18 準備完了!
誤字報告いつもありがとうございます。
夜が明けた。これから街に入り、グレイやクローディアの話を聞きながらダンジョンに入る準備をする予定だ。
とはいえ、俺のゴミ箱収納に毛布やら布の塊、武器の控えなどが入っていて食料は特に必要無しとくれば何が必要になるんだろうか… ああ、グレイ用の服をまだ買ってないんだったな。それに前衛を任せる事になるんだから防具も欲しいところだ… 今まで立ち寄った街じゃオーガが身につけられるような物は売っていなかったけど、さすがにダンジョンを売りにしている街になら色々とあるんじゃないかとクローディアも言ってたな。
「よし、じゃあパパっと朝食を済ませて行こうか」
「ご主人よ、俺はハンバーガーとチーズバーガーが1個ずつでエッグチーズバーガーを2個にしてくれ。飲み物はお茶で」
「私は3種類1個ずつじゃな… 飲み物は昨晩飲まなかったコーヒーシェイクというやつを頼む」
「ボクもクローディアと同じで!」
ふむふむ、グレイはエッグチーズが気に入ったようだな。まぁ美味い事は間違いないけど相変わらず朝から4セットも食べるなんてさすがはオーガと言った感じかね。俺は通常ハンバーガーとエッグチーズでいいな。
コーヒーシェイクを頼んだ2人が味を絶賛するものだから、結局グレイも試しに飲んでみる事になり… うん、これは気に入ったようだね。まぁそれでもソフトドリンクやウーロン茶のようにグビグビ行けるような飲み物じゃないから難しいところだろう… 今日の昼からは飲み物も2種類頼まれるかもしれない。
朝食を済ませるとバリアを解除して外に出る。まだ門が開いているようには見えないけど、とりあえず門まで行って待つ事にしよう。
しかしダンジョンか… ぶっちゃけて言うと俺、耐えられるのかがとても心配だ。何に耐えられるか? それは血しぶきや死体、魔物が放つであろう殺気などに対してだ。
俺が自分で戦闘をした時は、多少の距離があったし食事に夢中だった時を狙っての不意打ちだったからなんとかなったが、旅をしている間に現れた狼なんかの魔物が出た時、そいつらに殺意を向けられて足が竦んでしまったからな… クローディアが遠距離からマジカルビームで倒すんならともかく、グレイが接近戦で叩き切るところを見てしまった時は迂闊にも吐きそうになったし。ホント大丈夫か? 俺は。
「それは心配ないぞご主人。確かに血しぶきは舞うかもしれないが、ダンジョンに出る魔物は死んでしまうとなぜか消えていき、ドロップを落としていくだけだからな」
「ほほぅ」
「それに当面は体を慣らすために浅い階層での狩りとなる、その間にご主人が魔物に慣れてくれればいいのだ」
うむっ! やはり俺が慣れなければいけないらしいな!
グレイは早く戦いたいと言わんばかりの気勢を発しているし、クローディアもストレス発散としか考えてないみたい。ああ、アイシャだけが俺の癒しだよ。その尻尾をもふりたい。
門に向かって歩いている最中に開門し、中に入るには冒険者証の提示を求められた。その際ちょっと嫌な顔をされたんだが… どゆこと?
「多分じゃが、主の冒険者ランクは最低のFランクなのに我ら3人も奴隷を連れておる… 良い所の御曹司が戯れにダンジョンに来たんじゃないかと邪推でもしたんじゃろうな」
「なるほど、そういえば登録して以来一つも仕事をしてないからな。あ、そういえばFランクはダンジョンに入れないとか規則があったり?」
「いや、そのような規則は聞いた事がないな。ちょっとした料理人が自分で素材を集めるとか、そういった事が普通に行われているから問題無いと思うのぅ」
そうかそうか、さすがに今更入れませんとなったら困るからな… 特にグレイが。
「ご主人、早く用事を済ませてダンジョンに行こうではないか」
「まぁまぁ落ち着いてくれって。とりあえずグレイの着れる服と最低限の防具だけは買わないとな… どんなのが良い?」
「ふむ、それであれば腕当てと脛当てがあれば十分だ。殴ったり蹴ったりした時に、偶然牙や爪に当たってしまうのを防げれば問題は無い」
「そうじゃの、オーガは身一つで戦う者ばかりじゃからな。それよりも万が一に備えて主が防具を身に付けた方が良いと思う」
「そっか、自分の事を忘れてたよ。アイシャはどうする? 欲しい防具とかあるか?」
「んーん、ボクも何もつけない方が動きやすいから大丈夫…… です」
「クローディアはどうだ?」
「私も特に必要な物はないのぅ。強いて言えばマントではなくローブが欲しいところじゃが、ローブは意外と高価じゃからな… ダンジョンに入って買えるほどの稼ぎが出れば頼む事にするかの」
ふむ? じゃあ買い物って俺用の装備がメインって事じゃないか! グレイがでかい体でそわそわしている事だしさっさと買いに行くとするかね。
そんな訳で買い物終了!
まずは俺用に胸元を守るタイプの皮鎧、膝当てを購入。これで見た目は冒険者になれたかな? グレイには要望通り手甲と腕当て、脛当てに安全靴のようなやたらと硬めの靴、それにとうとうオーガ用の服を見つけられたので購入した。これで奴隷用の首輪があるけれど、服装だけは普通っぽくなったね。
ついでにクローディアが言っていたローブも見てみたんだが、何やら魔法処理がされているとの事で金貨200枚とか… えらい高かったので予定通りダンジョンで稼いでからという事になった。
アイシャ用にも何かって思ったけど、やっぱり獣人らしく機動力が命との事… 余計な装備は却って邪魔だと断られた。
「ご主人、もういいんじゃないか? ご主人がいればダンジョン内であろうと安全に休めるんだ、時間を気にせず入ってしまおうではないか」
「そうだな… まぁアレだ、無茶だけはしないようにな?」
「もちろんだ。ご主人とアイシャのレベル上げが目的だし、鈍った体をほぐすための準備運動のようなものだ」
ふむふむ、戦闘狂らしい一面を隠す事が無くなったグレイ… もう戦いたくて仕方がないって感じだな。まぁレベル上げはもちろんの事、今後も安全に生きていくための金を稼がなきゃいけないからね。俺もダンジョンというものに興味はあるし、いっちょ行ってみるかい!
こうして俺は、3人の奴隷と共に初めてのダンジョンに入るのだった。




