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そらへ  作者: まうりあ
8/17

ミリア

「ケネディ宇宙センター、こちらメイティス」


ミッションを終えグレッグとフランチェスカを送り届けるためアメリカ合衆国への進路をとっておりそのまま着陸コースへと向かっているとF-22ラプターがケネディ宇宙センターからこちらへ向かってきており緊張する。


「マックだ、ミッションご苦労さん。すまないが空軍がエスコートを飛ばした。受け入れを頼む」


そう言われてグレッグを見ると笑いながら、


「仲間を助けてもらったからな、みんな必死なんだよ」


「了解、ラプターのパイロットエスコートに感謝する」


「しかし悪意で見れば我々が行くのに合わせて事を起こしてこういう状況にと言うのも考えられますが、まあいいでしょういざとなればですからね」


受け入れはするが警戒を解くとは別問題で出力をあげた状態で両翼にラプターが挟むように飛んでおりそのまま海岸線側から着陸した。


コンテナを積み込んだ場所まで行くと大勢の報道陣がこちらを撮影しており今回は後部ではなく船首の下部ハッチを開きエレベーターでグレッグとフランチェスカの3人でおりた。


フラッシュがたかれマックと大統領補佐官のカーバインが報道陣と出迎えてくれ握手をした。


「今回も助けてくれアメリカ合衆国として私個人としても感謝する」


カーバインが握手を求め応じるとフラッシュが多数光ると、


「いえ人命が第一ですから無事にお切り届けられて光栄です」


こちらに対する配慮もだが政治的なパフォーマンスが相変わらずすごいなと感じながら補佐官は奥の席に誘導してくる。


「すまないがこちらに大統領との会談の席を設けているのだが応じてくれるかな」


「喜んで」


そう言うとディスプレイの向こうに黒人系のプレジデントがこちらを見ており一礼すると座った。


「直接会えればと思っていたのだがそちらの帰還が早まったようですまないが画面越しにとなってしまったことを残念に思う」


どうやら本来は明後日の帰還に合わせてと言うつもりだったようだが救助とフランチェスカの容態のため早めに帰還することになり外遊中の大統領は間に合わなかったと言うことだった。


「いえ、いずれ機会があればですが、今回は十分です」


そう言って一言二言話していると本題に入る。


「情報スベシャリストのグレッグに聞いたかと思うがアルテミス計画の支援をお願いしたい」


1年後にひかえる大統領選再選もあり財政と月への再度の出発を手見上げにと言うことで今回の成功を受けての事で、


「わかりました。ただし軍事利用が発覚した場合は対抗措置をとらせていただきます」


「問題ない、各国とも平和利用で行う事を了承しておりもし発覚した場合には毅然とした対応をとる」


そう言うとカーバインがファイルを開いて参加へのサインを求められ応じた。


「大統領、これは国家間での協力に個人を入れると言うことですか」


「個人かもしれないがこれだけのテクノロジー、そうオーパーツを運用する個人をただのいち個人として扱えば宇宙計画は数十年は遅れるだろう、彼らは今までも実績として人命最優先をとってくれたし、これはアメリカ合衆国のフロンティア精神にも合致する」


色々質問が報道陣から投げ掛けられ主に大統領自らが答えていく、


「しかしもし銃口がこちらに向いたときには」


「そうなれば私もそう言う対応をしなければならないがアメリカ合衆国のいち市民として自由のための銃を恐れたりはしない」


アメリカの報道陣は声をあげ頷き会見は終わった。


「サプライズばっかりだったねマック」


管理スベシャリストのマックに笑って苦情を言うと、


「知ってもらうにはこれが一番と言うことだ、いずれにしろこれからよろしくなナオ」


そう言って新たなミッションが後日提案され契約を行った。


「グレッグを迎えにいってくる」

「ABCニュースのアンカーの女性が来ると頑張ってください」


ミッションの対応のため途中までウラノスで迎えに行く事になったがレグルスは面倒だと言うのに苦笑しながら同意しながらもハワイへと向かった。


「イノウエ空港へ、着陸する」


前もって到着時間を知らせ滑走路ではなくVTOLで格納庫前に着陸するとグレッグと金髪の若い女性が待っていた。


「時間通りだな、美人さんがお待ちかねだな」


コックピットからおりると小さいカメラをかまえたアンカーが笑顔で近寄ってきて、


「ABCニュースのアンカー、ミリア・カーバインです」


そう言われカーバインという名に、


「はい、父です。よろしくと言っていました」


笑顔の裏にあの補佐官の顔が見えて鈴だなと思いながらグレッグが笑いながら、


「あははは、ナオはめられたな、だてに補佐官してないということだ。まあがんばれ」


そう言われため息をつくと背中を叩かれ、


「幸せが逃げますよ、さあ向かいましょう。荷物の積込お願いします」


撮影機材の他にどれだけ私物がと言う荷物で背面の搭載ユニットに積み込み管制塔とやり取りをして出発した。


「目の前に色々表示されるんですね」


「さわらないでください、いずれ説明するので」


ミリアは何故か指示した後部ではなくコウパイロットシートに座っており3D表示や操作系についての質問をしてくるが顔をすぐ近くまで寄せてくるので耳が熱くなりそう言うと一気に成層圏へと上がりオリンポスへの進入経路に入った。


「すごく揺れますが、台風の中をわざわざ通り抜けているなんて、非効率過ぎすわね」


言いたいことを次々と言われ何も言えずにいるとグレッグが笑いながら、


「それぞれ事情や理由があるんだ、ましてや仮想の敵は多いからな」


静かになったのでホットしながら渦の中を出力全開で一気に抜けるとシャコ貝の形をしたオリンポスが見えてきた。


「皆さんご覧ください、これがオリンポスと呼ばれる基地でまるで美しい真珠を中に秘めたシャコ貝の形をして私たちを出迎えてくれます」


そう言っている間に水平飛行で螺旋にまわりながら降下をゆっくりと行っている間もミリアは、


「そして何より周囲は竜巻のごとく渦が行く手を阻んでおりますが中は何故か晴天のような天気でありその中をウラノスと言う航空機はゆっくりと降下を続け貝が開いた隙間から中へと入り、いま人類の科学を越えたオーパーツと呼ばれる中へと私達は到着しました」


レグルスが出迎えてくれ紹介をした。


「補佐官の娘さんですね、答えられないことも多数ありますからね」

「全てを視聴者の皆さんに知らせるつもりでいるからよろしく」


レグルスは苦笑しながら握手をしてお手や柔らかにと言いグレッグをつれて中央指令室に入る。


「パルス、それぞれの部屋に案内してくれ、それとお客さんは重要部分には入れないのでそのつもりで」


車輪のない台車をパルスが引き連れて各ルームへと向かう、


「しかし、あの補佐官も狸ですね、よりにもよって自分の娘で美人すがかなりの跳ね返りですぜ」


「確かにな、基本は同行すると言うことで装備の説明や操作法を一通り教えてくれ」


「良いですが多分俺じゃないですぜ」


自分を指名してくるだろうと言われ確かにと手を頭にあててミッションに絡むことも面倒だと思いながら了解した。


「これがスーツね、宇宙服にまでなる。あんなごっついのを着けないで良いなら大歓迎だわ」


自分はミッドナイトブルー、レグルスはブラック、ミリアはイタリアンレッド、グレッグはカーキ色であり二人には武器となる装備は外してある。


「ヘルメットをつければ12時間は問題なく、通常の刃物では傷ひとつつかないです」

「そちらについててこちらに無いものは」


手首の通信機を説明すると自分には無い装備を聞いてくるので、


「危険物で、特殊な装備なのでシークレットです」

「えー、全てを知りたい向こう側にシークレットって」


グレッグがなだめてくれメイティスの説明に入る。


「ここがメインコックピットとなりますね、そして画面にも写し出されますが驚くのは私の回りに見えている3D表記の画像で、更にキーボード等もありますが脳内ダイレクトラインと言う脳波でコントロールできると言うのも驚きです」


鋭いミリアの指摘をレグルスと顔をひきつらせグレッグがなだめながら何とか収録を終えて男三人ため息をつくと、編集で自室にこもったミリアが居ないのでウィスキーをダブルで飲みながらお疲れとお互い声をかけた。

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