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魔法世界の問題児  作者: 蒼
学園編
11/30

いざ、魔法学院へ!


この世界には五つの魔法学校がある。

そのうちの一つが日本にある魔法学校、ソウレイ魔法学院。

世界に九つしかない大魔法学校のうちの一つなだけあって、通っている人達は様々。


そんな魔法学院に入学する日がとうとう来てしまった…。


ゼノの人間って寿命長いから成人年齢30歳なんだよね…。

だから魔法学校って公立中学と同じ扱いで入試的なやつないんだよね。

…何が言いたいかと言うと、

向こうに慣れていた私は中学生の中に大学生(になる予定だった)が放り込まれる感じでひっじょぉぉぉに居心地が悪い。ちなみに周りはみんな同い年18歳。

うん、そうだよね。学院入るの18歳からだもんね…。


しっかし、ちらほらと髪色大丈夫か?と聞きたくなる人が多数いるな…

いくらゼノといえども黒髪黒目が多い日本だぞ?

いや、人の事は言えないんだけどさ。私も。こっちの世界に戻ってきたら私も兄達も髪色元の色に戻ったから。

ちなみに銀髪ですよ、えぇ。



「ねぇねぇ」

周りをキョロキョロ、(主に髪色を見ていた)ら、隣の可愛らしい女の子に声をかけられた。


「…私?」

「えぇ!」

キラッキラの笑顔で頷かれる。

光が飛んでるよ。光が。眩しいです。


「えぇーと、何か?」

「知っている人がいないから、緊張してしまって!だから、友達作りもかねて話しかけてみようと思って!」

…知っている人がいないから緊張する、は分かる。

友達づくりも兼ねて話しかけよう、は、分からん。ごめん。人見知りなもので…

コミュ力お化けか。コミュ力お化けなんか、君は。


「…よかったら話相手になるよ?」

必殺猫被り。

初対面の人と話せるタイプの人見知りです。


そういうと、その子は目をキラキラさせた。

「本当に!?」

「う、うん。私で良ければ。」

「ありがとう!私、レリア・アランというの!よろしく!」

「浅葱凛月です。こちらこそよろしく。」

そのレリアという女の子は満面の笑みを浮かべた。

「よろしく!リツさん!そうだ!ここで何かあったのも縁だし、お友達にならない?」

この子すごいな。

いやもう純粋にすごい。

何がってコミュ力が。


「ぜひ」

友達ができるのに越したことはないし、知り合いがいないのは、こっちも同じだし。

多分、話しかけてくれなかったら、1ヶ月以上ぼっちでいた可能性ある。

レリア様々よ…本当に。


「ありがとう!呼び捨てにしても大丈夫?」

「あ、全然大丈夫。」

「よかった!私のこともぜひ、レリアと呼んで!」

コミュ力高くて、気遣いできるって最強じゃん。

グイグイ来る子は苦手だけど、レリアが違うのは、相手に対して気遣いができるからだろうな。

ちゃんと相手を見てる。

もし、本当にグイグイ来る子だったら、まず、問答無用で自分の自己紹介を始める。

で、勝手に呼び捨てする。

レリアみたくお伺い、というか理由というか、話さないよね。

初対面で呼び捨てにされるって、人それぞれあるだろうけれど、

私は初対面の相手にそこまで踏み込まれるのは、あまり好きじゃない。

だからレリアみたく聞いてくれる人はいい人だなーって思う。


「リツは今年入学する学生に王族がいる事知ってる?」

「え?」

オウゾク…?

いくらゼノとはいえ、魔法世界とはいえ、日本なんですけど、ここ…


「私、王族とか見るの初めてで!リツは?ある?」

「ないない。あるわけないじゃん。」

オスカでも見る機会なかなかないよ…?

「そうだよね〜。なんでもその人、ディアレンタって国の王子様らしいよ。」


ディアレンタ…?

何その国。

聞いた事ないんだけど。

ゼノの世界って大体オスカと同じよ…?

そんなことある…?


「ねぇ、ディアレンタって何…?」

「…何、とは…」

意味わからなすぎて、変な質問しちゃったよ。

レリアも目が点になってるよ。


「ごめんごめん。ディアレンタって聞いたことない国だから気になっちゃって。」

「ん〜、でも私もよく知らないんだよね。知っているのは、ディアレンタはゼノにしかない国だっていう事と、王族独自の魔法を使うってことぐらい。」

…ゼノにしかないんかい。

そりゃ聞いたことあるわけないわ。


「あ、あと外見は整ってるって噂あるよ。」

「…。」

「噂だから信憑性ゼロだよ。私も確かめたわけでもないし。でも、王族ってだけでそういう噂が流れるのはちょっと同情するかなぁ…。」

まぁ、ねぇ…。

ときには噂の方が真実よりも勝ることがあるしね。

王族は人の上に立つものだから、ちょっと違うかもしれないけど、アイドルみたいなものだよね。

噂は所詮人々が求める偶像だから。

偶像が偶像じゃないとわかった瞬間、それを受け入れてくれる人と受け入れてくれない人は一定数いる。

だからちゃんと演じるんだろうな。

人々が求める王族を。


それを考えると、大変そうだな、王族って。

その後もレリアと他愛もない話をしていると、壇上に誰かが上がった。

「皆さん、初めまして」

一気にざわめきがおさまる。


「ソウレイ魔法学院へようこそ。わしは学院長の桜禅 泉(おうぜん いずみ)。桜禅(おう)とこの学院では呼ばれている、が、皆好きに呼べばいい。」

壇上には白髪の老人が立っていた。

しかし、その老人の存在感は決して無視などできるものではなく、この場にいる全員が学院長である老人の言葉に耳を傾けていた。


「今年は、少々特別な学生が入学してくるようじゃ。いや、今年()というべきかの。一応、挨拶をしてもらおうか。」

壇上に上がってきたのは、おそらく、噂の王族だろう。


「あの人っぽいよね。噂の王族って。」

「ね。」

レリアも同じことを思ったらしく、ヒソヒソと耳打ちをしてきた。


「僭越ながら、皆さんに挨拶をさせていただく。ディアレンタ国の第二王子である、ナスタ・ディ・アクレイだ。よろしく頼む。」

あ、やっぱりそうだったんだ。

レリアと顔を見合わせる。

確かに、顔は整っているとは思う。

でも、正直私の兄達の方が美形だと思う。

身内びいきなしにしても、うん。


「さて、挨拶も済んだようだし、これにて堅苦しいのは終わりにしよう。」

桜禅翁はそういうと、手を一振りした。

すると目の前にはご馳走がずらりと並んだ。


「これから仲間になるものたちだ。同じ釜の飯を食べ、これから励むといい。新しい仲間に乾杯しよう。」



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