【第二章】第二十四部分
「また、バトル中に辛くなったらパートナーを離してもよい。離したら落ちる。パートナーは両手を縛られているから、転落したら柱を掴むことはできない。パートナーの未来を完全掌握しておるんじゃ。ヒトの命を自分の意思で操れる。こんな楽しいことはないじゃろ。子供を産むことは、生命を作り出すこと。それは本能的に嬉しいことと感じる。そこにはゼロ、つまり何もないところから新たなモノを作り出すスリルを本能が楽しむからじゃ。反対にヒトの死を司ることも大いなるスリルが本能を踊らせる。生と死はある意味同等な観念なんじゃ。」
「狂気の沙汰だわ。人間じゃない。」
「そりゃそうじゃ。創造主なんじゃからな。さあ、どちらを選ぶ。」
憂果莉とミニスカロリスは腰の周りをロープで結ばれて、引っ張れるように、残ったロープは床面に垂らされ、二本並べられた。
ミニスカロリス、憂果莉共に、沈痛な表情で、胸のところで手を組んで祈っている。ミニスカは女の子座り、憂果莉は正座している姿が痛々しく感じられる。
「さあ、早く決めるんじゃ。有利な道を選択することは友情の橋を壊すことになるのかのう。」
「本当に汚いやり方だわ。でもどちらかを選ぶしかないのね。」
凪河は憂果莉の潤んだ目を見つめた。そのあと視線を下げて、巨乳を見た。
「もし鍵があの胸を直視したらどう思うかなって思うと、やっぱりムカついてしまうわ。」
「オンナの嫉妬は昔から根深いからのう。」
凪河はるとの言葉には耳を傾けず、しばらく目を閉じていた。
やがて、ゆっくりと大きな瞳は開かれた。
「アタシ、決めたわ。これが勝利を手にするための、最良の選択だわ。」
凪河が左手に力を入れる。ズズズと動き始めたのは、ミニスカロリスだった。
「うわああ~!」
凪河は頭を下げて、床を叩きながら泣いている。
「ご先祖さま、敵に奪われる、みみの親不幸をお許しください。ううう。」
ミニスカロリスも頬を濡らしている。
凪河は1メートル離れた中之島にジャンプした。その強い反動で左手のロープが引っ張られて、『オモリ』も乗ってきた。
凪河は背筋を伸ばして中之島に立った。
左手のロープの先には、憂果莉がいた。
「あれ?いったい何が起こったのです?」
憂果莉は目を白黒とさせている。
中之島の反対側ではミニスカロリスが倒れていた。目がぐるぐる回っている。




