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第6話 魔法まずは理論から

 デリックは思い出したように

「私は用事があるから二人は隣の部屋に行って勉強するように」

と言った。


 魔法はジプチが教えてくれるらしい。


 隣の部屋には長い木の机があり、15人くらいは座れそうだった。私は勧められるまま端に座った。ちょっとした本棚とポットを乗せる収納付きの台も置いてあるが、会議室といった雰囲気だ。


 魔法についてまずは理論を教えてくれるそうで、ジプチはいろいろな本を持ってきた。

 まぁ読めないけど。


 ジプチがいうには、メェオ王国では魔法より魔術という言葉を使う事が多いらしい。自然現象の流用のようなものでなぜこういう事が起きてそうなるか、というのがわからないと使えないようだ。


 幸い私は理系、大学受験からまだそんなに経っていないし、もとから理科は比較的得意なのでだいたいは分かり、覚えなおすことは少なく助かった。


 ジプチは

「さすが勇者様。」

と言ってくれたけど、私のいた国ではたぶん四分の一くらいの人はわかるよ。って言ったら、がっかりと驚きを同時にしていた。


「ここからは魔術の体系について教えて行きます。」

 魔術には主な三種類と特殊なものがあるらしい。


 ひとつは肉体の強化。これはわりと頑張れば誰でも出来るらしい。

 二つめは攻撃の術。知識の他に才能とテクニックがいる。使えるのはミツマタの人が多いらしい。

 三つめは治癒力促進術。ほぼ聖職者しか使えない。

 特殊なものは召喚や移動の術など。使える人は滅多にいないとのこと。ほぼ廃れた古代魔術に頼りきり。ちなみにデリックは異世界の人だから古代魔術ともまた違う魔法らしい。ジプチは特殊な魔術の研究をしている。


「私が使うとしたら治癒力促進術以外ということかあ」

「ええ。そして魔術には何よりもイメージ力が大事なのです」

「そこで才能がいるわけか」


 そこまで話すとジプチの腹がなった。


「失礼。もう夕食の時間が近いので」


 私もお腹がすいている。

 私が召喚されたのは午後四時くらいだったけれど、こちらに来てから窓から外を見たとき、外は明るかった。そこから三〜四時間はたったと思う。


「今何時?」

「今は午後六時すぎです。あ、一日はちなみに24時間ですよ」


 ジプチは懐中時計を持ってきた。


「そうなんだ。私の世界も一緒だよ。こことは時差があるようだけど」

「使いやすいものは突き詰めると同じ形になるんでしょうかね」


 さて、とジプチは立ち上がった。


「夕食に行きましょうか。食堂に届いているはずです」


 ここには二人の他にはいないので食事の配達サービスを利用しているとのことだった。

 猫はグルメだと言うし私はちょっと期待した。


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