58 満場一致
誤字報告いつもありがとうございます。
おおっ! レベル70になってるじゃないか! だけどステータスの表記は変化がないね… 本当は少しだけ上がってたりするのかもしれないが、この表記の仕様だと細かいところは反映されないってタイプだよな… くそぅ。
だけどそうか、もう歴史上最高レベルと言われてたらしい過去の勇者を抜いてしまったんだな… まぁ実際に向かい合って戦えば簡単に負けるんだろうけどね、戦闘技術っていうのはそんなもんだ。
「主よ、どうじゃった?」
「おう、レベル70になってたよ。やっぱりバラけて稼ぐと上がり方がすごいよな」
「そうじゃの、私もレベル71になっておった。と言う事はグレイとアイシャは72くらいまで上がっておるかもしれんの」
「まだまだ格上狩りの状態だもんな… レベルの上では」
「単独でも余裕で勝てるのは主のバフのおかげじゃからな、実際ソロでどうにかしようと思ったとしても出来ん事じゃ」
バリヤーで作られた簡易的な休憩所に座り込んでアイシャとグレイが戻ってくるのを待つ、まぁ俺達がここに到着するのが早かったからな… 多少待つのは仕方が無い事だ。特にアイシャの腹時計は正確だからなぁ、キッチリ時間を合わせて戻ってくるだろう。
「お茶でも飲むか」
「む、私はオレンジジュースを頼む」
お茶と言いながら俺もオレンジジュースにするか、偶に飲むと美味しいんだよねアレは。個人的にはそろそろホットコーヒーとかアイスコーヒーとかが欲しいところだけど、ドリンクの場合はどういった順番で追加されるのか分からないんだよね…
ハンバーガーはね、大体値段の順で増えているよね。まぁこれはあくまでも自分の記憶によるものだけど、多分値段の安いものから順に出ていると思っている。最初がただのハンバーガーだったから尚更ね。でもそう考えるとテリヤキバーガーよりも安いハンバーガーだって、もっといろいろと種類があるはずなんだよな… どうなってんだろ。1年に1回、特定の期間だけ販売される月見バーガーだってテリヤキバーガーよりも安かったよね? あれ、同じくらいだったっけ?
いや待てよ、そういえばダブルチーズも同じくらいの値段だったっけ… あーもうわけ分からんくなってきた! どの道こっちで選べるわけじゃないんだから、黙って出てくるものを受け入れればいいんですね! そうします!
でも欲を言えばテリヤキチキンフィレオとかベーコンエッグバーガーも食べたいかな… カツレツバーガーも好きだったし、店ごとに好きなハンバーガーがあったんだよなぁ。ヤバイ、空腹だからか食べ物に関する考え事が満足にできなくなってるぞ… グレイにアイシャ、早く戻って来い!
数分後、大量のコカトリスの肉を抱えた2人が合流してようやく昼食となる。グレイに肉を焼いてくれと頼まれたが、残念な事にコンロ系の魔道具はまだ購入していないので却下。さすがに魔法で炙るなんて無理があるでしょ!
そして昼食を食べながら午後からの予定を相談してみる…
「うむ、俺は先に進む事には反対はしないぞ。ご主人の言う通り俺達の都合が良い狩場があるかもしれないし、まだまだレベルは上げたいからな」
「ボクはお任せで! でもどうせならご主人様と一緒が良い!」
「まぁこうなるじゃろうと思っていたがの… じゃあ主よ、ミスリル狩りはいったん中断して進むとするかの。90階層まで行けば転移陣もあるじゃろうし移動に困らんじゃろ」
「よし分かった、じゃあ午後からは全員で先に進んでみるとしようか。もちろん現状では出てくる魔物の方がレベルが高いから、決して油断の無いようにな」
「「「おー!」」」
SIDE:冒険者ギルドリャンシャン支部、受付嬢
その頃… コカトリスの肉を預かっていた冒険者ギルドでは、商業ギルドの幹部を招いて試食会が行われていたのだった。
「むおっ!? なんだこの味は、他で捕れる鳥系魔物の肉とはまるで違うではないか!」
「うむ… なんというかうま味があり、さすがは80階層以降で捕れる魔物の肉だと言うしか言葉が無いな」
「しかしこれ、80階層以降にしかコカトリスが出現しないというならば、そうそう安い値段は付けられないぞ。手に入り難いうえに旨いときたもんだ、少々高額でも売れると思うぞ」
冒険者ギルドのギルドマスター、商業ギルドのギルドマスターと副ギルドマスターは一口食べて感想を述べていた。
「ですがどうも乱獲が可能だという事で、集める気になれば大量に持って帰ってくる事ができるそうです。あまり高額にしてしまうとギルドで払いきれなくなってしまいそうで危惧しているんです」
「ふむなるほど… とりあえず次回戻ってきた時に本人達に詳しく聞いておこう。持ち帰る気になればどのくらい可能なのかをな」
商業ギルドの2人は出された肉を完食し、満足気にお茶を飲んでいる。
「後はアレだな… もったいない気はあるが、常温で何日保存できるのかを調べておかないとな。それが分からないと他の町に持ち出せないからな」
「はい、それはこの肉を受け取った日に一塊りはそれ用に保存しております」
「うむ、その情報はすぐに我らと共有してもらいたい」
預かった肉はまだ残っている… その残りをチラチラと見ている両ギルドマスター、もっと焼けと目で語っているのでしょうか? 残念ですがそれはできませんね、なぜなら残った肉は職員で分ける事になっているのだから! すでにギルドに併設されている酒場の大将にお願いしているんですから!
そうですね、目に見える場所にあるから気になってしまうんですよね? もう下げてしまいましょう、試食も済んだし後は値段を決めるだけでしょう? じゃあもう肉はいりませんよね。
私はスっとその場を下がり、むき出しで置かれていたコカトリスの肉を葉で包んで持ち上げます。なにやらテーブルに着席している3人が「あ」とか言っていますけど聞こえませんね、撤収させていただきます。
「ではお三方、値付けの方をよろしくお願いします。ヒビキさん達は恐らく10日前後で戻ってくると思いますので、それまでには決定していただけると」
「あ、おい! その肉はどうするんだ?」
「なんですかギルマス、お肉なんですからいつまでもこの場においておけないじゃないですか。早急に対処する必要がありますので酒場の大将に話をつけております、なのでお気になさらぬよう… では失礼いたします」
「あ、ちょ!」
あーあー聞こえなーい! 早足で部屋から出て早速酒場へと急ぎましょう。ギルマス達の会議が終わる前に食べてしまわないと酒場まで来てしまいそうですからね。




