをもらえるやつは1割もいないな。
浅葱はどうだかと見始めた。
浅葱のクエストはなんだったか。
あー、あれか。〈夜から朝にしろ〉ってやつ。
1位ならではのクエストだねぇ。
森を覆っている膜を解除する魔法アイテムがある。
それを解除すればいいだけだ。
見つけられればの話だけどな。
ニヤニヤしながら見ていると、あいつはアーカイブのライトと、魔法のライトをそれぞれ葉っぱに当て始めた。
そして、でかい光の玉を宙に浮かべ始めた。
おいおい。なんだ。
あいつ光魔導士だったのか?
だが、その考えは、その光の球が膜によって霧散した後の事により、間違いだったと知る。
霧散した瞬間、あいつは『水創生魔法』と『友神魔法』を使いやがった。
「…!おいおい、マジかよ。」
友神魔導士なんて聞いてねぇぞ。
しかも装置を解除せずに膜を力技でぶっ壊しやがった。
イカれてやがる。だが、それだけじゃねぇ。
なんであいつ『水創生魔法』も使えんだよ。
魔法は主に、基本魔法とは別に、能力系と 装具系にの2種類に分かれる。
そして、魔法が発現するのは、大きく分けて2種類。誰かに教えてもらった場合と突然発現する場合だ。
友神魔法は圧倒的前者だが、水創生魔法は両方ともあり得る。
…どういうことだ?
同じ属性でもないのに別の魔法とか普通無理だぞ。
一つの魔法を極めるのに人生を費やす魔導士もいるなか、何年かかると思ってる。
要領がとんでもなくいい奴だったら、ありえないこともないけどな。
なんせ知り合いにいるからな。
ぶっ壊れ野郎が。
「あはははははははっ」
久しぶりだ。この感じ。
もう笑うしかねぇよ。
俺は目の前のモニターを見て思わず笑い声を上げる。
他の奴らも、モニターに釘付けだ。
その理由は言わずもがな、浅葱 凛月。
あいつの苗字が浅葱と聞いた瞬間から薄々感じてはいたが、やはりあいつらの妹だったか。
ソウレイの双神と呼ばれる浅葱 雪月と美月。
問題児だが、その実力は規格外もいいとこだ。
今年も面白くなりそうじゃないか。




