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ハンバーガーは異世界を救う?  作者: ぽいずん


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60  モンスターハウス

誤字報告いつもありがとうございます。

 進む事10分ほど… まだ一度もエンカウントしていないんだがどうなってんだ? コカトリスすら出てこないなんて。しかも枝道が無くどこまでも1本道なのだ… 曲がり角はあったけどね。


「ふむぅ、主よ、どうもこのフロアは今までとはちょっとばかり違うようじゃの」

「うん、全然魔物が出てこないもんね」

「この様子じゃとどこかに大規模なモンスターハウスがあるかもしれんの… まぁそうなれば雷撃で麻痺させてからグレイを放り込めば済む事じゃが」

「うむ、なんなら雷撃もいらないぞ」

「いやいやグレイ、さすがにそれは許可できないよ。どんな魔物がいるかもわからないのに」


 グレイはどうしてこうも好戦的なんだか… 大規模なモンスターハウスかもって言ったじゃんね。


「ご主人、アイシャが戻ってきたぞ。何か見つけたのかもしれんな」

「お、そうか」


 足音もなくスルスルと近寄ってくるアイシャ… 見えてなかったら絶対にビビるやつだよね!


「ご主人様、通路はこのままずっと1本道になってて扉があったよ」

「ほほぅ、どうやらクローディアの言っていたモンスターハウス説が濃厚のようだな。扉の向こうは見てないんだろ?」

「うん、閉じ込められたら嫌だったから戻ってきちゃった」

「いや、それで良い。1本道なら迷いようがないし、先に進むんなら避けては通れないって事なんだろう。見に行ってみるか」

「そうじゃな、万が一のためにブルーウォーターステッキを貸してくれ。密集しているようなら放水して一気に片付けた方が楽じゃろう」

「数にもよるけどね、一応安全策として用意しておくか」


 モンスターハウス… きっと数十とか数百とかの魔物がいるんでしょう! しかも通路を見る限り大型の魔物か飛行タイプの魔物が。コカトリスも大量にいるかもしれないし、やはり現状最強の放水+雷撃のコンボは準備して損はないな。

 一応この世界の常識では、階層数とパーティの平均レベルが同じくらいが適正と言われていると聞いた… 俺は除外だとしても、この階層は3人の平均レベルよりもかなり上だからな。


「モンスターハウスじゃった場合の作戦じゃが…」

「まず俺が突撃する」

「ボクはご主人様を守るよ!」

「では私はグレイのいない方向に放水じゃな、一応言っておくが水に触れるなよグレイ」

「何を言うか、そこはクローディアが俺を躱すのが筋だろう。わざと狙ってくるとは思ってないが、ギリギリを攻めるような真似はするなよ」

「え? そんなんでいいの?」


 クローディアも頭が良い割にはこういった作戦は雑なんだよな…


 とりあえず前に進むと聞いていた通り大きな扉が見えてきた。確かにこれで魔物を遮っているようなイメージなんだが、まぁこの扉の前までは安全なんだという事で楽と言えば楽だけどね。

 でも遮られている以上その先には大量の魔物がいると容易に想像できる、そしてこっちの戦力は完全に3人だ… 俺も何かしたいと言いたいが、どうやっても足手まといにしかならない未来しか見えないから… 邪魔にならないようにするのが最善だろう。とりあえず最前線に立つであろうグレイを注視しつつ、ホワイトヒールステッキを構えて待機だな。


「よし、じゃあダークバリアステッキをアイシャに任す。グレイを飛び越えてくるような遠距離攻撃や、飛んでくる魔物に対処してくれ」

「分かった!」

「俺はヒール担当という事に徹するから、攻撃は2人に任せるよ」

「おう、任せてくれ」

「心配いらん、グレイが抜かれても私がいるからな」

「ボクもいるよ!」


 グレイが扉に手をかけ、ゴリゴリと何かを削るような音を立てながら開かれる。


「ほぅ、結構いるじゃないか」

「ふむ、コカトリスがメインじゃが想定通り鳥っぽいのが混ざっておるのぅ」

「クローディアよ、上空にいるやつをメインでやってくれ。コカトリスが相手ならば多少囲まれたところでどうにかできる」

「そうかの? まぁ良いじゃろう。じゃが先制は私にやらせてもらう、地上戦力を削っておく」

「全滅はさせるなよ」

「何を贅沢言っておるんじゃこやつは…」


 いやいやこの2人… 意外と良いコンビだったりするよね! 共闘するようになったのは俺と出会ってからだと聞いているが、やはり前衛と後衛… どう動けばうまく機能するのかをお互いが熟知している感じがするんだよね、さすがにそこら辺は経験の差というしかないんだが。


「では主よ、攻撃開始する」

「オッケー、やっちまいな!」

「放水!」


 部屋の入り口付近からドバーっと大量の水を中にいる魔物達に向かって噴射する。まだ入り口にいて中に入っていなかったためか、魔物達は動いていなかったんだが水をかけられた事でこちらに反応する。


「雷撃!」


 ガッシャァァァァン!


 雷鳴のような轟音が響く… 

 しまった忘れてた! 雷撃を撃つときは耳を塞いでおかないといけないのに… あーもう耳が馬鹿になっちまった、しばらくは何も聞こえんなこりゃ。


 雷撃が合図だったとばかりにグレイが金棒を手に飛び込んでいく、それを見てクローディアはブルーウォーターステッキを腰に差してピンクマジカルステッキと入れ替える。

 雷撃の轟音とそれに伴って広がった衝撃は鳥っぽいのに直撃したのか、上空にいた鳥の魔物も一部が落ちてきているな。それにとどめを刺すかのようにマジカルビームを発射していくクローディア、目線でターゲットが取れるというチート性能を知っているからなんとも思わないが、落ちてくる魔物をピンポイントで撃ち抜く姿は末恐ろしくも感じる。


 おっと、俺はグレイを見ていなきゃな。さすがに大量のコカトリスに囲まれちゃ無傷でなんていられないだろう、小さな傷でも動きに支障が出るかもしれないから即座に治療しないとな! 何よりこのホワイトヒールステッキ… あまりに大きな傷には効かないという弱点もあるし。


 戦闘が始まって数分… なんとクローディアが数十羽はいただろう鳥の魔物を全て撃ち落としていた! クローディアはFPSなんかやらせたらすごい才能を見せるのかもしれないな… 俺は苦手だし才能のかけらも感じられないほど下手糞だが…


「グレイよ、上は片付いたから後は好きにせい。手が足りなくなったら言うが良い」

「なんだと? 手出しは無用だぞ!」

「そう言うと思っておった… まぁ主から指示が出れば手を出すが、そうなった場合は諦めるがよい」

「ふん! ご主人よ、見ているがいい。俺はコカトリスなんぞに遅れは取らん」


 おー、グレイを煽る煽る… まぁでもグレイならそう言うよね、俺も分かってた。

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