【第一章】第三十五部分
ミニスカポリスは元々凶悪な雰囲気だったので、表情はあまり変わりがなかったが、ブルーの制服は黒いギャングスーツに変貌している。スカートはタイトミニである。ブラックハットとサングラスもオンされて、マフィアそのものである。
「あ~、実に爽快だ。今まで暑苦しい制服に拘束されてたけど、あたいにはこれが似合うんだよ。」
ミニスカポリスは、自分から喋りだした。
「あたいは、拳銃をぶっ放したくて、わざと危ないヤマを当たっていたんだよ。凶悪犯ばかりを追う事件捜査官さ。そうして、念願の暴力団担当になれたんだ。」
「あの警察官、どうして自分からカミングアウトしてるのよ?」
「おそらく、警察官の呪縛で、撃ちたいという強大な欲求を抑え込んでいたんです。それが解放されて、一気に心の内をさらけ出していると思われます。」
ミニスカポリスは独り言を続ける。
「あたいが初めて成果を上げたのが、黒霧組だったなあ。」
「黒霧組ですって⁉鍵の実家のことを知ってるの?」
凪河の叫びが聞こえたか、そうでないか、わからないがミニスカポリスは続ける。
「黒霧組のガサイレは楽しかったなあ。初めて公の場で合法的に撃ちまくったんだからなあ。あの組長、なかなか手強かったけど、かなり抵抗したから最後は撃ち殺されたんだよな。あれから、もう五年か。あたいは、元々拳銃をたくさん撃ちたい、できればマシンガンでと思ってたから警察官になったんだもんな。撃つ相手がゲーセンのゾンビに見えてしまうんだよ。だから撃ちまくるんだよ。警察官訓練所の射的じゃもの足りねえ。合法的に動くもの、やっぱり人間が撃ちたいんだよなあ。この仕事はまさに天職だよ!」
「コ、コイツ、本当にワルじゃない!パンツはウソをつかないわね。コイツは許せないわ。」
「どうしてです?」
「鍵のお父さんを殺ったのよ。鍵の家はヤクザだったのよ、それも部下が数人しかいない小さな組ね。でも、ヤクザと言っても、企業舎弟のような犯罪組織じゃなく、街を他の大きな組のシノギにならないように守っていたの。アタシたち、ゆりキュアと同じ機能を持ってたのよ。どんな街でも暴力団との関係は多少なりともあるのよ。それが街とヤクザの共存共栄。世間にわからないように、ヤクザに権益を渡すことで、街は安全になる。でも鍵の家、黒霧組は大きな暴力団を排除して、反感を喰らった。大きな暴力団は警察と通じてるわ。そうして暴力団は自らの手を汚すことなく、合法的に黒霧組を滅ぼすやり方を取ったの。父親を失った黒霧組は解散を余儀なくされて、家計は困窮して、鍵は新聞配達とかバイトをせざるを得なくなったのよ。遅刻常習犯になったのも仕方ないわ。」
凪河は目を強く閉じて、怒りに震えていた。
光るパトカー騒ぎで、通行人は締め出された。他に警察官もいない。
「もはやコイツは警察官などではないから、全力で戦ってやっつけるわ。」
「そうです、そうするのが一番です。ふたりの初めての共同作業です!ぽっ。」
「顔が赤くなってるわよ。戦いにかける意気込みを感じるわ。」
「はい、ありがとうございます!では、ふたりはゆりキュア!」
「ゆりキュア?違うわよ。スケパンデカじゃない!」




