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第11話 目覚めた魔力

「和美さん! 和美さん!」


 ジプチの呼びかけで私は目を覚ました。


「お、起きたか」

「何のんきなこと言ってるんですか。ミケ兄はふらふらするし、和美さんは目を閉じたと思ったら魔力弾放って気絶するし、僕大変だったんですから!」

「ぜんぶエルさんの所為です」


 ぎゃんぎゃん吠えるジプチをよそに、エルはしれっとしていた。


「でも勇者様は魔術使えるようになっただろ?っていうか、エルさんって言わないでくれないかな。私は君のおじさんじゃないし。呼び捨てにしてくれ」


 エルは確認の他にデリックの時と似たようなことを言った。この世界で私がする

「さん付け」はあんまり良くないのだろうと思い、これから自重することにしよう。

 それはそれとして。

「魔術? えっひょっとして私、魔術使ったの?」

「えっ」

「えっ」

「えっ」

 3人で「えっ」が一周してしまった。


 どうやら私は魔力弾というのを右手から放ったらしい。


「まったく覚えていないよ。なんというか、いらないものを外に出した気はするのだけど」

「なるほど。とするとあの魔力弾は拒絶された私の魔力、というところか。普通は一日くらいとどまって溶け込むということが多いんだけどね」


 私は何か規格外のことをしたようだった。


「無意識でも魔力弾が打てたのなら、魔力のコントロールはできそうな気がしますけど」


 試してみましょうか。ジプチに言われ、先ほど同様私は手のひらに魔力を集中してみることにした。


 魔力を意識すると体があたたかくなり、ふわふわする。

 先ほど気を失ったのもあるからあまり強く意識しすぎないほうがいいかもしれない。ここから手のひらの魔力を厚くするんだよな……


「ちょ、魔力多すぎですよ!和美さん。あんまり魔力を出しすぎるとばててしまいます。」

「え、もっと抑えるの?」


 抑えるったってうまくいくのか?確認してみると私の全身の魔力の量が、ジプチの手のひらに集まっている魔力くらいの厚みがあるようだった。

 少し集中するだけで魔力は簡単に流れるように移動した。ぬるっとする気がするが、気のせいだろうか。

 何とかがんばってその厚みの半分まで抑え、手のひらに集めてみる。

 集めた魔力が分厚い……もう少し少なくしなくては。

 私は何とか調整をした。


「どう?」

「できているようだな。」


 よかった。ようやく勇者として役立たずではない証明になった気がして、私はうれしかった。


「ついでに魔術にしてみましょうか」


 やっぱり最初の魔術といえば火の玉だろう。ジプチのとなえた術をまねてみる。


『炎の玉よ我が手のひらに』

 

……あれ?


「何もおこらない?」


「焦げ臭いにおいはしますが……?」

「え?」

「えっ」

「え?」

「魔力の状態からして作用してるように見えるんだが」

「まさかにおいだけ?」

 え~!?

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