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91 毛布が出来た!

誤字報告いつもありがとうございます。

 ふっ、ダンジョンでの4日間なんて本当にあっという間なんだぜ! まぁ普段から一度入ると大体10日以上潜ってるからな… 時間調整の4日間だと物足りなくなってきている。俺もとうとうダンジョンジャンキーか? 自分では戦ってないんだけど支援職というのであればそういうものだろうと納得しておく。


「さて、なんだか物足りないが、まずは毛布の受け取りだな。皆が頑張ってくれたおかげでケルベロスの毛布も作れそうだ、ありがとう!」

「うむ。寝具に関しては私も非常に嬉しい物じゃ、主に認めてもらえたならやった甲斐があったというものじゃ」

「そうだな、睡眠がどれほど重要なのかを再確認できた気がするぞ」

「フカフカ毛布は気持ち良いよね!」


 うんうん、追放されてからこの街に着くまでは野営ばかり… 安全なスペースが確保できるからといってもぐっすり眠れるかといわれれば、それは間違いなくNOだと言えるだろう。硬い床に薄っぺらい毛布、肌寒い空気は体温の高いアイシャを横に置いてようやく凌げたようなもの。

 この街に来てからもダンジョンアタック中の野営は同様だった。それがとうとう改善されるのだ! 物足りないとか言ってる場合じゃない!


「しかし主よ、ケルベロスの毛皮で毛布を作るのは少し待った方が良いかもしれんの。オルトロスの毛皮ならまだ在庫はあるが、ケルベロスの毛皮の存在が知れ渡れば指名依頼が殺到しそうじゃ」

「指名依頼? それは確かに面倒そうだな… まぁオルトロスの毛布の使い心地を確かめてみて、それから考えようか。現状敷物として使うだけでも十分満足できるからな」

「非常に残念じゃがその方が良いじゃろう。敷物として使うだけでも贅沢な素材じゃからな」


 まぁクローディアの言い分も何となく理解できるし、この素晴らしい感触の毛皮は俺達だけで堪能したいから仕方がない。まぁオルトロスの毛皮の件は、毛布を注文した時点で広まっているかもしれないけどね。対価としてすでに毛皮で支払っているから…


「よーし、それじゃあ地上に戻るとするか!」

「「「おー!」」」


 意気揚々と転移陣の上に乗る俺達だった。




「はいっ! 毛布はできておりますよ!」

「おお! 楽しみにしていたよ」


 毛布作りを頼んだ店に到着するなり、店主であるおばさんに声をかけられた。いやぁやり遂げたって顔をしているぜ! まぁオルトロスの毛皮なんて触るのは初めてらしいからな、良い物に触れられた職人っていうのは大体こんな顔をする。ミスリルの大剣を頼んだ鍛冶屋もそうだった、大量のインゴットを預けるだけでそんな顔をしていたもんだ…


「ところでお客さん、ものは相談なんだけど」

「え? なんか嫌な予感がしてきたんだけど?」

「やだねぇ! いやな話なんかじゃないさ! ただこの毛皮についての情報が欲しいだけなのさ」

「ああなるほど、そう言えばまだギルドに卸してなかったもんな。これはダンジョン90階層以降に出現するオルトロスって魔物から手に入る毛皮だ、価値で言えば相当高価だと思うぞ」

「えええ? それは本当かい? ダンジョン90階層以降だなんてどうやって手に入れたのさ」

「まぁほら、俺の連れは皆強いからね」

「はぇ~、まぁ確かにオーガにエルフ、獣人とくれば間違いなく強そうだもんね。じゃあこの毛皮を定期的に手に入れるってのは?」

「うーん、難しいと思うよ。俺達も仕事で80階層をうろつく事はあるけれどねぇ」


 うんうん、ここで安易に狩ってるぜなんて言わない方が良さそうだな。まぁこれの手触りを知ってしまえばこうなるのは仕方のない事だと思うが、すでに俺達はケルベロスの方を集中的に狩っている状態だからオルトロスは… リポップ待ちの時間に少しだけって感じだもんな、約束はできないよ。特に俺は80階層に入り浸りだから尚更ね。


「在庫があれば買い取りたいと思っていたんだけど、その話だと1枚いくらになるか分かったものじゃないよね」

「後でギルドに出して査定してもらうよ。数日後にでもギルドで聞いてくれれば」

「残念だけど仕方がないね。まぁ料金としてもらっている分も迂闊に売らない方が良さそうだわ、先に聞いといて良かったよ」

「また新しい素材が手に入ればお願いしに来るよ」

「はいよ! 今後もぜひ贔屓にしてね!」


 ふぅ~、さり気なく次も頼むかもという意見を出してやったぜ。これでこっそりケルベロスの毛皮を出してもきっと融通してくれるだろう。

 ミスリルの大剣は20日ほどかかると言われているから、あと15日ほど待たなくてはいけない。しかし15日か…


「じゃあ今日はとりあえず宿に行って休養日にしよう。そして明日からの予定を考えるか」

「ギルドには行かんで良いのか?」

「あ~、一応オルトロスの毛皮の値付けを頼んでおくか。査定してもらった方が今後売るかどうか決められるしな」

「うむ」


 んじゃギルドに行きますかね。ああそういえば勇者の配下が来てるんだったっけ… 会いたくはないよなぁ。かといって冒険者登録しているのは俺だけだし、さすがにグレイやクローディアだけを向かわせるわけにもいかないだろうな。アイシャ? アイシャはまだまだ小さいからね、絡まれたら全力で吹っ飛ばしそうだから1人ではまだ出すつもりはないよ。まぁそのうち初めてのお使いとか頼むかもしれないけど、その行き先はギルドではないよね。



「あ、ヒビキさんこんにちわ! 今日も珍しい素材の持ち込みですか? コカトリスのお肉なら大歓迎ですよ!」

「どうも… 今日は珍しいというかギルドマスターから聞いていると思うけど、90階層から手に入る物だからまた値段がついてないかもしれないんだよ。それを調べてもらいたい」

「は、はい… どのような物でしょうか? 少なくともギルマスからの連絡は来ていませんが」


 受付嬢とも普通に話せるようになってきているが、普通を通り越してやたらとフレンドリーすぎる感じだな。まぁあえてコカトリスの肉って単語を出したところ、欲しいんだね? しかも連絡が来てないとかギルドマスターは何をやっているんだか。


「コカトリスの肉は無いぞ、俺が食うからな」

「ええ? 無いんですか? ちょっとくらいは余ってたりはしないですか?」

「大丈夫だ、肉であればいくらでも食えるぞ」


 おおう、グレイが肉の所有権を主張している! まぁ魔道コンロも購入したし、いつでも焼いて食べれるようになったから売る事は無くなったんだよな… しかも最近ではコカトリスすら狩っていないし在庫は減る一方だ… まぁその内自分で狩りに行きそうだから放っておくか。

 それよりもオルトロスの毛皮を出さないとな!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 コカ肉、職員さんの羨望の的ですね···まぁハンバーガー厨(?)のグレイですら気に入るレベルの肉ですからなあ。 そういえばコカトリス程ではないにせよ、他の高レベルモンス…
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