40 甘さは正義? 最強?
誤字報告いつもありがとうございます。
俺のレベルも35に到達したか… まぁ4人パーティで経験値が4分割されているといってもずっと格上狩りだったしな、そう考えると効率よくというか頑張って狩っているんだなって思うよ。
「ではご主人、まずは新しく増えたというやつを味見しなければいけない。それを頼む」
「ああ、それは構わないがハンバーガー以外は甘いデザートだぞ? 食後の方が良くないか?」
「ほぅ、甘い食べ物は貴重だな。ではそのように」
「よし、じゃあまずは全員でテリヤキビーフバーガーを食べるぞ。ちゃんと食べ方があるから言うとおりにやってみてくれ、そうしないと… 美味しいテリヤキソースがごぼっとこぼれるぞ」
早速テリヤキビーフバーガーを全員分出してやる。やはり予想通り袋に包まれており、テリヤキソースが溜まっているのが見える… これが美味いんだよな! でもこぼすと非常にべたべたして気持ち悪いんだよ、まぁお手拭きがあるからどうにでもなるけどこぼさない方が断然いい。
「ほら、袋の底にソースがあるだろ? 変に持つとこれがこぼれてしまうんだよ。だからこうして液溜まりを下にして… こう!」
3人は真剣にガン見し、俺の言う通りに開封していきかぶりつく。
「うぉぉぉぉ! なんだこれは、今までのハンバーガーも旨かったがこれは…!」
「この野菜についてる白いソースも美味すぎるんじゃが! これはなんじゃ?」
「もぐもぐもぐもぐ」
ふっふっふ、どうだ君達、テリヤキは美味しいだろう? クローディアは早速マヨラーになりそうな勢いでシャキシャキレタスを食べているな、肉と一緒に食えよ。
「うむ、これがご主人の一押しのハンバーガーと… チーズバーガーも捨てがたいがこの旨さは格別であるな!」
「主よ、この白いソースは何じゃ? 野菜にバッチリと合うではないか」
「その白いソースはマヨネーズといってな、確か卵を使ったソースだよ。テリヤキソースと混ざっても美味しいし、肉についても美味しいだろ? まさに万能ソースってやつだな」
「ほほぅ… マヨネーズというのか、なんと怖ろしいものを知ってしまったんじゃろうか… もはやこれ以上美味しいものには出会えない気がするのぅ」
アイシャが静かだな… っと、どうやら袋に残ったテリヤキソースまで残さず食べようとして失敗してしまったようだ。手がべとつくんだね? お手拭きを使おう。
「さて、お次はデザートなんだが… まずはこれだな、アップルカスタードパイだ!」
じろじろと現物を見つめている3人… まぁ見た目だけでは甘そうに見えないもんな、普通のアップルパイでも十分甘いがこれには更にカスタードまで入っている! カスタードのような甘さはこの世界にあるのかな?
「むおっ! 思ったよりも遥かに甘いぞ! 果物の甘さとこれは一体」
「何という美食じゃ! これであれば毎日毎食食べられるのじゃ!」
「もぐもぐもぐもぐ」
うーんいい反応だね。この世界の屋台を見ていたら、こういった食べ物は無いんじゃないかと思っていたんだがどうなんだろ。
「これほどの食べ物はいくら高位貴族でも食べる事など無いんじゃなかろうか、そもそもアップルカスタードパイなんて初めて聞く食べ物じゃしのぅ」
「うむ、俺が奴隷になる前でも食べたことのない甘さだな。これにはどんなバフがついているのだ?」
「このアップルカスタードパイには120分の間敏捷が10%アップするとなっているね、テリヤキビーフバーガーは他のハンバーガーと同じだよ。ちなみに次に出すソフトクリームサンデーには120分知力が10%アップだね」
「ほほぅ! それはまた魔法使いには垂涎ものの効果じゃの。それはどんな食べ物なんじゃ?」
「ほら、こんなやつだ。一応味が2種類あるから比べながら食べてみてくれ」
透明のカップにソフトクリームが入れられ、その上から鮮やかなストロベリーシロップがかけられたサンデーを出して3人の前に置く。その直後にキャラメルソースのかかったサンデーも追加だ! 個人的にはキャラメルの方が好きなんだが、ストロベリーもたまに食べると美味しいんだよなぁ。
「冷たい! けど甘くて美味しい!」
アイシャが喋った! まぁソフトクリームサンデーは、会話ができなくなるほど口に中に詰め込めないもんな… 冷たいし。
「何という事じゃ、このような食べ物が主の世界に存在しているなんて… 本当に機会があれば行ってみたいものじゃの」
「ボクも行ってみたい!」
「うーむ、戦いの無い世界では我らオーガの存在意義が問われる所だが、確かにご主人の世界の食べ物は興味深いな… これだけでも行く価値はあるのかもしれん」
おーっと! 戦闘狂グレイまで戦いの無い世界に行ってみたいというなんて、元いた世界の食べ物パワーはすごいな!
「…と、まぁ新規に増えたメニューはこんな感じだな。じゃあそろそろ普通に食事にするか」
どうやら新しい食べ物も気に入ってもらえたようだし良かった良かった。特にお気に入りのテリヤキが選択肢に入るのは俺にとっても最高の出来事だな! 後はカツレツバーガーあたりが出てくれば更に最高なんだが… その内出せるようになるのかな? なると良いね!
しかしアレだな… アップルカスタードパイもグレイにかかれば二口で食べられてしまうんだな、まぁしっかりと味わっているようだから食べ方については何も言わんが、本当に一瞬で消えてなくなるような錯覚を覚えるよ。
アイシャはアイシャでシェイクとソフトクリームサンデーを同時にいってるし… お腹冷えたりしないんだろうかね。
そして俺達にしては非常にゆっくりとした昼食を終え、早速二手に分かれて行動する事にした。一応待ち合わせ場所は76階層に降りる階段前という事にし、俺はブルーウォーターステッキを片手にクローディアと共に進む。
「なんじゃったら主よ、水と雷撃の両方を私がやろうか? 主はダークバリアステッキを持ち、防御の姿勢でいれば更に安全なのじゃが」
「えー? それだと本当に俺はお荷物みたいじゃん?」
「何を言うか、自分の身を守れる支援職なんて普通はいないものじゃぞ! 主だからこそ自分で自分の身を守れるのであり、それだけで十分助かっておるのじゃ」
「そういうもんかねぇ… まぁ戦闘の事に関しては任せるつもりだし、その方が良いっていうならやるけどね」
「ふむ、ではそれで行こうかの」
ふっ、とうとう放水すらやらなくなってしまったぜ。




