37 報告と次の目標
誤字報告いつもありがとうございます。
「しかし、これからどうする? 戻って記録更新の報告をするか」
「ご主人よ、あの馬鹿どもの後始末でダンジョン入りが遅れてしまったのだからここは継続で良いんじゃないか?」
「そうじゃのぅ、主もなんだかんだと太陽を浴びていたからまだまだ行けるじゃろ?」
「ボクはお任せで~」
なるほど、全然満足していないと言いたい訳ですね… まぁ確かに? あのいざこざの後始末は時間がかかったからね、その分外にいたから大地を満喫できたと言われればそう見えたかもしれない。
でも奴隷と主人の関係になっているとはいえ、この3人も随分俺に慣れてくれたようだし多少の我儘は聞いてあげられる余裕も出来たと思っている。なにより今のレベルに達したのはこの3人の恩恵だからね!
「じゃあ進んでみるとするか、当然だけど無理のない範囲でな?」
「うむ! やはり自分よりも高レベルの魔物を相手にするのは緊張感があっていいからな!」
「先日のアホな冒険者の群れよりも遥かに強そうじゃしの、戦っていても楽しいのじゃ」
もうボロクソの評価だよフーリガンの連中… まぁ俺の水流もまともに喰らってたからね、なんというか危機感が足りてないんだよ。どうせ俺達4人を楽勝で勝てるなんて調子に乗っていたんだろうけど、負けたらいい笑いものになるって状況だったのにアホな奴らだったぜ。
そんなこんなで3日間ほどダンジョンアタックをし、62階層まで覗いて戻る事にした。
ギルドに報告した時は… なんというかギルドマスターの部屋まで通されて52階層以降の事を聞かれ、60階層にいたフロストリザードの事も報告する。
「ふむ、氷のブレスを吐くリザードか… こりゃ随分と難敵だな」
「まぁ普通に戦えばそうじゃろうの。我らはオーガが前衛に立ち、私が後衛から魔法を放つから大した敵とは思わなかったがの」
「まぁエルフの魔法使いと人間の魔法使いでは格が違うからな… しかも前衛がオーガなどそんなパーティはこの街にはいない」
「俺達オーガは本来同族であってもつるむ事は少ないからな、そもそもパーティに入る事すら稀だろうな」
「そうなんだよ! もっとオーガも協調性とか持って欲しいんだがな!」
「それは無理だな。俺は奴隷だがご主人の事は気に入っているから一緒にいるが、他の連中は自分が強くなる事しか考えてない」
ふむふむ、さすがはギルドマスターというだけあってオーガの性質についても詳しいようだね。しかし本当に戦闘民族のような種族なんだな、オーガって。それにエルフも結構排他的な種族との事、エルフ同士で一緒にいる事はあっても人間と一緒にいる事は非常に稀なんだそうだ。
そういった意味では俺の出会い運は激アツだったのかもしれないな。
「しかも狐人族なんて… 人間に産まれりゃ一生のうちに一度会えるかどうかってくらいなんだぞ? しかもこんな若い娘を連れやがって… 羨ましいぞ!」
「落ち着いてよギルドマスター、俺の場合は運が良かったというか縁だから」
「そうじゃの。私が主に出会ったのは非常に幸運じゃった、そうか… これが縁というものか」
クローディアの言葉にグレイもアイシャも頷いてくれる、ゴーマンレッド王国連中はアレだったけどそれ以外は悪くなかったのかもしれないな。最初の街で出会った人も色々教えてもらったし良くしてくれた、まぁ見返りのハンバーガーはあったけどね!
「じゃあそろそろいいか? 今日明日と休息を取って明後日からまたダンジョンだから」
「そうか、目ぼしいものはどんどん持って来てくれ。60階層以降のドロップなんてそう簡単に手に入る物じゃないからな! まぁ新規の物は値付けに困るという問題もあるが、きちんと買い取らせてもらうぞ」
「その時は頼むよ。じゃあみんな、宿に行こうか」
ふぅ~、ようやく解放されたよ。まぁ今回のダンジョンアタックにて新記録だから色々聞かれるのはやむなしと思っていたが、思ったよりもギルドマスターがしつこかったな。
「ご主人よ、休養の2日間は何をするのだ?」
「ん? 特に考えていないよ。何か必要な物とかある?」
「いや、俺は思いつかないが… 暇になるのかと思ってな」
「そんな働かなきゃいけないって思うのはある意味病気なんだよ? 俺の世界ではワーカーホリックといってね、労働中毒とか仕事依存症って言われているんだよ。休める時にはしっかり休む、そんな習慣をつけてほしいな」
「む、そうか。ワーカーホリック… 割と嫌いじゃない響きの言葉だな」
「おいおい…」
「ボクもお休みだって言われても落ち着かないかも… 休んでいたら怒られてきたから」
「他所はどうだか知らないけど、俺のところにいれば怒られる事はないからのんびりすればいいさ。お昼寝とかね」
「お昼寝!」
バサバサと太めの尻尾が揺れている、やっぱりお昼寝は良いよね… 寝すぎると夜寝れなくなっちゃうけど!
「せっかくじゃから最下層を目指してみようではないか、主よ」
「最下層って… 一体何階がそうなんだろうね」
「少なくとも100階層はありそうじゃの、リャンシャンダンジョンは。そもそも昔召喚されたという勇者が60階層そこそこじゃったと聞いた記憶があるのぅ」
「ほほぅ… じゃあ当時の勇者一行をも越えられると?」
「越えられるな!」
クローディアと話をしていたらグレイが混ざってくる、なんかすっごいやる気モードに入ってる気がするんですけど? 今日と明日は休むんだからね?
「ご主人のバフと、新たに覚えた身体強化があればまだまだ行けると踏んでいるんだ。やはり最下層を目指すのは目標として悪くないと思うぞ! 当然ご主人のレベルも上がるしな!」
「わかったわかった、これから休むというのにそんな熱くならないでくれよ」
「恐らくだが、俺はご主人の言うワーカーホリックなのではないかと思う。まぁ働くというよりは戦う事に関してだけだがな」
「俺のいた世界ではバトルジャンキーとかコンバットマニアとか言われるアレだな… まぁ戦闘狂というやつだね」
「ふむ、バトルジャンキーか… その言葉もなんかいいな」
「Oh…」
今では俺の太腿よりも太いかもしれない腕を振り回し、筋肉をムキムキさせながら喋るグレイを果たして止められるのだろうか…




