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愛され人形使い!  作者: 天眼鏡
最終章

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519/519

宝物庫前、防犯設備アリ

 ニュースやドラマなどで聞き覚えのある警報音が城内に鳴り響き、これも地球から流れてきたのかと望子が慌てる中。


「宝物庫付近に侵入者発見! 直ちに捕縛せよ!」

「「「はッ!」」」


 明らかに以前までとは違う、ともすれば機械化されていると言ってもいい高性能な武装を携えた何十人もの警備兵が侵入者の捕縛を目的に揃いつつあり、まだ誰にも見つかっていない筈の三人の存在に気づいている事自体は確かなのだが。


「ふむ、これといって魔術や恩恵ギフトの痕跡は見られぬが……」

「という事は……()()()()()じゃないか?」

「であろうな。 さて、如何様に?」


 魔術や恩恵ギフトもなしに何故? という疑問を銘々抱いている時点で異世界の技術や知識が原因なのだろう事が今や明白である以上、議論の余地はないと切り捨てるローアとレプター。


 それよりも、この場の切り抜け方は? という問題に対し。


「……制圧する。 ただし、殺傷はなしだ。 出来るな?」

「不可能とは言わぬが、面倒ではあるな」

「いいから従え! どうせ最後だ!」

「然り然り。 征こうか、ミコ嬢」

「うん! がんばる……!』


 不殺、そして出来る限り無血の鎮圧をと命じるレプター。


 言うまでもないが、ローアからすれば殺してしまう方が遥かに簡単ではあるものの、レプターからすればかつての同僚だった者が含まれている可能性もある訳で、そうなると鎮圧したいという気持ちも抱いてしまうのも無理はないのか、と半ば無理やり己を納得させつつ命令に従う事にしたローア。


 これもまた、望子と触れ合えた影響が大きいと言えるか。


「! 居たぞ、やはり三人! 貴様ら、やはり宝物庫を──」


 そんな中、先程の警報音や伝達から大して間を置く事もなく三人の侵入者たち、つまりは望子たちを発見した警備兵たちが懐中電灯や〝拳銃〟の様な形と魔導具アーティファクトを構え、これまでと同じ様に苦もなく捕らえてしまおうと陣形を組み出す。


 実際、今まではそれでどうにでもなったのだろうが──。


「──少し眠っていてくれ、もう目の前なんだ」

「な、あ……ッ!?」

「ど、龍人ドラゴニュート……!? マズい、増援を──」


 今回ばかりは、相手が悪かった。


 元駐屯兵長の蜥蜴人リザードマンにして、今や歴戦の龍人ドラゴニュートの急襲。


「──殺傷なし、か。 逆に難解であるが、まぁ支障はない」

「ま、魔族!? 何故ここ、に……ッ!?」

「ぜ……ッ、全警備兵、緊急招集! 宝物庫前に──」


 同族にも他種族にも忌避されていた研究中毒者リサーチジャンキーの奇手。


『──ごめんね、ちょっとだけおとなしくしてて』

「……!? な、何だこの力、は……ッ」

 

 そして、魔王を倒し世界を救った召喚勇者の正攻法によって警備兵たちを一瞬で制圧、一人残らず沈黙させてしまう。


 勿論、命令通り負傷している者は一人も居なかった。


「さて、後はこのけたたましい音を発する〝何か〟と我らの存在が露見するに至った〝何か〟の対処をしなければ……」


 しかし、そうなった今も警報音は鳴り続けているし。


 三人の居場所を特定した何かも機能したままの筈。


 これではまたすぐに次の警備兵がやって来てもおかしくない、そう考えていたのはレプターだけではなかったらしく。


『ろーちゃん、()()こわして。 わたしは()()()こわすから』

「む? あれとは──()()()()()()()か? 構わぬが」


 そう言って望子が指差した先、宝物庫前の天井付近に設置されていた赤い光と警報音を放ち続ける何かと、こちらを追う様に動き続ける黒く四角い何かを壊せ、との指示を受け。


 望子とローアが同時に、かつ静かに魔術を放ったところ。


「……止まったな。 という事はミコ様、やはり……?」

『うん、あれもわたしのせかいの〝きかい〟だよ」

「キカイ、か……詳しく聞きたいところではあるが──」


 耳をつんざく警報音は完全に消え、これ以上の増援がやってくる気配もなくなり、それも全ては〝警報機〟や〝防犯カメラ〟のせいだったと望子の拙い説明でも咀嚼して理解したローアとレプターの人族ヒューマンとは比較にならぬ優れた感覚に。


「──感じているか? レプ嬢、異端極まる魔力の奔流を」

「あぁ、だが妙に懐かしくもある。 これはまさしく──」


 何かが、引っかかった。


 それは初めて前にする料理の香りが漂った様な、初めて目にする景色を見た様な、初めて異種族と出会った様な感覚にして、どこか既視感もあるという奇想天外な感覚だったが。


 ローアもレプターも、その感覚を知っていた──。


「──初めてミコ様にお会いした時と同じ感覚だ」

「っ、それじゃあ……!」

「間もなくであるな、ミコ嬢」

「うんっ!」


 それが正しいのなら、きっとこの先に──と全員の心が一つとなった今、三人が歩みを止める理由などある筈もなく。


 倒れ伏す警備兵たちを尻目に、宝物庫へと踏み入った。











(そして、レプ嬢が()()()()()()()()()()()()()も──)

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