41 80階層
誤字報告いつもありがとうございます。
なんだかんだと10日ほど費やし、俺達は80階層ボス部屋の前に到着していた。
しかしアレだな、さすが深層部と言うべきかいちいち階層が広くて大変だ。魔物も十分強いのが出没しているんだろうけど、前衛グレイと魔法使いクローディアの前に未だ敵なんていなかった。マジで強いよこの2人… まぁクローディアはステッキの効果が非常に大きいと言っていたが、それにしてもこうやすやすと攻略なんてできないだろう。
アイシャもグレイに指導されて、最初出会った頃のような弱々しさなんて微塵も感じないほど… うんうん、俺も含めて成長してるね! 俺の成長はレベルだけだけどね!
「よし、今日はここをキャンプ地とする!」
「キャンプ… 地?」
「あれ? 通じないのか。まぁアレだ、野営地って意味だよ」
「なるほど!」
やっぱりボス戦の前はじっくりゆっくりと休憩しないとね。もういつもの事だからグレイもクローディアも何も言わないで支度をするようになっている。
まぁ支度と言っても… クローディアがダークバリアステッキを使って陣地を構築しているだけなんだけどね。
ちなみに休憩場所の構築、クローディアにやらせてみたらなかなか理想的な間取りを作り出すんだよね。いくら主人と奴隷だとはいえ、お手洗いなどは見えない場所にする必要もあるし… まぁそういった細かいところを女性目線でやってくれているのだ。
まぁ男はね、壁に遮られているだけで十分用を足せるから… そこら辺の配慮ってやつが俺には思いつけなかったようだった。
「ここのボスを倒したら戻るからね、油断しないように」
「承知したぞご主人」
「しかし今日で何日目だ? 深くまで降りてくると1層進むだけでも時間がかかっているからな」
「そうじゃの、今日で18日目じゃったかのぅ。これだけダンジョンアタックするなんて、主がおらんかったら出来ぬ事じゃ」
「食糧事情があるからねぇ… 大人数で編成して、持ち運ぶ食料を増やしたとしても18日も経てば満足な食べ物は残っていないだろうしね」
「そうだな… 石のように硬いパンと口の中が痛くなるような干し肉だけで戦うなんて、恐らく苦しい戦いになる事だろう」
「そもそも水だって重いしね、これだからダンジョン探索は進まないんだな」
全くもって都合のよいスキルを授かったものだ。最初は食べ物に困らないなんて単純なところに喜んでいたけど、戦略的に客観視したら俺はかなり需要あるよな。もちろん今回のようなダンジョンアタックもそうだけど、なんなら戦争に駆り出されるとかあり得そうで怖い。特にゴーマンレッド王国ならやりそうだったしね。
「ところでここのボス… どんな奴だと思う?」
「そうじゃのぅ、60~70階層では前半にロックゴーレムが出て後半に爬虫類系が道中に出て、ボスはフロストリザード… まぁ爬虫類系じゃったからの」
「70~80階層では前半に爬虫類系が出て後半はアイアンゴーレムだったからな、もしかするとゴーレムの上位種が出るのかもしれんな」
「ゴーレムの上位種って?」
「聞いた事があるのはミスリルゴーレムじゃの。対魔法防御が凄まじいレベルじゃと噂があったの」
「物理的に硬いのがアダマンタイトゴーレムだと聞いた事があるな」
「ふむ、つまりどっちが出ても大丈夫なようにって事か。まぁどっちにしても俺にはさっぱりなんだけどね!」
「まぁ大丈夫じゃろ、なんと言っても私達には主が出したステッキがあるからの。濡らしてからの雷撃では噂に聞くミスリルゴーレムとて対応できんじゃろ、なにせ水が体の細部にまで浸透するからの」
「その理屈でいくとアダマンタイトゴーレムも同様だろうな。まぁクローディアが手を出す前に少し俺に戦わせてもらいたいのだが… ご主人よ、許可を」
「許可をったってねぇ」
「大丈夫だ。ゴーレムは基本的に遅い、俺の攻撃がゴーレムの上位種にどこまで通用するのかを試しておきたいのだ」
「まぁ無茶だけは禁止な、そこを厳守するなら任せるよ。でも出てくるのがゴーレムとは限らないからな?」
「む!? 承知したぞご主人! ふふふ、腕が鳴るな」
あらら、戦闘は明日だっていうのになんか火がついちゃった感じだなグレイの奴… そんなに興奮してたら寝られないぞ?
まぁ本来であれば安全を確保してあるとはいえ見張り番的な事の練習もしておかないといけないんだろうけど、ここには俺達だけなんだから休む時はしっかりと休もうよ。
しっかりと食べて寝る準備をする。
全員の食事の中にはしっかりとテリヤキビーフバーガーが追加され、あまり野菜を好まないグレイとアイシャまでレタスたっぷりのテリヤキに舌鼓を打つ。やはり決め手はマヨネーズのようだな。
食後のデザートも頂いてごろんと寝転がる。ダンジョン内は気温が低めなので俺の横にはアイシャが丸まっている… そしてアイシャを挟んでクローディアが寝そべる。グレイは相変わらず寒いのは平気なようで、1人で倒れ込んでいる。
まぁグレイはでかいからね、寝返り一つでアイシャやクローディアなら潰してしまう危険性まであるから仕方がないのだろう。
なんて考えていたら、いつの間にか眠ってしまったようだった。
「ご主人様? そろそろご飯の時間!」
「ん? アイシャか、おはよう」
「おはようございますご主人様! そろそろ良い時間だよ!」
アイシャは朝から元気だね。
「ご主人、食事を取ったらボス部屋だ… しっかりと目を覚ましておいてくれ」
「分かってるって、寝ぼけて足を引っ張るような真似はしないよ」
うん、グレイは更に元気だな。
いそいそと朝食の準備をする。
グレイはハンバーガー全種にナゲットを2個、ウーロン茶にデザートはアップルカスタードパイだ。やはり敏捷アップはとても重要なんだそうで、ここに到達するまでの間も速くなった自分の動きに慣れるための練習をしていたからな。
アイシャは通常ハンバーガーにエッグチーズとテリヤキ、ナゲットとバニラシェイクにデザートのアップルカスタードパイ。ケチャップが気に入っているようで通常ハンバーガーも良く食べる子だ。
クローディアはエッグチーズにテリヤキ、枝豆コーンサラダとオレンジジュース。デザートにソフトクリームサンデーのキャラメルだ。
そして俺、なぜか誰もコーラを飲まないので俺だけがよく飲んでいるね。やはり炭酸というのがまだ慣れないのだろうかねぇ。ともかく俺は、エッグチーズにテリヤキとナゲットだね、敏捷は必要かもしれないからアップルカスタードパイも食べておくか。
うん、もうちょっと胃が大きければ良かったな。




