番外編 その後のとある日
久しぶりの番外編です。そういえばまだ謎を回収しきれてなかったなと思って書きました。終わり方は微妙な気がします。
「ねぇ、ゆか、そういえばさーずっと気になってることがあるんだけど。」
渡辺がそんなことを唐突に言ってきたのは、罰掃除をした日からしばらくたった休日だった。あの事件以来、北川、渡辺、寺沢、森、竹田、宮本の6人は休日のたびに北川の部屋で集まっていた。もちろんこの日もそうだった。
「ん?」
北川は読んでいた本を閉じ渡辺の方を見た。
「ゆかってさ、うちと出かけた日そのまま家に帰ったんだよね?」
渡部がその時を思い出しながら言った。
「うん?そうだけど?」
北川はだからどうしたの?という感じで返した。
「じゃあさ、うちが寮に戻って晩ご飯食べたあと、なんでゆかの寮の部屋に『寝てます。起こさないでね。』のかんばんが掛けてあったの?」
「え!?」
「そうなの!?」
かんばんのことは知らなかった森たちは驚いた。
「あー、そういえば確かにかんばん掛けてあったわ。文字までは読まなかったけど。」
しかし、北川の隣の部屋の寺沢は知っていたようだ。
「ああー、あれ?校長に頼んでやってもらったの。私が部屋にいないことあんまり早く気づかれると、こっちも気持ちを整理できないからって。最初はほんとに戻らないつもりだったし。ついでに荷物を実家に運ぶ手伝いもしてもらったの。これが、みさとのお出かけの前に校長に頼んだ『お願い』ってわけ。」
「そうだったの!」
「何もそこまで驚かなくても・・・」
渡辺に想像以上に驚かれ、北川は少し焦ってしまった。
「ごめん、つい・・・。」
「ゆかちゃんも随分手の込んだことするねー。」
寺沢が微妙に呆れた感じで言った。
「あの時は戻らないつもりだったから、徹底的に悪いやつになろうって思ってたからなー。」
「校長先生も校長先生でよく協力してくれたよね。」
竹田がつぶやくと森が答えた。
「でも、あの校長ならやりそうじゃない?」
「あー、確かにやりそうだね。」
宮本も同意した。
「俺の悪口が聞こえた気がしたが?」
「「「「「「うわっ!!」」」」」」
唐突に校長の声がし、その場の全員が驚いた。
「校長?」
「あーびっくりしたー。」
「はぁーー。」
「どうかしたんですか。」
「女子部屋を勝手に覗くのはどうかと思いますが?」
「なんでいるんですか?」
宮本、竹田、渡辺、北川、寺沢、森が口々に言った。
「覗こうとなんかしてねぇよ。扉が開いてんのがいけないんだろ。っていうか寺沢、森、お前ら俺に対する当たり、強くね?」
校長は2人の態度を不満に思った。校長はあの事件以来、この6人に対しては砕けた態度をとっている。
「それを言うなら校長もでしょ?」
「明らかに生徒と思ってない態度だよね。」
すかさず、寺沢と森に反撃されてしまった。
「確かに。それは私もそう思う。」
ついでに宮本にも釘を刺された。
「ゔっ、確かにそうだが…」
「それはおいといて、何か用があったんじゃないんですか?」
グチグチ言っている校長に北川は問いかけた。
「おいといてって…まぁいいか。今日は北川、お前に用があったんだ。」
校長は北川を指差した。
「私に?」
「なんですか!まだ、ゆかちゃんに因縁つけるつもりなんですか!」
「渡辺、落ち着け。違うから。純粋に話があるだけだ。北川、校長室まで来てくれるか?」
「今ですか?」
「ああ。」
「わかりました。」
校長はドアから離れ廊下に出た。北川は立ち上がり校長の後を追った。そして校長室に着くと校長は口を開いた。
「どうだ、調子は?」
「いいですけど…。」
唐突すぎて北川には理解できなかった。
「なら、よかったよ。」
「あの、本題に入ってくれませんか?」
「ああ、そうだったな。今度、学校説明会があるんだ。そこで☆4としてスピーチしてほしくてな。」
「スピーチですか?」
「ああ、適当に学校の良さとか雰囲気とか言ってくれればいいから。」
「わかりました。でも、私でいいんですか?」
「お前がいいんだよ。成績優秀だし、この学院の秘密をカミングアウトすることもないだろうしな。」
「わかりました。それだけですか?友達を待たせてますし、失礼しても?」
「ああ、いいぞ。」
北川は校長室を後にした。北川は寮の部屋に帰る途中、ふと窓から見えた校庭で遊んでいる女子に目がいった。
「ふふ、楽しそうだなー。」
北川は何気なくつぶやいて窓に近寄った。
「学校説明会かー。私もそれに参加してここに決めたんだったけ。がんばってアピールしないとなー、この学校のいいところ。よし!」
北川は改めて気合いを入れた。
「ここに入って楽しかったことを語ればいいもんね。」
北川は心弾ませながら、寮の部屋へ戻った。
久しぶりすぎて名前を忘れたり、しゃべり方がわからなくなったりしてしまいました。でも、久しぶりに北川たちを動かせて楽しかったです。




